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娯楽の国とエルフの暇  作者: ヒロミネ
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ハーレムって……ですわ

「はー……暇ですわ」

「またか」


 いつも通りの昼にいつも通りの暇を持て余すエルフ。

 しかし最近は大抵何かしているか、暇と言ってもやりたいことがあったりするわけで、今日はどういうパターンだろうか。

 ちなみに他のメンツはトモリさんがシュエリアの隣で編み物。アイネが俺の膝枕でごろごろしている状態だ。


「で、ユウキ」

「なんだ」

「ハーレムってなんですの?」

「俺が聞きたいわ」


 どうやら今日はハーレムとは何か、という話題のようだ。

 っていうかハーレム云々って言い出したのコイツだよな。何をいまさら。


「ハーレムって何するんですの?」

「知らんけど、なんかこう、イチャイチャとか?」

「うーん、楽しいのかしら、それ」

「お前が言うか」


 誰だ、面白そうだからという理由でハーレムとか言い出した馬鹿は。


「いえ、わたくしはいいのよ? ユウキとイチャイチャするの……ってよく考えたら他人から見たらわたくし達ってどう見えるのかしら」

「いきなり話変えるなぁ。どうって……なんだよ」

「イチャイチャしているように、見えるのかしら」

「あぁ……。みえ……ないだろうな」

「ですわよねぇ」


 そう言って「うーん」と唸るシュエリア。

 どうやらどうしたらイチャイチャしていることになるのかを思案しているようで、ああでもないこうでもないとぶつぶつ言い始めた。

 すると、そんなシュエリアを見てアイネが口を開く。


「いえ、シュエリアさんと兄さまは普通とは違った意味でイチャついていると思いますっ」

「ほう」

「それはどういう意味ですの?」


 シュエリアが問うと、アイネは体を起こして話し出す。


「お二人の場合はくっついてデレデレしてる感じのイチャイチャではなく、なんかこう、二人だけの空気みたいなのを醸し出す意味でイチャイチャしていると思いますっ」

「ふむ」

「ふうん」

「反応薄いですっ」


 いやだって、二人だけの空気を醸し出していると言われてもな……。

 そんなことあっただろうか。


「お二人とも自覚ないんですかっ」

「無いな」

「無いわね」

「そういうところですよっホントにっ」

『?』


 そういうところとは、どういうところだろうか。


「その息の合った感じとかっ、いつも話しているといつの間にかお二人だけ会話量多かったりとかっ」

「……そう言われると確かに話てる量は多いな、俺とシュエリア」

「そうかもしれないですわね?」

「わかってくれましたかっ」


 うーん、確かに、わかったような気がしないでもないが。

 それってイチャイチャに入るのだろうか。


「っていうかイチャイチャってなんだ」

「……ですわね?」

「恋人~同士が~仲良くしま~くる~ことでは~ないでしょうか~」

「ほうほう」


 俺とシュエリアの疑問にはトモリさんが答えてくれた。

 確かに仲良くという意味では、俺とシュエリアは仲はいいな。

 会話のノリが合うし、意見は違っても互いを理解しあえてる感じとか。


「ということは俺とシュエリアはイチャついていると」

「そうなるわけですわね?」

「そう~ですねぇ~」

「そうだと思いますっ」


 ふむ、ここに来てトモリさんからもそう認識されているのであれば、俺とシュエリアは仲良くイチャついているのかもしれない?


