春雨に降られて
静かに雨が降る
春の雨だ
花桃の花びらに
小さな滴がポツポツ降る
春の雨は恵みの雨なのかもしれない
咲く花々にとって
美しさをより際立たせてくれる
雨の匂いと共に
花々の香りも薫る
わたしは室内で
ミルクティーを飲みながら
先程摘んだ
菫の花を見やる
散歩をしていて
春の雨が降ってきて
慌てて帰ろうと足元を見た時
ふと目に付いた菫の花だ
慎ましやかに咲く
菫の花に
何故か手を伸ばしていた
綺麗だと思って摘んだ菫の花
人間の勝手な感情で摘んだ花だが
菫は嫌ではなかっただろうか
そんなことを考えていた
花は何のために咲くのだろう
種族の繁栄の為?
見てくれる人間の為?
何のために咲くのだろう……
ミルクティーのカップを傾けながら
そんな思索に耽る
春の雨の午後だった……
お読みくださりありがとうございました。