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娯楽の国とエルフの暇  作者: ヒロミネ
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これってレクリエーションであってるんですの?

明けましておめでとうございます。

新年初の更新となります。今年もよろしくお願いいたします。

ちなみに更新を1日早く更新してしまいました。

更新操作を間違えました、申し訳ないです……


「ねえ、レクリエーションってポーションとレーションどっちの仲間なんですの?」

「……は?」


 いつも通りの午後。シュエリアの部屋で膝に乗せたアイネを愛でていると、いつも通り急にシュエリアの奴がアホなことを言い出した。


「どっちなんですの?」

「どっちでもねぇよ」


 そもそもなんで似た雰囲気の名称で括ろうとしてんだコイツ。

 そんなものはドラ〇エの呪文だけにしとけ。


「じゃあなんなのよ、レクリエーション」

「何って……そりゃあ」


 ……なんだろうな? 改めて聞かれるとハッキリとした意味までは知らない気がする。

 こういう時は。


「教えてグー〇ル先生」

「知らないのね……」


 俺が知らなくてもグ〇グル先生に知らないことは無い。

 むしろ先生の知らない事なんて大概の人は知らないはずだ。


「で、だ。レクリエーション(リクリエーション)ってのはまあ、あれだ、休養を兼ねた遊びってことみたいだ」

「ふむ。じゃあ具体的にこれがレクリエーションってものは無いのね?」

「まあ、そうかもしれないな。でも、レクリエーション協会っていうのが色々それらしい遊びを紹介しているみたいだぞ」

「……なんか急にステマっぽくなってきたわね」


 そんな、ステマとは失礼な……これくらいしかそれっぽい情報が出なかっただけである。そもそもマーケティングになってないから。


「まあでも、せっかく出たなら何かやってみたいわね?」

「ふむ……そうだなぁ」

「にゃ?」


 お、このタイミングで起きますかアイネさん。


「アイネも一緒に遊ぶか? レクリエーション」

「ふー。にゃ」

「なんて言ってるのかしら」


 別になんて言ってるわけでもないと思う。単に「うん」とか「ん」とかの返事だと思う。

 アイネは俺の膝から降りるといつもの人の子の姿になった。


「兄さまと遊ぶんです?」

「というか、三人でだな」


 ということで、三人でできそうなのは……っと。


「おねーちゃんもやりたいんだけど?」

「……あんた何処から出て来てんだよ」


 俺が三人で出来そうなゲームを探そうとすると真後ろから声を掛けられた。

 その声の主は案の定というか、義姉さんの訳だが。


「基本的に姉には弟の傍に即座に出現するスキルがあるからね」

「姉なら誰でも持ってるみたいに言うな、義姉さんだけだよ……」


 とりあえず、四人向けのゲームを……と、思ったが、ここでもしかすると、もう一人参加したい人がいるのではないかと思っていると、不意に視線を感じて下を見た。


 すると、視線が合った。影と。


「……トモリさんもですね」

「……はい~」


 これで参加するのはシュエリアとアイネ、姉さんにトモリさんに俺か。

 っていうか相変わらず俺の周りには神出鬼没な人多いな……。特に義姉さんはいつもの事だけどなんでトモリさんは俺の影になんて潜んでいたのだろう……意味わからん。ノリか?


「んー、とりあえず色オニでもやるか」

「え、何ですの、それ、よさそうですわよ?」


 俺と一緒にPCの画面をのぞき込んでいたシュエリアが肯定してくれたので、これをやることにしよう。


「じゃあ、まず俺がオニやるから、ルールは、こっちの画面見てくれ」


 別にルール説明が面倒とかそういうことではない、単純に主観の入った説明にならないように、という配慮だ。


 ただし、今回はシュエリアの希望もあって色々なゲームを遊ぶために、一つのゲームをすぐに終わらせるためのルールとして色に触る為一度触った物には他の人も触れないルールを適用した。

 そしてうちの庭に出て、ゲームスタートだ。


「じゃあいくぞー、まずは、黒だ」

「黒?!」


 うん、ビックリしてるな。

 まあ、それもそうだろう。

 家の庭は割と広い、広いが、あるのは基本的には草花等の植物、落ちてる石ころ、自転車など、まあ普通に普通な物しかない。


 そんな中で黒である、まあ探すのに苦労するだろうな。多分。


「数えるぞー。いーち、にーい、さーん……」


 俺が数を数え始めるとみんな散り散りに走り出した。

 さて、誰を捕まえようか。


「アイネは猫だし素早いよな、シュエリアはアレでもハイスぺエルフだし、トモリさんは魔王。唯一の人間も完璧超人の義姉さんだし、今更だけど俺がオニなのがもうミスな気がするよなぁ」