「まあでも、わかりやすくイチャついているのはアイネよね」

「う?」

「そう~ですね~」

「そうか?」


 俺とアイネがイチャイチャ? してないだろ、なぜかハーレムの一員とはいえ兄妹だし。そこまで露骨にイチャイチャしたりはしていないはず……。


「さっきの膝枕でゴロゴロするのとか完全にイチャイチャですわ」

「そう~ですね~。あれは~イチャついて~見せつけるタイプ~でしたね~」

「いやいやいや。見せつけてないから」

「イチャイチャと言われればそんな気はしますがっ」

「そ、そうか?」

「はいっ」


 なぜかすこぶる嬉しそうに答えるアイネ。

 ま、まあ、俺もアイネのことは大好きだし、アイネもそうだろうから、イチャイチャというのも間違ってはいないのかもしれない。


「とまあ、ここまで話したら後は決まってますわね」

「トモリさんか……」

「あらぁ~」

「トモリさんとはそういう雰囲気ではなさそうですっ」


 ドストレートな妹の意見に、しかし俺も同意である。

 なんというか、手を出すの怖いし、でもトモリさんがいい人なのはわかっているわけで、面白い人だし……美人だし? 魔王なのが怖いけど。

 というか、魔王でさえなければ綺麗なサキュバスの天然お姉さんだからな……良さしかない。


「わたしは~夜~……なんでもないです~」

「そこまで言って止めますかっ?!」

「もうその天然とツッコミが仲良しの証拠よね」

「なんだかんだ兄さまトモリさんにツッコむこと多いですからねっ」

「そ、そう?」


 まあこんな天然キャラだし、ついツッコみたくなって魔王とか忘れてしまうことがあるのは事実か。

 そういう意味で、仲良しではあるか。イチャついてはないが。


「イチャイチャ……とは~違いますが~添い寝は~していま~す~」

「……はい?」

「は?」

「確かにっ」


 俺にトモリさんが添い寝? っていうかアイネはそれを知ってるのか?

 いや、まあ。アイネとはいつも一緒に寝てるからアイネが知ってるのも無理ないかもしれないが、俺は全然知らなかったぞ?


「まあ~ゆっくんに~バレないよう~に~してますから~」

「サラっと心の声に返事しないでくれますか」

「というかそれだとユウキと寝てないのってわたくしだけですの?」

「そこ気にする?」

「しますわ。一応正妻だもの」

「あー、なるほど」


 確かにシュエリアに言われたハーレムの条件に『シュエリアが一番であること』があった気がする。

 そう考えるとまあ、一緒に寝てないのがシュエリアだけってのも変か?


「っていうかちゃっかり添い寝するくらいには好きなのね、トモリも」

「そう~です~ね~。面白い~方ですか~ら~」

「それをトモリさんに言われるとなんか微妙な気持ちになるな」


 どちらかと言えば面白い人なのはトモリさんの方ではないだろうか。

 俺は特に面白みのない分類だと思う。


「あと~精気も~おいしいです~から~」

「勝手に吸うのやめてください……」

「言えばいいんですの?」

「まあ……何も言われないよりは」

「わ、わたしも吸ってみたいですっ」

「それはダメ」

「にゃっ?!」


 いや、アイネに吸われるとかいやらしい意味にしか聞こえないし、っていうかなんかその、やっぱ見た目が子供だから手を出すのは流石にアウトかなぁとか思うわけで。

 もうちょっと大人になったらいいんだろうが……っていうかなるのか? 大人に。もう成長しきってたり……しないよな?


