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娯楽の国とエルフの暇  作者: ヒロミネ
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参加しますわ

「さあ、待望の冬コミですわ!」

「元気だな」


年始早々騒がしいうちの嫁をみて、はしゃいでる姿も可愛いなと思てしまった。


「で、何するんだ?」

「何とは、なんですの」


 俺の問いにシュエリアは聞き返してくる。


「いや、コミ来たんだから、見たいサークルとか、企業とかないのかなと」

「無いですわね」

「無いのかよ」


 じゃあなんで来たんだよ……。


「でもそうですわね、コスプレは見たいですわ」

「ふむ」


 なるほど、コスプレか。


「というわけでユウキ」

「ん?」

「エロい格好のお姉さんを探しますわよ!」

「それを叫んじゃう辺りがなあ」


 うちの嫁は阿保だなあと思う。可愛いけど。


「さあ行きますわよ!」

「はいはい」


 というわけで、コスプレしたお姉さんを探すことにしたのだが……。


「いやあ、見渡す限りレイヤーばかりですわね」

「そうだな」


 よく考えればここはコミだ。探さなくてもレイヤー自体は割といる。


「この中から、探すわけですわね」

「まあそうだけど、探してどうすんの」

「ふむ、いい質問ですわ」


 シュエリアはそういうと、コートのポケットを探り始めた。


「これですわ」

「なんだそれは」


 言いながら取り出したのはモノクルだった。


「モノクルですわ」

「いや、まあそれはわかる」

「でもただのモノクルではないですわ」

「ほう」

「これをつけると、異世界人かどうかわかるモノクルですわ」

「へぇ……ん?」


 用途はわかったが、なぜそれをここで?


「それをここで使ってどうするんだ?」

「異世界人を探して勧誘、もとい保護しますわ」

「というと」

「喫茶の方にバイトとして勧誘するついでに、日本で生きていくうえで保護が必要そうなら、保護しますわ」

「遊びに来たんじゃなかったのか」

「誰もそんなこと言ってねぇですわ」

「確かに」


 でもそうか、意外とまじめな理由で来たんだな。


「で、なんでそれが二つあるんだ」

「ユウキも手伝うからですわ」

「マジか」


 俺もやるのか……。


「でも異世界人見つけてもどうすればいいんだ」

「ユウキだと説明が面倒だから、わたくしに報告してくれれば、こっちで対応しますわ」

「おぉ、結構やる気じゃん」


  でもそれなら、ちゃんと過去に行かずにリアルタイムでやれよと思ってしまうのは俺だけだろうか。


「じゃあ、探しますわよ」

「おう」


 ということで、探し始めること1時間。


「なあシュエリア」

「……なんですの」


 俺がつかれた様子でシュエリアに話しかけると、シュエリアもまた疲れたように返事をする。


「異世界人、多すぎじゃね」

「ですわね」


 モノクルで探した結果、コスプレしたお姉さんの6、7割くらいは異世界人だった。


「むしろ日本人の方が少ないですわね」

「そうな」


 さて、これを一人一人声かけるのは至難の業だぞ?


「どうするよ」

「そうですわね……とりあえず、休憩に入るレイヤーさんに片っ端から声を掛けられるよう、現在位置はマーカーしてありますわ」

「犯罪スレスレだなぁ」


 勝手に相手の位置マーカーするとか、ストーカーかな。


「話しかけるのはこっちでやるから、ユウキは自由にしてていいですわよ?」

「いや、俺も付き合うよ」


 ここで別行動しても、俺も俺でやることない。


「そう? じゃ、行きますわよ」

「おう」


 そういって歩き出すシュエリアについて、俺もまた異世界人保護に向けて歩き出すのであった。


ご読了ありがとうございました!

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次回更新は次回日曜日の21:00までを予定しております。

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