 さて、とりあえず捕まえやすそうな義姉さんから行くか、他の三人に比べたらまだ捕まえやすいだろうし、最悪あの人なら俺がオニなら捕まえようはいくらでもある。


「さて、行きますかー」


 一応、広い庭とはいえ、ある程度逃げる範囲は限定してあるので圧倒的な身体能力だけで逃げ切れる程楽ではない……とは思う。

 それこそ、辺りを見回せば全員見えるしな。


「で、なんでこっちに走ってくるのかなゆう君! いつもはお姉ちゃんとか無視なのに!!」

「義姉さんが一番捕まえやすそうだからだ、が……なにやってんの、シュエリア」


 俺が姉さんを捕まえに行くと、姉さんはポケットから取り出したボールペンのキャップを握っていた。

 あぁ、確かに黒いね、それ。でも今使ったから今後は使えないわけだが。

 というわけで、姉さんは、いいのだが。


「もう一回聞くぞ? シュエリア、てめぇは何やってんだ」

「黒に触ってるのよ!!」


 そういうシュエリアは義姉さんの服に手を突っこんでいた。


「確認のしようがねぇじゃないか」

「ちゃんと触ってるわよ! ほら!!」


 そういうとシュエリアは姉さんの服をたくし上げた。


「ちょっ?! シュエちゃんなにしてるのかなぁ!! いくら相手がゆう君でも外で脱ぐのは恥ずかしいんだけど!!」

「ほら!! 見なさいよ! 真っ黒よ!!」


 そういってシュエリアが触っているのは、姉さんの『お腹』だった。


「何処がだよ」

「そうだよシュエちゃん! 私今日の下着は水色だし!!」

「うん、義姉さん、触られてんの腹だからね、落ち着こうか」

「パンツも水色だから!!!」

「落ち着けって言ってんだよ馬鹿義姉」


 なんで取り乱したついでにちょっと『嬉しそうに』カミングアウトしてんだこの義姉は。


「黒く無いだろ、むしろ義姉さんは色白だよ」

「そ、そうだよ! 弟自慢の色白美人お姉ちゃんだよ!」

「そうだ、容姿しか自慢できない不肖の義姉だ」

「え、ちょ、ゆう君酷くない……?」


 なんか義姉さんが落ち込んでいるが、まあいいだろう、割といつもの事だ。

 それより、これのどこが黒いのか。


「だってシオンは腹黒いですわ! これもう立派な黒よ!」

「うん、言いたいことはわかったけど、次からは目に見える色にしろよ……」


 そう言って俺は、シュエリアの肩に手を置いた。


「え? 今の次からは……っていうのは見逃す流れじゃないんですの?!」

「そんな甘いわけないだろ、舐めんなよ」


 たとえレクリエーションでも、ゲームでも、手を抜かない、本気になって遊ぶから面白いのだ。


「じゃ、次よろしく」

「ぐぬぅ……今に目に物見せてやりますわ!!」


 そういうとシュエリアも観念したようで、数字を数え始めた。

 今回はシュエリアが馬鹿みたいに捕まってくれたからよかったが、今度鬼になったら色とか関係なくガン逃げされそうなので捕まらないようにしないとな……。


 ……と思っていたのだが、その後の展開は単純で、予想通り俺は闘志を燃やしたシュエリアにあっさり捕まり、その後は他の連中にガン逃げされて全く追いつくことなく色オニは終わった。

 そしてしばらく色オニで遊んで満足した俺達は、次のゲームを模索した。


 次は身体能力に依らないできるだけ公平なゲームにしよう。


「てことで連想ゲームにしよう」

「連想ゲームですの?」


 これならまあ、うん、楽しいだろ、多分。


 連想ゲームとは読んで字のごとく、連想するゲームである。連想って何? って人は辞書を引こう、辞書を知らない人はお母さんに、お母さんを知らない人は……何とかしてくれ。


「ただし、ここに居るメンツは一人やけに情報量がバグってる義姉さんが居るので、情報を絞り、尚且つ共通の趣味でもあるアニメ、マンガ、ゲームの連想にしようと思う」

「おぉ、いいですわね?」

「ただ、連想ゲームって言っても連想する言葉を繋いでいくのではなく、キャラとかに関する情報を小出しにして連想して、キャラの固有名詞を当てるゲームだけどな……とういうことで、まずは言い出した俺から見本ついでにやって行こうと思う」