「まあアイネは絵面がアウトになるから駄目よね」

「もうちょっと~大人に~なって~から~ですね~」

「これ以上おっきくなる自信ないです……っ」

「ま、まあ。うーん」


 本人的にはもう成長は見込めてないようであるが、まあそのうち、多分。体系も大人になるだろう。


「そういえば」

「ん?」

「トモリの話で思ったのだけれど」

「なんだ?」

「みんなってなんでユウキのこと好きなのかしら。というか、ハーレムに入った理由は何かしら」

「ふむ」


 なるほど、それは確かに気になる話題ではある。

 俺としてもいきなりハーレムとかいう展開になり、超展開すぎて付いていけなかったのが本心だ。

 シュエリアと話してなぜハーレムになったのかというのはなんとなく掴めたが、未だ他のメンバーの動機などは明らかではない。


「ということで、シオンとアシェも呼びますわね?」

「ん、おう」


 そういう訳で、30分後。


「理由はわからないけど呼び出されたから仕事投げ捨ててきたよー!」

「私も外出許可をもらってきたわ!」

「仕事さぼるなよ……あとアシェは妙なとこだけ真面目だな」


 シュエリアに呼び出されてやってきた義姉さんとアシェにあいさつ代わりの軽いツッコミを入れる。

 にしてもまた理由も言わずに呼んだのかこの阿保エルフは。


「さて、メンツも揃ったし、要件を話しますわね」

「うん? 何かな?」

「どうせ下らないことよ」

「どうしてユウキのハーレムのメンバーになったのか、または好きなところを話しますわ」

「恋バナかな!!」

「えっ……何それ困る!」


 シュエリアの語った要件に義姉さんは嬉しそうに、アシェは嫌そうに答える。


「まあ、困ってもやりますわよ?」

「い、嫌よ!」

「ふうん。まあ、ユウキに一人だけ想いを伝えずに居たら出遅れるけれど、それでもいいなら止めませんわ?」

「うぐっ……相変わらず嫌な言い方するわね」


 そう言ってアシェは帰りそうだった足をソファに向けて歩みだし、そのまま着席した。


「さて、それじゃあまずは……」

「言い出しっぺのシュエちゃんからだね!」

「え」

「ですねっ」

「いい~ですね~」

「まあ妥当よね」

「えっ、え?!」


 ここに来てまさかの集中砲火。

 まさか自分が話すことになると思っていなかったのか、シュエリアは割とマジできょどっている。


「なんでわたくしが?」

「だって言い出したのシュエちゃんだし」

「正妻ですからねっ」

「真打は最初から抜く~派~です~」

「切り札は最初に切るタイプなのよ」


 みんな揃ってシュエリアに話させようとしているが、これは皆聞きたがりなのか、それとも話したくないが故に後回しにしているのか。

 これから俺に対する好意を聞かされ続ける身としてはちょっと気になるところではある。


「ま、まあいいですわ。そうですわね……わたくしがユウキのこと好きなのは……」

「好きなのは?」

「面白いところですわね」

「言うと思いましたっ」

「まあ~シュエリア~さん~ですから~ね~」

「わかりきっててつまらない話だったわね」

「は、はぁ?!」


 シュエリアの分かり切った返答に皆反応が薄い。

 そして当のシュエリアは何かに怒った様子だ。


「つまらないってなんですの!」

「あぁ、そこに怒ったのか」

「だってわたくしがつまらないって言われたのよ?!」

「そこで怒るの多分お前かお笑い芸人くらいじゃないかな」

「ぐぬぬ……妙に悔しいですわ」

「んじゃあ他にないのか?」

「他?……他ねぇ……無いですわね」

「ひでぇ」


 俺、面白いだけで好かれてました。


「あ、まって。そういえば、見た目も好きですわ」

「ん、それは少し意外かも」

「ですねっ」

「エルフで~散々美形を~見てますからね~目が~肥えてる~かと~」

「そ、それはまあ……いいんじゃない? ユウキ確かにカッコいいし」

「え?」


 ここでまさかのシュエリアの援護をするアシェ。


「そうよね、アシェとかユウキの見た目大好きだものね」

「そ、それは、その」


 シュエリアもここぞとばかりに話を自分からアシェへと変えようとしている。

 そしてアシェはテンパっている。さっき嫌がってたしな……照れてるんだといいんだが。純粋に嫌がられていたらちょっと悲しい。


「ユウキってその……私好みの体してるっていうか……ルックスもまあ、悪くないし? うん……す、すっすすすすす……好き…………かも」

「お、おう」


