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序章6話 オークは小物

 オルヴィエート王国は日本と同じように四季が訪れるからいいですね。たまに雪が降ることもあり、冬はとても寒いです。その分夏は程よい暑さで過ごしやすいですね。日本に居た時はエアコンの無い場所に行った事はほとんど無かったので四季を感じた事もあんまりなかったですがね。


 あ、オリハルクス領で一番重要なのは秋ですよ。秋は食べ物が豊富になります。特に魔境で採れる果物がとっても美味しいんですよ。浅いところは冒険者が頻繁に出入りするのでドラゴンやロード級の魔物は出ませんし、安心してフルーツ狩りができますね。

 

 時は進んで7歳の春を迎えた頃の話です。記憶を取り戻した当初と比べると背もたくさん伸びたんですよ。まあ、3歳と比べると大きいに決まってますがね。


 このときわたくしはとっても機嫌が良かったです。ついにお父様が剣術を学ぶことを許可してくださったからです。5歳でおねだりしたときは「身体ができていない」という事で取り付く島も無かったのですが、情報収集の合間に走り込みをしたり、軽い筋トレをして地道に努力を重ねたことでようやく解禁になりました。

 

 王国では貴族の令嬢が剣を振るうことに否定的な方が多数派のようですが、オリハルクスはそもそもが魔物と戦って爵位を叙せられた家柄ですから、強さを求めること自体は必然でしかないのです。

 それこそ唯一の兄妹であるジェラルドお兄様もわたくしが訓練に参加することにとても肯定的で


「剣を習いたいだと!? ふははっ! 我が妹で無ければプロポーズしてたぞ!」


 などと供述なさってましたよ。なお、いまだに未婚でいらっしゃいます。あ、エリさんわたくしのお姉様になりま……いえ、冗談ですから拳を下ろしてくださいませ。

 

 ただ剣の腕はお父様にも引けを取らない程の達人で剣技のみの戦いであればわたくしでも勝率5割を下回るでしょう。魔法有りでも2割程は敗北の可能性が残ります。

 

 お兄様はとっても強くてすごいのです!


 しかも教えるのが大変お上手でわたくしの悪い所を的確に指摘し、女性でも力や体格に勝る相手と戦える剣技をご教授いただきました。……力で男性に勝てる方向に成長してしまったのは想定外でしたが。ついでに申し上げるとほぼ武闘家になってしまいましたが。

 

 当時はそんなことは露知らずにがむしゃらに剣を振るい、たまに魔物を狩りにも出掛けました。オークくらいの小物ばかりですけどね。


 え、オークは力が強くてタフな上に群れる魔物だからCランク以上の冒険者がパーティで戦うクラスのモンスターなんですか?

 Cランクって冒険者全体の15%くらいしかいない、ですか……


 と、とにかく7歳からは剣術の修行やお兄様と二人で魔物の討伐に精を出してました。

 

 他には料理や園芸にも力を入れてましたね。オリハルクス家は使用人との距離が近いので、貴族の令嬢が厨房に立とうが土いじりを始めようが誰も嫌な顔せずなんでも教えてくださいます。


 自慢になりますが、オリハルクスは最高です。

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