それをなんと表現するか。ですわ
「これなーんだ」
「は?」
いつも通りの休日。いつも通りシュエリアと遊んでいると、唐突に義姉さんがクイズを出してきた。
「葉っぱ?」
「いや、その『は?』ではない。そうだな、手に持ったその液体が何かって話だよな」
「そだよ」
「うーん」
見てみると、半透明な黄色い液体が入ったグラスを持っている。
この液体は……。
「緑茶?」
「違うよー」
「そうか」
まあ、違くともいいんだが、違ったか。
「シュエちゃんはなんだと思う?」
「わたくし? そうですわね……染色した水?」
「違うよー」
「そう」
シュエリアもまた、参加するも興味はないといった感じだ。
暇だから一応答えとくか、みたいな、そんな印象を受けた。
「じゃあアーちゃんは?」
「ん? そんなの小便に決まってるじゃない」
「決まってないよー」
そりゃそうだ。てかホントコイツ頭の中どうなってんだろう。
「参考までに誰の小便か聞いてもいいかな?」
「誰の? そうね、シオンの」
「違うよー」
「そう、やりそうなのに」
まあ、やりそうな部分はあるけど、でも違うだろう。
「じゃあアイちゃんは?」
「緑茶ですっ!」
「うん、違うよ?」
「完全に合わせに行きましたわね」
「あざといわねぇ」
「可愛いからいいんだよ」
アイネの回答にみな思うところはあるようで、様々なコメントが飛び交う。
「で、トモちゃんは?」
「ビールー?」
「正解!」
「え」
でもビールって、酒の匂いなんてしないし、泡立ってないし。
「これは炭酸の抜けた、全く美味しくない異世界のビールでした!」
「えぇ……」
そんなんわかるかよ……いや、まあわかりたくもないんだけど。
「それで、なんでそんなクイズを?」
「いやあ、みんな暇かなあと思って」
「まあ、暇ですわね?」
まあ事実、こんな話に乗ってるくらいには、暇だった。
「次の問題もあるんだけど」
「いいですわよ」
「よしきた」
というわけで、次の問題は……なんだあれ。
「これなーんだ」
「瓶に入った……なんですの」
今度も透明な、今度はなぜか瓶だが、白い何かだった。
液体、あるいはそれに近い何かのようだが……。
「わかったわ」
「アシェ、違うと思うぞ」
「精液よ」
「違うよ?」
「ほら言わんこっちゃない」
絶対白い何かの段階で言うとは思った。
なんでコイツは全部下に受け取るかな。
「大体誰のだと思ったの?」
「ユウキの」
「どうやって集めるの……」
「夜な夜なやってそうだなぁと」
「まあ、やってそうではあるが」
「お姉ちゃん信用無いね?」
まあそれは、日ごろの行いというものだろう。
「まあ、いいけど、それで? 次はシュエちゃんにでも聞こうかな?」
「そうですわね、腐った牛乳?」
「なんで腐った限定なのかな……まあどっちにしても違うけど」
「そう」
今度もまた不正解なシュエリア。うーん。
「次は……アイちゃん」
「えっ、まだ兄さまが答えてないのでっ」
「……うん、だとしても答えられるよね?」
「無理ですがっ」
「無理なんだ……」
流石アイネ、あざといに全力をかけてるな。
「じゃあいいや、ゆう君は?」
「俺か……白い絵の具?」
「残念、不正解―」
「では白い絵の具でっ!」
「アイちゃん、ちょっと待とうか」
俺の回答が出るや否や合わせてくるアイネ、可愛いなあ。
「後は……トモちゃんはどう思う?」
「カルピスーソーダー」
「正解!」
「え」
いやでも、ソーダって、全然しゅわしゅわしてな……あ。
「またか」
「そう! 正解は炭酸が抜けたカルピスソーダでした!」
「炭酸抜けるの好きだなぁ」
それもうカルピスじゃん。
「というわけで、今回は一見してわからないもの、人によってそれをどう見るかというクイズでした!」
「さよで」
とりあえず、今回のクイズ? は二問で終了のようだ。
なにせまとめに掛かってる。
「参加者の感想聞きたいなぁ」
「え、どうでもいい」
「ですわね」
「そうね」
「ですっ」
「楽~しかったで~すよ~?」
「トモちゃん以外味方いないね?」
というわけで、義姉さんの出してきたくだらないクイズは終わり。
俺たちはいつも通りそのあともダラダラと過ごしたのであった。
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