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娯楽の国とエルフの暇  作者: ヒロミネ
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大人の話? ですわ

今回は下ネタが多いので、苦手な方は観覧を避けてください。

今回の話を観覧しなくても今後の話の流れには差し支えないように配慮しているつもりですので、無理せず楽しんで頂けますとありがたいです。

「一般向け作品で許される大人の話ってどこまでなのかしら」

「……何の話だろうか」


 いつも通りの朝。

 いつも通り放たれる訳の分からない発言。

 ちなみに今日はアシェが遊びに来ていて俺の右に座っていて、シュエリアは左。

 トモリさんは向かいのソファでダラダラし、アイネは俺の部屋でまだ寝ている。


「大人のおもちゃの具体的な話ってアウトですの?」

「アウトだろ」


 もうむしろこの会話がアウトな気がする。朝からなんて話をするんだろうか。

よいこの皆にはググってほしくないものだ。


「駄目ですの? なら夫婦の営みの話は?」

「具体的でなければ……まあ、いいんじゃないか」


 なんだろう、今日はギリギリアウトな話でもしたいのだろうか。


「え、猥談とか駄目なの?」

「お前は好きそうだよな、猥談」

「べ、別に好きって程じゃないわよ! どちらかというと相手を罵る会話の方が好きだわ」

「それはそれでどうなんだろうか」


 ちょいちょい思うが、アシェって育ちだけ悪いよなぁ……。

 顔はいいし、性格も根はいい奴っぽいのに、何か色々オカシイというか。

 まあ、あの母の娘だからだろうが。


「というか何故こんな話に」

「それはアレですわ。わたくし達の会話って結構パロディが多いじゃない?」

「……まあ」

「だからどこまでやって許されるのかと思って」

「ギリギリまでやる気満々なのか」


 俺の彼女さんはちょっとパロディする程度ではなく、パロディ色強めで行きたいらしい。


「基本的に元の作品を貶めたり、丸パクリじゃなければいいんじゃないか」

「そういうものかしら」

「パロディってそもそも読者側に伝わってほしい物だし、好きな作品を共有して読者と作者が楽しむものっていうか……」

「ふむふむ」

「私、人の物盗むのって嫌いだわ」

「悪役令嬢が何を」


 むしろ人から盗ってばかりのイメージなんだが……。


「人の権利を侵害するのはよくないって母様も言っていたわ」

「なんでそういうところだけ真面目なんだ」


 相変わらずよくわからない教育方針である。


「で、まあ。なんでこういう話になったのかわかってもらえたかしら?」

「そうだな、とりあえずは」

「じゃあ大人のアウトレットの話がしたいのだけれど」

「おーい、パロディどこいったー」


 コイツ結局アウトよりの下の話したいだけじゃねぇか。


「パロディに限らず、大人の限界を知りたいのよ」

「大人の限界とな」


 俺の問い返しに頷くシュエリア。


「えぇ。わたくし達もいい大人ですわ? だから大人の都合ってものの限界に挑戦したいんですの」

「なんと物騒な」


 どうやらこちらが本題。

 今日の話題は大人な話のようだ。


「で。ディ〇ドって使ったことないのだけれど」

「そ、そうか」


 いきなり彼女からこんな話聞かされる彼氏の気持ち、ちょっと考えてみて欲しい。


「気持ちいいのかしら」

「知らんわ!!」

「あーアレね、いいわよ結構」

『え?』


 どうやらここに一人いたようだ。使ったことある奴。


「モノにもよるけど結構刺激的だわ?」

「へ、へぇ」

「本物は知らないけど」

「そうですの……」

「お、おう」


 なんだろう、身内のこういう話は微妙にショックだ。


「何その反応? まさかユウキって処女厨?」

「違うわ!!!!」

「違うんですの?」

「違うんですよ!!」


 なんで俺にそんな疑惑の目が向けられるのか。


「ふぅ。まあユウキが処女厨なのはいいとして」

「否定したよな?」

「じゃあわたくしが処女じゃなくてもいいと?」

「うっ……それは、ほら、うーん」


 ここで「いい」とハッキリ答えていいものか。

 それはそれで違う気がするし、かといって否定しないと処女厨か。


「即答できないあたりが怪しいですわ」

「ぐっ……そんなことより、ほら、今は別の話をだな……」

「ふぅん……ま、いいですわ」


 ふぅ、なんとか追及は止めてもらえたようだ。


「で? アシェは他に何か使ったことはあるんですの?」

「んーそうね。ロ〇ターとか電〇とか……知名度高いアイテムは大抵試したわ?」

「へ、へぇ。その、どうなんですの、使用感というか」


 そう言いながらちょっと恥ずかしそうに、しかし興味深々と言った様子のシュエリア。

 うーん、この会話。俺居ていいんだろうか。


「私は刺激が強いのが好きだから電マかしら!」

「わたし~は~ロー〇―を複数使うのが~好きです~」

「トモリも使うんですのね……」

「まあ予想通りだけど」

「あ~でも~処女~ですよ~」

「そのカミングアウト要ります?!」

「意外性ある~かと~?」


 まあ確かに魔王でサキュバスなトモリさんが処女なら多少の意外性はあるが。

 でも今時創作キャラなら処女サキュバスとか珍しくないかもしれない。


「わ、私も処〇膜あるから! ディル〇は後ろで使ったから!!」

「そのカミングアウトは絶対要らない!!」


 今日の会話大丈夫か? これ規制掛かってるよな?


「つまりここには未経験者しかいないわけですわね?」

「ま、まあ。そうなるかな」

「……試す?」

「あら~いいです~ね~」

「いいわけあるか!! 俺一人で相手しきれるか!!」

「ツッコむところそこですの?」


 またツッコむとかなんとかアレな発言しやがって……って、これは普通にツッコミの方か?

