0章ギルド結成秘話その11:リンとミユの出会い中編②
方陣師のウーファンが現れた。
「私がポイズンドラックを投げるのでミユちゃんはカバーに入ってください。」
「わかったわ。」
私達は連携を取りながら、初めの攻撃を仕掛けようとしていた。
「ポイズンドラッグ!」
しかし、ポイズンドラックはウーファンにあたったものの毒の効果に至ることはなかった。
「これは対魔の霧の効果によって防がれたものね。」
退魔の霧…パッシブスキルで状態異常・封じ技を一定確立で無効化する技なのだ。
確率によるものもあるが、ウーファンは退魔の霧のパッシブスキルをMax近い或いは私達のスキル効果がウーファンには効かないという事もある。
つまり、ポイズンドラックは低確率でしか毒効果を付与できない状態になってしまった。
このままだと私は回復技とメディックの杖で殴るしかないわ。一体どうすればいいの...
その時、私が焦った様に下を向いて歯を食いしばっていたのを気にしてかミユちゃんは声をかけてきた。
「大丈夫よ。退魔の霧は一定確率でしか無効化できないわ。それに私達の技の威力が強ければ突破できるはずよ。」
「その通りだ。しかし、貴様達が私に勝ることが果たしてできようか?逆に貴様達の霧を超える状態異常の陣を貼ることができると自負している。」
ウーファンの言う通りだ。お互いに退魔の霧がかかった以上、ミユちゃんの体力が尽きる前にウーファンに陣の効果を付与させなければいけない。仮に霧を突破できるとしてもウーファンに陣が届くことはあるのだろうか?
いや、考えていても仕方がないわ。私は杖で殴りながら、ミユちゃんに陣を当てさせる。
「ミユちゃん私が殴りこみにいきますから、その間に隙を見て陣をお願いします。」
私はそういうと、地面を蹴りうぉぉぉぉぉという掛け声とともに殴り込む。しかし、ウーファンに見事に交わされてしまう。それでも構わず殴り込みを続けるがウーファンは私の攻撃をするするとかわしながら、陣を貼ろうとしていた。方陣の杖に私の杖があたり、ウーファンの体をかすめることには成功し、ウーファンは体勢を崩したがウーファンの陣が発動する。
「頭封じの陣」
!! しまった。....陣の上に乗ってしまった。
私は陣の効果にかかってしまうのか心配であった。
ミユちゃんもパッシブスキルの退魔の霧も上げていた効果か状態異常になることはなかった。
「どうやら、お前も退魔の霧のパッシブスキルは極力まで上げてるみたいだな。そこは方陣師としては鍛錬を積んできたようだな。だが陣技は状態異常や封じ技だけではないぞ。」
「!!!!!!」
私は封じ技や状態異常技しかないとばかり思っていたばかりに完全に不意をつかれてしまった。
「破陣:亜空鳴動!」
「きゃぁぁぁぁぉ」
忘れていたわ。陣を解除する事で無属性攻撃の圧縮されたエネルギーの塊が爆発して身体中を襲う。
痛い痛い痛い!体が雷に撃たれたいや、体中を日焼けした様にヒリヒリする感じがする。
放出された熱エネルギーが強力なのかそのまま地面にまで吹き飛ばされてしまう。
「……うッ……う……ッ」
少し意識も朦朧としてきた。ミユちゃんは大丈夫だろうか。
あぁミユちゃんが私の名前を読んでいる。
…ごめんね私…少し立ち上がるのが
「樹海はこれよりも過酷だ。私のこの試練を乗り越えられないのであれば貴様らの旅は始まる前に終わる。」
「いいえ、終わらせる訳にはいかないわ。私はリンを信じてる。リンはきっと立ち上がってくれると信じて私も闘うわ。」