 テンパり、照れながらも好きと言ってくれたアシェにできる限りの返事をする俺。

 流石に俺としては好きという感情がまだない段階なのでこのくらいしか言えなかったが、アシェほどの美少女に好きと言われて嫌な気は全くしない。


 まあ、体が好みって言われるのはすごく恥ずかしいが。


「アーちゃんもそうだけど、シュエちゃんもゆう君の見た目好きなんだね?」

「え、まあ、エルフにはいないタイプだもの。見慣れないイケメン居たら好きにもなりますわ?」

「イケメンかはさておきまあ……いい顔してるんじゃないかしら」

「さておかれちゃったよ」


 どうやらさておかれた俺のルックスはシュエリア的にはイケメン、アシェにはいい顔? に見えているらしい。

 っていうか義姉さん、アシェのことアーちゃんって呼ぶんだな。


「ゆう君は可愛いよね」

「兄さまはカッコいいですよ!」

「ゆっくん~は~美味しいです~」

「待て待て待て」


 いきなり続けざまにルックス褒められてどうしていいのかわからない状態なんですが。

 そこに来て「美味しい」とか言われて更に混乱する。

 一人だけルックスの評価じゃない。流石天然とでもいうべきか。


「どうしたんですの?」

「いや、こう、流石に目の前で褒めちぎられると恥ずかしいというか」

「じゃあ退室してもいいですわよ?」

「ひどっ?!」

「冗談ですわ。いないとつまらないじゃない」

「それもそれで酷い気はするが……」


 俺って面白担当なのか?


「そうそう、あとはシオンも聞きたいですわね?」

「ん? 何が?」

「ユウキのどこが好きなんですの?」

「全部」

「へ?」

「全部だよ?」

「はあ」

「義姉さんこういう人だから」


 義姉さんの「全部」発言に戸惑うシュエリア。

 だがまあ、この人昔からこうだしな。

 俺のこと全肯定で、大好きな人だから……プレッシャーは強いが。

 まあ、悪い気はしないのだ、意外と。


「シオンらしいといえば……らしいですわね。強いて言うなら一番は?」

「お前も大概気にしいだな」

「うーん……優しいところかな?」

「まあ、コイツ誰にでもいい顔しますわよね」

「オイ待てコラ」


 なんでちょっと俺が八方美人みたいな言い方されてんだ。

 いいじゃないか、皆に優しくても。ん? 優しいのか? 俺。


「冗談ですわ。まあ、わたくしみたいなエルフをなんだかんだ居候させてくれたくらいにはいい奴ですわよね」

「う……素直に褒められると鳥肌が」

「よーし、殴りますわ」

「まて! 冗談だから!」


 そう言って制止する俺の腕を掴み、シュエリアは袖をまくった……俺の袖を。


「鳥肌立ってるじゃない!」

「待て! ホント待て! 違うから! これあれだから! 寒いだけだから!」


 いやまあ、シュエリアの褒め言葉に寒気がしたというのも事実だからな。

 寒気、寒いから鳥肌、うん、間違ってない。


「まったく……失礼な奴ですわ」

「う、すまん」

「まあ、いいですわ。そんなことより、あとはアイネとトモリですわ」


 そういってシュエリアはアイネとトモリさんに話を促す。


「私は兄さまの全部が大好きでうよっ」

「噛んでるぞーアイネ」

「わたし~は~美味しさと~優しさ~ですね~」

「また味の話……」


 トモリさんは俺のこと食料として見てないか心配である。


「美味しさ~大事~ですよ~?」

「そうですか?」

「体の~相性~くらい~大事です~」

「サキュバスに言われると説得感が違う発言出たな」


 淫魔であるサキュバスに言われるとなんかすごく大事なことな気がしてきた。


「というか、アイネも全部好きなんですの?」

「あ、はいっ。兄さまは全部カッコいいですっ!」

「お、おう」


 そう言って俺に抱き着くアイネに、なんと言っていい物か……。

 思いのほか皆から高評価の俺だが、自分自身は余りそう思ってないだけになんと返していい物か戸惑うばかりだ。


「兄さまに拾って頂いた日から私は兄さま全肯定ですっ」

「そ、そう。その辺の話は長く?」

「なりますねっ」

「割愛でお願いしますわ」

「うぅっ」


 アイネと俺の出会い……アイネにとっては馴れ初めのようなものか。

 シュエリアに割愛でと言われて若干どころでなく残念そうなアイネを見るに話したい話題だったようだ。今度聞いてあげよう。


「じゃあまあ、ここまで全員のユウキ好きが出そろったところで……」

「うん?」


 この流れだと今日の話はお開きだろうか?