 駄目だ……思考が汚染されてきた……。


「とにかく! 試すのは無し! そういう軽い気持ちでやっちゃ駄目だ!」

「なんだかんだ結構真面目よね、ユウキって」

「そうね。まあそういうところがいいんだけど」


 そう言ってうんうんと頷く女子三人。

 や、やりづらい。


「まあ、ユウキの童貞は正妻のわたくしの物だし。ここでというのも勿体ないですわね」

「そ、そうだよな」


 とりあえずこの流れを避けたいのでシュエリアの言葉に乗っておいたが、勿体ないっていうのはなんだろうか。


「えー。いつならいいのよ?」

「それはほら、結婚初夜とかですわ」

「シュエリア~さんも~結構~ピュア~ですよ~ね~」

「んなっ! そんなことないですわ!」


 そういって焦って否定すればするほど余計にそれっぽいわけだが。それでもシュエリアは照れながらも反論する。


「わ、わたくしがピュアだっていうならトモリはどうなんですの?」

「わたし~は~貞操観念~は~しっかり~してます~よ~?」

「わたくしだって同じですわ?!」

「でも~初夜で~なくとも~いいです~」

「うぐっ」

「シュエリアって意外と乙女よね~」

「です~ね~」

「ぐぬぬぬぬっ」


 なんだろう、今日は俺とシュエリアがアウェーの日なんだろうか。

 にしても初夜か……シュエリアとの結婚……悪くないな。


「アシェはどうなんですの!」

「私? 私は普通にユウキに求められたらするわよ?」

「ぐっ……いつでもですの?」

「いつでもよ。外でも、人前でもいいわ?」

「……なんかこれには負けてもいい気がしますわね」

「そもそも張り合う必要がないけどな」


 この会話、実に不毛だ……。


「まあ、もう下の話はいいですわ」

「いいのか」

「これ以上行くと具体的な話になりそうだもの」

「もう既にいくらか具体性があった気がするが」


 気にするのが遅い気がする。もう手遅れだろこれ。


「後はそうね、大人の事情の話かしら」

「俺らには関係ないな」

「なんでですの?」

「大人の事情に絡めるだけの影響力無いから」

「なんて悲しい理由なのかしら」


 そう言ってシュエリアはそっと俺に寄り添ってくる。まるで慰めるかのようだ。

 や、やめろ、俺まで悲しくなる。


「でもねユウキ」

「ん?」

「わたくし達色分け意外とできてるからプリキ〇アとか行けると思いますわ」

「どこに行く気で言っているのか」


 行先は裁判所かな。


「私はセーラー〇ーンが好きだわ!」

「わた~しは~アイ〇ツ~が~」

「どれも女児向けですね……」


 まあ大きなお友達も好きだろうが、一応、女児向けである。


「ユウキは真似してみたい作品とかないんですの?」

「……ガン〇ム」

「好きねぇ、ガ〇ダム」


 できれば専用機とか欲しいものである。


「じゃあ皆合わせてプリティムーンガンカツですわね」

「なんて語呂の悪い」


 なんで合わせちゃったかな、そういう雑なパロディは嫌われそうである。

 でもなんとなくプリティムーンとか、ガンカツ辺りは語呂よさげかもしれない?


「っていうかどんな内容のパロディだそれ」

「それはプリティでキュアキュアな少女がセーラー服を模した装いの人型ロボットに乗って活躍する感じですわ」

