表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妹に婚約者を奪われた私を救ってくれたのは…  作者: 藍川みいな


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/17

学園生活


パーティー以降、私が『氷のセシディ』と呼ばれる事はなくなりました。プリシア王女のお陰で、プリシア王女以外の方の前でも、無意識に色々な表情をするようになったのです。

きっと、私は怖かったのだと思います。幼い頃みたいに、笑ったり怒ったり泣いたり悲しんだりしても、誰も私を見てはくれないのでは……と。

あのパーティーで、プリシア王女が私の表情を変えてくれたから、私は変われたのです。

学園でも、友達がたくさん出来ました。学園生活がこんなにも楽しいなんて、知りませんでした。

学園生活が楽しいのは、友達が出来たからだけではありません。


「セシディ! お昼を食べよう!」


ロイド様が私の為に、学園に編入してくださったのです。学年が違うので、一緒に学んだりは出来ませんが、休み時間になると必ず会いに来てくださいます。ロイド様曰く、『いつも城では、プリシアが一緒だから、二人の時間も過ごしたい。』との事でした。


「あの……今日は、私が作って来たのですが……食べていただけますか?」


「何!? それは本当か!? 食べる! いや、食べさせてください! 」


子供みたいに喜んで……可愛いです。


二人は校舎の裏庭にあるベンチに座り、


「サンドイッチを作って来ました。お口に合えばいいのですが……」


そう言って差し出したサンドイッチは色とりどりで、野菜やお肉やチーズが挟んである。


「セシディの手作りなのだから、私の口に合わないわけがない! いただきます!」


ロイド王子はサンドイッチをひとつ取り、口へと運び、一口食べる。


「……美味い! 美味すぎる! 今まで食したもの全ての中でも、ダントツの一位だ!」


ものすごくキラキラした目をしながら、もぐもぐとサンドイッチを平らげていく。


「はぁー!! お腹がいっぱいだ。」


「ロイド様、ありがとうございます。」


「ん? 礼を言うのは私の方だ。こんなに美味しい食事をありがとう。」


「あ……いいえ、そういう事ではなくて。ロイド様に、感謝の気持ちをお伝えしたかったのです。」


「何の感謝だ?」


「学園ダンスパーティーの時のです。あの時、お礼を言うことが出来ませんでしたから。」


あの時、ロイド様が助けてくれたから、今の私がいるのだと思います。もしもあのまま、あそこにいたら……私の心は、前よりももっと凍り付いていた気がします。


「あの時から……私はきっと、ロイド様に恋をしていたのだと思います。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