 時間を見るといつもならお喋りが終わるころである。


「ユウキがわたくし達のどこが好きか言ってもらいますわね」

「えっ」


 まさかの展開である。

 いや、ここまでの流れを考えればある意味当然と言えなくもない。

 散々好きなところを言われたのだ、こちらも何かひと言くらいあるべきだろう。

 とはいえ……それは好きなところをあげつらわれるより恥ずかしい。

 正直照れ臭い。


「えってなんですの」

「言わなきゃダメ?」

「駄目ですわね」

「マジか……」

「マジですわ」


 そう言ってシュエリアもまた俺に抱き着き……もとい、拘束してくる。

 先ほど抱き着いてきたアイネも俺の話に興味津々なのか、離してくれる気配はない。


 仕方ないか。


「あー、じゃあまずシュエリアから――」


 この後、俺は彼女たちの好きなところを語ったのだが……。

 正直あんまりうまく話せた自信はない。


 シュエリアは面白く、可愛いところ。

 アイネは可愛くて元気をくれるところ。

 トモリさんは落ち着いた雰囲気を与えてくれるところ。

 義姉さんはいつでも俺を大好きでいてくれるところ。

 アシェは……これはかなり困ったが、とりあえず兎に角可愛いところ、と話した。


 の、だが。


「ユウキ」

「なんでしょうか」

「前から思っていたのだけれど」

「ん?」

「ユウキってシスコンよね?」

「なぜそうなる?!」


 俺の皆の好きなところを聞いたシュエリアの発言がこれだ。


「いえ、正直最初に会った時のこと思い出しても思うのだけれど」

「最初に?」


 確かあの時はゲームを買った帰りで、この阿保エルフに声をかけられて……。


「何かそういう要素あったか?」

「あったでしょう?! え? 忘れてるんですの!?」


 はて、何か……。何か……あっただろうか。


「あんた姉萌えのエロゲ買ってたでしょ!」

「……あぁ、確かに」


 確かに買ったな。姉萌えのエロゲ。

 っていうかそんなことよく覚えてるなぁ。


「ゆう君シスコンだもんねぇ」

「義姉さんに言われると否定したくなるな」

「兄さまシスコンですっ?」

「アイネ大好きだからシスコンでもいいかな」

「お姉ちゃんの扱い酷くない?!」


 俺のいつもの対応に義姉さんが苦情を入れる。

 うーん、まあ確かに姉萌えではあるんだけどなぁ。


「義姉さんはなんか違うんだよなぁ」

「えぇ……そんな『なんか違う』っていう曖昧な理由で姉萌え対象から外れてるの?」

「うん」

「ハッキリ言いますわねぇ」


 なんで義姉さんは違う気がするのかはよくわからんが、なんか違うんだよなぁ。


「まあでも、年上好きっていう意味で言えばシュエリアも年上だし」

「人間年齢で言えば年下みたいなものだけれどね」

「年上として敬った記憶もないしな」

「彼女として敬ってくれていいですわよ?」

「うーん、難しいこというな」

「難しいかしら……」


 敬うって難しくないか? こう、いろんな意味で。

 俺としてはシュエリアとのこの、ゆるい自由な関係が好きなので、敬ってガチガチなのは嫌だなぁと。

 いやまあ、大事にするっていう意味では、大事なんだけどね、シュエリア。

 礼を尽くすのは違うかなぁと。

 そんなことを考えていると、シュエリアが突然大きめな声を出した。


「って、ユウキの話はどうでもいいですわ!」

「オイ待てコラ、話させといてそれはな――」

「どうでもいいから夕食の時間ですわ!」

「おーい」


 俺のツッコミ完全無視。

腹も鳴ってるし、もう既に夕食のことで頭がいっぱいの様子だ。

 はぁ……仕方ないな。


「アシェ。夕飯食ってくか?」

「え? いいの?」

「あぁ、せっかくだしな」

「あ、お姉ちゃん手伝うよ?」

「私も手伝いますっ」


 こうして、シュエリアの夕飯発言によって、お互いの好きなところの話は終わり、俺はちょっと皆の気持ちに関して知れて、ハーレムっていうのも悪くなかったのかもしれないと思うのだった。



ご読了ありがとうございました。

感想、コメント、ブックマーク等頂けますと幸いです。


今後更新頻度の追加をするために次話を鋭意製作中です。

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