「なるほど。俺の出番ないじゃねぇかちくしょう」


 せっかくガ〇ダムに乗れるかもしれないのに、パロディだが。

 っていうかセーラー服を模した装いのガン〇ムってノーベルじゃん。


「何よ、なんだかんだ乗り気ですわね」

「まあ、せっかくならな」

「私は機械って苦手なんだけど大丈夫かしら」

「わた~しは~ブレザーが~好きで~す~」

「ネタをひとまとめにしたのに意見が纏まらないだと……」


 っていうかブレザー着たトモリさん達はちょっと見てみたい。

 特にアシェとかは似合いそうだ。

 シュエリアとアイネはセーラー服かな?


「ということで」

「ん?」

「纏まらないから皆で好きなコスプレしてこの話は締めますわね?」

「おおっと大胆」


 自分から話締めるとか言い出しちゃったよ。いや、いいんだけどさ。


 ってことで、30分後。


「わたくしのこれ、なんのコスプレなのかしら」

「好きなコスプレと言いつつ知らないとかいう」


 始めからすっとぼけたことを言うシュエリア。

 ちなみに俺が見るにそのコスプレは……。


「アンジェ〇カだな」

「あぁ。最低の屑ゲーですわね」

「誉め言葉だよなそれ」


 知らない大きなお友達はググってみて欲しい。知らないよいこは大人になったら思い返してみよう。


「で、トモリさんは」

「にゃん~」

「強烈にコスプレ臭しますね……」


 トモリさんはなんと猫耳猫しっぽコスプレだった。

 アイネと仲いい時から思ってたけど、猫好きだなぁトモリさん。


「にゃ~」

「……可愛いですね」

「にゃ~ん」


 もしかしてトモリさん、猫に対する憧れでもあるのだろうか。

 俺に褒められたのが余程嬉しかったのか、一人ソファで座っている俺の膝の上にゴロンと転がってきた。


「と、トモリさん?」

「にゃあ?」

「うっ」


 なんかこの感じ、アイネのアレに似ているな。


「よしよし」

「にゃあ~」

『イラッ』


 なんか撫でて欲しいときのアイネに似てたからつい撫でてしまったらトモリさんには喜ばれ? エルフ二人には怒りを買ってしまったようだ。


「ユウキは本当に猫好きですわねぇ?」

「本当ね。猫で雌ならなんでもいいのよこの男は」

「ひでぇ言われようだ」

「にゃ~?」


 エルフ二人には敵意を向けられるしトモリさんはそれが楽しいのか余計にジャレついてくる。


「そ、それで、アシェのコスは?」

「話逸らしましたわね」

「ホントにね。でもいいわ。私のこれは水〇灯よ」

「ふむ……よく見れば確かに……随分凝った衣装だ」

「暇だったからわたくしが作ったんですわ」

「お前本当に器用だな」


 まあこれ器用ってだけでどうにかなるレベル超えてるけど。

 どこでこういうスキルを学んでいるのか……。


「さて、それじゃあコスプレも終わったし、そろそろ昼食にしますわよ」

「はいはい……俺が準備すればいんだろ」

「ですわ」

「はぁ」


 まあ、なにはともあれ。

 今回の大人の話は話の内容の過激さの割に、最終的には平和に幕を閉じたのであった。


ご読了ありがとうございます!

コメント、感想等頂けますと幸いです。

次回更新は火曜日となります。

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