0章ギルド結成秘話その13:リンとミユの出会い中編④
ウーファンは頭に血が上り、我を失う中でこの世の絶望をミユに問う。ウーファンの猛攻に耐えながらもミユは冒険になる覚悟を伝えながら、ウーファンをついに打ち倒す。ミユは晴れて冒険者になれるのか?
「やったね。ミユ。」
リンは先程の傷をメディカを飲んだのか動けるようにまでは回復していたようだ。それを物語るかのようにはワンピーススカートは汚れ所々に穴や傷が見れ、傷んでしまっているようだった。
「ミユの声のお陰でなんとか頑張ろうと思えました。」
リンはそう言いながら、ヒーリングを私の頭に向かって魔法を唱えていた。
すると、ミユの頭から流れでていた血が止まり、体中の傷も癒えたようであった。
「私はリンを信じていたから…リンならきっとまた前を向いて立ち上がってくれると思っていたわ。」
(リンが倒れた時に遡る。)
「いいえ、終わらせる訳にはいかないわ。私はリンを信じてる。リンはきっと立ち上がってくれると信じて私も闘うわ。」
ミユちゃん...私…意識が消えそうだった....んですけど...私…まだ…ここで倒れるわけには...急いでメディカを飲まなきゃ...ヒーリングを使えばウーファンに気づかれる。
半分目を開けながら、歯を食いしばり、なとか倒れた体勢で鞄からメディカをなんとか取り出し、飲み干す。体中の痛みが少しずつ癒えてきた。
ミユちゃんは今どんな状態なんだろうか?
「ツ...!!」
ミユちゃんはウーファンに杖で殴られていた。ウーファンなんて事をするの...ミユちゃんが可哀想…
はやく回復してあげないといけない!!
私はメディカを唱えようとする。だけど、私は回復呪文をかけることを止めた。ミユちゃんがウーファンの杖を受け止めながら、私に回復呪文をかえないでと訴えているみたいだった。
ミユちゃんは冷静だった。確かにここで回復をしてしまったら、ウーファンに気づかれウーファンは私の方に来るだろう。ミユちゃんが陣技を唱えてもきっと、よけられ、私が先に倒れてしまう。
この子は凄いこんな状況下でどうすればウーファンに陣技をはめることができるかが見えている...
なら、私に今できることをしないと...今私にできることは何かしらと...考える。
『・・・・!!!! そうだ。』
私は閃いた。確かに退魔の霧のウーファンは状態異常にはなりずらい....それでもミユちゃんの陣技を上手く決める足止めくらいできると信じてパラダイスドッグを投げ込み続けるしかない。
ウーファンが杖で殴りこみ
「お前に何ができる。リンを守ることもなく、陣を私の隙をついて、張ることもできないミスティックが一丁前を気取って冒険者になりだいだと笑わせるな!」
私は確かに回復でしかミユちゃん...いやミユをサポートすることしかできません。でもミユの陣を張るための時間稼ぎをして、ミユが倒れないようにする。それが私のパーティーの中での役割です。
ミユはこの試練を乗り越えることができますよ。ウーファン
素早くウーファンにきづかれないようにウーファンの足元いや、足元の周辺で薬剤瓶が稼働するように投げ込んでいく。
ウーファンは感情的になっていて私の投げたパラダイスドックに気づかない。怒りに任せているあまりか動き回って足元でパラダイスドックの薬瓶が発動していく。退魔の霧の効果で防がれるも少しは効くと信じて。
私の願いが届いたのかパラダイスドックがかすかに効きウーファンの動きが鈍る「。ウーファンはやはり、判断力の低下...否脳内から分泌されるアドレナリンが神経に作用し、自分の足元でパラダイスドックが効いているとは思っていないのね。
ミユちゃんがそれを瞬時に見切り、魅惑の陣の強さをコントロールしながら、ウーファンにかける。パラダイスドックが効いていたこともあり、ウーファンに魅惑の陣の効果が効いたようだった
陣が発動したことから、試練はクリアだが、お互いの思いのぶつかり合いが始まりそうで、私はその生末を見守ることにした。
(ウーファン撃破後に戻る。)
「ところでリン...私たち普通に名前で呼びあってるわ。」
「あ...ごめんなさい。リンちゃん嫌でしたか?」
つい私はリンちゃんのことを信頼できる仲間としてちゃん呼びを省略してしまいました。仲間になれるとはいえ、流石にまずいですよね。
「いいのよ。お互いのことが信用できる仲間として認めてもらえたと思えたら、私は嬉しいわ。それに私の方こそリンと呼んじゃったけど。」
「ミユちゃん...じゃなかった。ミユこれからよろしくね。」
「改めてよろしくね。リン」
私はふふふと笑い手を取り合った。
「そうだ。ウーファンを回復させないといけないんでした。」
私はウーファンを回復させるべくヒーリングを唱えるのであった。
リンの治療を受けている時、ウーファンは自分の過去を思い出しているのであった。