それは勘違い、ですわ
「で、大きくて入らなかったのよ」
「何の話してるんだ」
俺がいつも通りシュエリアの部屋を訪れると、先に来ていたアシェがシュエリアに何か意味深な発言をしていた。
「何って?」
「いや、大きくて入らないとか」
「あぁ」
そう呟くと、アシェはいたずらっ子のように笑った。
「一応聞くけど、何だと思ったの?」
「何って……まあ、お前だし、アレだろ」
「あれって?」
「お前な……どうしても言わせたいって顔やめろ」
全く、この阿保の反応を見るに、どうやら俺の想像とは違っていたようだ。
「ふふっ、ま、いいわ。それで何の話か、だけど」
「あぁ」
どうやら言わせるのは諦めてくれたようだ。うん、よかった。
「ちょっとね、薬の材料に木の根を取ってこようと思ったんだけど、デカくて入らなかったのよ」
「なるほど」
薬の材料か……なるほどな。
「だからあれよ、ユウキのそれは勘違いね」
「うっ……わかったよ」
ついアシェだからと下ネタだと思ってしまった。よくないな。
「でもそういう勘違いって他にもありそうですわよね」
「そうね? あるかもね」
勘違いか……まあ、考えて出てくるような物でもないが、かといってなくは無いだろう。
「例えば、日傘ってエロいわよね」
「うん、なんの勘違いをしたらそうなる」
「まあ、待ちなさい。聞いたらわかるわ」
そういってアシェは嬉しそうにする。あぁ。下ネタ言うときのコイツの顔、可愛いけどウザいな。
「熱いから挿したのよ」
「なんか違う気がする」
「そお?」
でもまあ、そこだけ聞いたら。アシェに言われたら勘違いしそうではある。
少なくとも日傘のことだとは思わない。
「いいと思ったんだけど」
「そうですわねぇ」
この阿保エルフ二人は波長が合うので、いい発想だと思ったようだ。
まあ、こんな発想できるのは、素直にすごいとは思うのだが。
「でも他が思い浮かばないわね?」
「さよで」
「さようよ」
まあいくらアシェでも本当に無限に下ネタが出てくるわけではないようだ。
「さて、どうしようかしら」
「暇ですわねぇ」
「ふむ」
暇になってしまったか。ホントにつくづく常に何かしてないと暇な生き物だな。
「そういえば」
「ん? 何よ」
「さっき言ってた薬って、どんな薬なんだ?」
「あぁ、興味あるのね」
そういってアシェは近くにあったカバンをごそごそする。
持ってるのか?
「これよ」
「これよと言われても」
取り出したるは綺麗な装飾のされた小瓶。
何かなんてこれだけではわからない。
「んまあ、簡単に言えば媚薬ね。しかも本当に効く奴」
「おい」
結局そういう怪しい下ネタみたいなアイテムに繋がってるじゃねぇか。
大きくて入らないは勘違いだったが、結局その先は下ネタだった。
「何よ、いいでしょ、ちょっとユウキに盛るだけよ」
「俺に使うのかよ!」
なんで俺に。
「だってシュエリアとシオンは子供いるけど、私とトモリ、アイネは居ないでしょ」
「まあ、なあ」
それは媚薬関係なくね。と思うのだが。
「だからもっとやりまくって、作るしかないなと思って」
「言い方よ」
なんつう下品な言い分だろうか。まったく。
「まあ、いいけどさ」
「いいんですのねえ」
「ユウキのそういう許容範囲がばがばなところ好きよ」
と言われても、うれしくはない。
「さよで」
「さようよ」
「ですわ」
どうやらシュエリアも、そういうところを好ましく思っているようだ。
「さて、それじゃあ、暇だしゲームでもするか」
「おっきくて入らないゲーム?」
「テトリスな」
「やっぱりデカいと入らないゲームじゃない」
「……」
うん、もういいけどさ。
こうして、俺とシュエリア、アシェで過ごす時間は、無駄に過ぎていくのであった。
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