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娯楽の国とエルフの暇  作者: ヒロミネ
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かんたんな遊び、ですわ

「しりとり」

「は?」


 いつも通りの休日、これまたいつも通りシュエリアの部屋でダラダラしていると、さらにいつも通りに急に何かを言い出すシュエリア。

 しりとり、なあ。


「ユウキ『は』じゃなくて『り』ですわ」

「そういう『は』じゃねえよ」

「じゃあどういう『は』ですの」

「なんでしりとり? という『は』だ」


 なんだってしりとりなんだ。


「暇だからですわ」

「極端に暇なんだな」


 それでしりとりか。とりあえず暇だからやっておくくらいのイメージだろうか。


「……まあ、いいか」

「ユウキも大概暇ですわよねえ」


 まあ、言われてることも間違ってない。

 俺も暇だ。



「それで『り』か……りんご」

「ふつうですわねぇ」

「いいだろ別に」


 しりとりで面白い繋ぎを期待されても困る。

 そんなん思いつかん。


「次は『ご』ですわね」

「そうね極太」

「さらっと入ってきますわね」


 サラッとしれっとしりとりに交じってきたアシェ。しかも極太。何がだ。


「ほら、次『と』よ」

「そ~ですね~トム・コリン『ズ』~?」

「ずっと『も』ですっ!」

「二人して入ってきた上に繋ぎ方に違和感が」


 トモリさんは……人名っぽいけど、酒だろうなどうせ。

 アイネは……可愛いなあ。


「も、もかぁ。あ、モ『カ』で」

「結局全員参加かよ」


 しかもなんかダジャレみたいな繋ぎしてるし。なんかみんな特色出してきてて謎だ。


「ユウキだけですわね、普通に返してきたの」

「普通でいいだろ」

「面白い方がいいですわよ?」

「さよで」

「さよですわ」


 と言われても、そうそう面白い返しなんて出てこないわけで。


「で。シュエリアの番だよな? 面白い返しは?」

「ハードル上げてきますわね『カ』でしょう。か、カ、そうですわね。カイピリッシ『マ』」

「トモリさんのパクリじゃねぇか」

「失礼ですわね。同じ言葉じゃないからセーフですわ」

「それしりとりのルールな?」


 ギャグとしてはダメだろう。着想を得たというと聞こえはいいかもしれないが。この場合は発想をパクっただけだ。


「いいから『マ』ですわ」

「まあいいけどな……マ――」

「ンコ」

「おいアシェ、お前何言ってんだ」

「……え? 何も言ってないわよ?」

「何すっとぼけてんだお前」

「私の声でもしたの? 字面でしょう?」

「妙にメタい言い訳かますな。ここでそういうこというのはお前だけなんだよ」

「アイネだっていうと思うわよ」

「アイネならもうちょっと丁寧に言うと思う」

「おをつけますがっ」

「ほら」

「そういう問題なの……?」


 俺とアイネの言葉に、困惑するアシェ。

 というか本当に、こういうあほなこと言うのはエロフの二人くらいだ。


「はあ。まあいいわ。わかったわよ、どうせ私がマ〇コって言ったわよ」

「認めたか」

「で? コの次よ?」

「なんでサラッと続けようとしてんだよ」


 順番飛ばししといて、なんでコイツしれっと続けようとしてんの。


「はあ、わかったわよ。せっかくユウキのつまらない回答の代わりにネタ突っ込んであげたのに」

「そりゃ悪かったな。で『マ』な。マリ『オ』」

「お酒~」

「け、け……ケットシーっ!」

「し? しかあ。あ。鹿」

「またこういう」


 またしてもキャラ特徴? を出してくる面々。さらっとアシェの番は抜かされてるけど、あいつは下ネタばっかり言うからいい。


「これ、尺内に終わらないですわね?」

「そうだな」


 まあ、しりとりだし、文章めっちゃ小刻みに改行入るし。

 そういう意味ではページ数は稼げてしまう。


「というわけで、本日の落ち」

「お?」


 なんだろう、どうオチをつけるのか。


「……完」

「まさかの」


 『か』からつないで、完結の完と『ん』で終わるのを掛けたようだ。


「最後に上手いこと言えたな?」

「そうでしょう」


 というわけで、俺たちの無駄な時間。

 しりとりは、終わった。


ご読了ありがとうございました!

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次回更新は次回日曜日の21:00までを予定しております。

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