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嘘と幸せと真実と不幸せと

作者: 星野 光一

最後まで、嘘をつき通して欲しかった。

嘘をついて、幸せになる。


真実を言って、不幸せになる。


相手を傷つけないために、嘘をつく。


自分に言いきかせるために、真実を言う。


嘘をつかれて、幸せに思うしかない。


真実を言われて、嘘であれと願う。


相手の幸せのための嘘。

自分を偽れない真実。


人は人の心の中は見えない。

人は以前の人には戻れない。


何故こうなったのかと、自分を責める。

何故そうしたのかと、相手を責める。


出会ったことを後悔する。

幸せだったことを忘れて。

すべて忘れて。


恋をしている人たちのうち半数の組は、

これが逃れられない法則であることを

知っている。




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