表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/17

センセイをいじめるやつはゆるさない!


勉強の時間が終わりセシディが城から帰った後、プリシア王女はロイドの部屋へと訪れていた。


「お兄さま! センセイにお会いしていたなら、どうして教えてくれなかったのですか!?」


「すまなかった。プリシアに頼まれた事を調べに行ったら、彼女が泣いていたような気がしたんだ。だから思わず、ダンスに誘ってしまった。」


「センセイ……泣いていたの?」


「いや……表情は変わらなかったが、私には泣いているように見えただけだ。」


「お兄さまがそう言うのなら、そうなんですね。センセイを泣かせた人は誰ですか?」


「んー。子供のプリシアに、話していいものか悩んでいたから、話せなかったんだよなあ。」


プリシア王女は、頬をぷくーっとふくらませ、


「子供扱いしないで! お兄さまはいつも私を子供扱いする! お兄さまと、10歳しかかわりません!」


「……お前の歳より、離れているぞ? まあ、プリシアはセシディ嬢が大好きだから、私が話さなくても調べそうだしな。仕方ないか。」


「さすがお兄さまです! 私をよくわかってる!」


「はぁ……なぜ10個も離れた妹に、こうも手玉に取られてしまうのか。……どうやら、セシディ嬢の婚約者が妹に奪われたようだ。」


「それは、チャンス……いいえ、ゆるせない! だからセンセイは、あんなに悲しそうだったのですね……」


「……チャンスと言ったことには、触れないでおくよ。婚約者も婚約者だが、妹はセシディ嬢を貶めようとしていた。なぜ、あんな真似をするのか……」


「それは嫉妬です。センセイはキレイで頭もいいから、嫉妬したんですよ!」


「プリシアは本当に八歳なのか?」


「八歳でも女ですから!」


「そうだな。プリシアは、立派なレディだ。」


ロイド王子は、プリシア王女の頭を優しく撫でた。


「えへへっ! お兄さま、もっと褒めてください!」


こういう所は子供なのに……と、ロイド王子は心の中で呟いた。


「お兄さま、センセイのことをいじめた人たちに、おしおきしましょう!」


プリシア王女はまた、目をうるうるさせながらロイド王子を見つめている。


「またそんな目で見る……。ずいぶん過激な事を言うな。だが、私もそう思っていた。プリシア、一緒に先生を笑顔にしようか。」


「さすが、お兄さま! センセイをいじめて泣かせたやつは、私がぜったいにゆるさないんだから!」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