0章ギルド結成秘話その10:リンとミユの出会い中編①
シウアンの提案にリンは納得し、気球で再び深霧ノ幽谷を訪れていた。無事リンと再会ができたのも束の間ウーファンが現れるのであった。リンとミユの生末はいかに。
君はこの物語りの続きを読んでもいいし、読まなくてもいい。覚悟ができたなら、次のページへをめくりたまへ。
「試験って何よ。私は、冒険者になって両親を探して、自分でも親が見てきた景色を見てみたいの。それに最終試験は里のような安全そうな場所じゃないと無理だったんじゃないのかしら?まさかこの森の中でやろうっていうわけ?」
ミユちゃんはウーファンが来たのをある程度折り込み済みだったのか冷静な返答をしている。
いや、本当は少し怯えているはずだ。だって方陣の杖を持っている手が震えているもの。
ウーファンにまた里に連れ戻させられたら、冒険者になるのは当分先になってしまうんだわ。
「心配する必要はない。お前が勝ったら冒険者になり、好きに両親を探すといい。それに仕込みは既にしてあるからな。森の木々をよく見てみろ。」
!?
私とミユちゃんは周囲の木々を見て驚いた。
魔除けの鈴がそこらじゅうに吊るされているではないか。
まるでここに私とミユちゃんが来ることを知っていたみたいだ。
「どういうこと私達がここに来るって知っていたみたいじゃないの?まさか!?シウアンが口を滑らせたって所かしら。」
「…私がシウアンの話を盗み聞きしたのだ。昼頃、リンと何やら話し合っていたのは知っていたからな。」
どうやら、ウーファンはあの時の私達の行動に感づいており、ミユちゃんとの対話をしながら、聞き耳を立てていたのだ。流石はシウアンの従事者といったところだろうか。にしても盗み聞き耳だなんて......壁に耳あり障子に目ありとはまさにこのことね。
なんて器用な行動ができるのかしら。
「その後、急いで魔除けの鈴を、つけさせてもらったというわけだ。」
「ウーファン、貴方それ変態って言うんじゃないかしら?だからパパに振り向いてもらえなかったんじゃないかしら。」
この発言には棘がある様に思えたけど、少々ばかりミユちゃんの発言には同意しかない。
「相変わらず口は達者だなミユ。いいだろう。もし私に方陣の術が嵌めることができたなら、私はsa先程言った様にお前を見逃す。だがもしお前に体力と方陣がかけられなくなった時にはお前は一生この里で巫女様の護衛、私の後を継いでもらおう。」
「ウーファンそんなことって酷すぎませんか!?」
私は思わず声をあげた。この試練を乗り越えられなかったら、ミユちゃんの冒険は始まるまでも終わってしまう。それはあまりにも酷すぎる内容だからだ。
「いいのよ。リンさん。」
「ミユちゃん!?」
「シウアンといやこの里の皆んなと決別する為に必要な気がするの。それにこの試練を乗り越えてこそ。冒険者になれるものじゃないかしら?」
「ミユちゃん…」
ミユちゃんは既に心の決心がついていたようだ。この子は幼いながら、心身ともに冒険者たるものにふさわしくなっていたのだ。
「今後、一緒に冒険していく仲間になるのだろ?なら仲間としての覚悟を私に示してくれ」
!!!!ウーファンが私をこう呼んだとおいうことは彼女も本気でミユちゃんと向き合う覚悟ができたということだ。
それに私も一緒に戦えるだなんて、私はミユちゃんと違って補助技はいや、エトリアで覚えたポイズンドラックとか状態異常攻撃とかなら、サポートできるかも。封じ技はミユちゃんに専念してもらうべきかしら。
「ミユちゃん!私は回復技以外に状態異常の薬品を投げることができます。だから、ミユちゃんはウーファンを封じる陣をお願いします。」
「わかったわ。私は陣とウーファンの陣に貴方がかからないように補助するわ。」
「どうやら覚悟は決まったようだな。リンいや冒険者よ。貴様もミユと一緒に私にかかってこい。」
「備えて!」
そうミユちゃんが叫びとウーファンとの戦闘が始まろうとしていたのだった。