 そういって俺はまず一つ目の連想ワード『猫』を告げた。


「猫ねぇ……アイネ?」

「キャラじゃないだろ、アイネは」

「いえ、ある意味ラノベの……」

「誰目線か知らんが止めとけ……」


 それはツッコんじゃいけない奴だ、多分。


「で、次のワードは『道具』だ」

「にゃんこは道具じゃないですよ??」

「うんアイネ、どストレート過ぎるから、もうちょっと捻って連想しようか」

「うぅ?」


 あー、ほんとアイネは可愛いなぁ。


「あ、お姉ちゃんわかっちゃった」

「お、答えは?」

「キャッ〇アイ!」

「うん、ツッコミどころ殆どない、不正解」


 まったく、もうちょいボケろよ、普通に間違えるなよ。


「で、シュエリアは」

「わからないから、次ですわ」

「あいよ……次のワードは『友達』だ」


 俺がそう言うと、シュエリアがサッと手を挙げた。


「ジバニ〇ンですわ!」

「不正解だな。っていうか誰かボケろよ」

「は? ……何の話ですの?」

「こっちの話だ」


 うーん、このままだとひたすら迂回し続けそうだし分かりやすいヒントの方が良いか。


「次のヒントは『青』だ」


 俺個人としてはここまでヒントを出せばあの国民的な猫が出てきてもよさそうな気がする。

 のだが……


「グロッキーなひこに〇ん~でしょうか~」

「なんで急にボケるんですかトモリさん……」


 こんな分かりやすいヒントの後にボケるとか……流石天然。

 なんか義姉さんも目がキラキラしてるしすごく嫌な予感がする。

 これはあくまでもお試しだし、そろそろ答えてくれていいんだけど。


「アイネは分かったか?」

「う? うーん……なめ猫?」

「……うん、不正解」


 アイネは可愛いからいいや、ツッコまないであげよう。


「で、義姉さんは」

「もちろん分かってるよ!! ドラ〇もんだよね」

「お、以外。ボケると思ったのに正解」


 姉さんが思ったよりちゃんと答えてくれたおかげで、次に移ることが出来るな。


「で、次は誰がやる?」

「私がやりますわ」


 そういったシュエリアはどうやら問題を考えてあったようで、すぐに口を開いた。


「1兆5000億光年――」

「超天〇突破グレ〇ラ〇ン」

「なんでわかったんですの?!」

「そんな特徴的な数字出てくる作品他にそうないわ!!」


 もしかしたらそういう数字が出てくる作品はあるかもしれないが、印象的なのはやはりグ〇ン〇ガンだろう。


「そうじゃなくて!! なんで覚えてるのよ!!」

「……お前がそれ言うか?」


 そもそも問題に出したのはコイツだろうに。


「というか……シオン達はわかってたんですの?」

『全然わからなかったよ?(ですよ?)』


 あれ、マジでか、皆わからなかったのか……。


「ほら! 普通わからないんですわ!」

「そだね。ゆう君とシュエちゃんが気持ち悪……オタクなだけじゃないかな」

『オタクを気持ち悪いって言い間違えるのやめろ(やめて)!!』


 まったく、なんて人だろう。

 別にそんなに気持ち悪がられるような知識でも……ない、はず、多分。


「ゆう君、このゲームだと知識的な有利不利があるから、別のゲームを提案したいんだけど、ダメかな」

「ん……そうだな」


 まあ、確かに、姉さんはともかくアイネとトモリさんが一緒に楽しめないのでは困るしな。


「で、何やりたいんだよ」

「うん。ポッキーゲームをしたいの!」

「それ前にやったから!!」

「へ? そうだっけ」


 ……そうか、この人達あの時潰れる程飲んだんだったな……。

 まあそれでもやらないけど。


「で、他には……?」

「っていうかユウキ、ほら、もう、アレですわ」

「ん?」


 アレ? って、なんだろうか。


「ネタ切れ、もとい夕飯の時間ですわ」

「……お、おぅ」


 そう言ってシュエリアは席を立つと俺を引っ張ってキッチンへ向かう。

 これは要は飽きたという事か。それとも腹が減ったという事なのか。

 まあ、どちらにしても。


 今日の遊戯は有意義に幕を閉じた……のか?


ご読了ありがとうございました!

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次回更新は火曜日です。

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