やりすぎ注意、ですわ
「暇ですわ」
「いや、ゲームやってるじゃん」
いつも通りの休日、シュエリアと某ゲームのDLCを楽しんで……いたと思ったのだが、どうやら暇になったらしい。
「もうクリアしましたわ」
「はや」
どうやら本当にクリアしてしまったようだ。マジか。
「やり残しとかは」
「装備集めくらいですわね」
「じゃあそれやろう」
やり込みというのは結構馬鹿にならない。主に時間消費が。
「装備コンプですの？」
「そうそう」
時間消費が凄いやり込み要素も、俺らのような不死者にはただの暇つぶしだ。
「いいけど、何を集めようかしら？」
「そうだなあ」
とりあえず……敵の持ってる武器で欲しいモノ……を狙う？
「敵の装備で欲しいのとかなかったのか？」
「ん－、チャクラムみたいなのは、ちょっと欲しいですわね？」
「ほうほう」
あの序盤に出てきていきなり強いアイツの武器か……なるほどなあ。
「そしたらそれ狙おう」
「わかりましたわ」
ということで手分けして戦い、ドロップを狙うこと一時間。
「で、でねぇですわ」
「これドロップすんのかね……」
たまにドロップしない武器とかもあるしなぁ……どうなのかな。
「こんな時は攻略情報を……」
「まてまて」
そんなことしたら暇つぶしできる時間が短くなる。それはよくない。
「暇つぶししてるんだから、時間短縮しちゃダメだろ」
「……それもそうですわね」
まあ、あまりに出ないと攻略とか情報欲しくなる気持ちもわからないではないんだが。
「とりあえずもう少し粘ろうか」
「そーですわね。何せ時間はいくらでもありますわ」
「だな」
そんなわけでさらに粘る、粘ること二時間。
「で、出ましたわ！！」
「おぉ！！」
流石にこんだけやって出ないと、もうドロップしないんじゃないかと思っていたが。
だが、なんとか出てくれた。よかった。
「こういうのはたまらないですわね」
「そうだな、やり込みのだいご味かな」
楽しいかと聞かれると微妙だが、達成感はある。
「この調子で他の武器も集めますわよ」
「おう」
そんなわけで、他にも気になる敵と戦っては武器を集める。
……そして。
「ユウキ、あんた飯の準備した？」
「……あ」
昼からずっとゲームしていた俺たちは、夕方、アシェの一言で現実に引き戻される。
「今から出前取るわ……」
「あんたも大概ゲーマーよねぇ」
ここで自分で用意しないのは面倒とか、時間かかるからとかではない。
すんません、ゲームやる時間欲しいからです。
「ユウキ、こっちでましたわよ」
「お、マジか」
「はぁ」
俺がシュエリアの言葉に反応すると、ため息を吐くアシェ。
「す、すまん」
「ま、いいけどね」
こうして……我が家の食卓には出前料理が並び。
あとで他のメンバーからもゲームのやりすぎは注意されるのであった。
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次回更新は次回日曜日の21：00までを予定しております。
