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娯楽の国とエルフの暇  作者: ヒロミネ
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もう年末ですわ

「もう年末ですわ!」

「黙れ、寝ろ」


 12月31日。深夜。うちの嫁が叫びだした。


「いやユウキ、寝てる場合じゃないですわ!」

「煩い」


 俺はキャンキャン煩いシュエリアを注意しつつ、スマホで時間を確認する。


「深夜3時……」

「っていうかもう年明けてますわね!」

「煩いっての」


 まったく、うちの嫁は本当に頭が沸いてる。こんな夜中に叫びながら起きる奴があるか。


「っていうか、俺以外が起きる前に静かにしろ」

「なんか夜中に叫ぶの背徳感あって楽しいですわよ?」

「お前本当に阿保だな」


 この阿保どうにかしないとダメなんじゃないかな。楽しいかどうかで夜中に叫ばれたらたまったもんじゃない。


「で、年末年始だから、なんだよ」

「初詣は正直もうどうでもいいのだけれど」

「どうでもいいんだ」


 じゃあなんだってんだろう。他にイベントなんてないはずだ。


「今年の冬コミが終わってますわ!」

「だから叫ぶな」


 でもそうか、年末といえば、そんなイベントもあったな。


「で?」

「今から行きますわよ!」

「お前馬鹿だな」


 コイツ阿保っていうか、馬鹿っていうか。なんだろう。


「どこら辺が馬鹿なんですの」

「今お前が冬コミ終わったって言ったばっかりだろ」

「なんだ、そんなことですの」

「なんだってなんだ」


 俺の言葉にシュエリアは首を振って答える。


「まったく、ユウキは間抜けですわねぇ。わたくしを誰だと思ってんですの?」

「阿保エルフ」

「あとで蹴り飛ばしますわ……わたくしは天才エルフですわ」

「というと」

「過去に行ってコミ堪能するくらい余裕ですわ?」

「お前本当に何でもありなんだな」


 もう今更驚きはしないんだけど。相変わらずズルイなぁとは思う。


「ってわけで、行きますわよ」

「……はあ、行くか」


 なんでこんな夜中に叩き起こされて冬コミにタイムスリップしなきゃならんのだ。

 とはいえ、付いて行かないとギャーギャー煩いだろうし、はあ。


「で、二人で行くのか」

「ほかの連中起こしたいんですの?」

「んや、聞いただけだ」


 っていうかさ、タイムスリップできるんならさ、後でもよくね?

 とはいえ、シュエリアの目は「今行きたい。すぐ行きたい」と訴えている。

 ……今一瞬かわいいなとか思ってしまったあたり、なんか負けた気がする。


「さて、行くか」

「んじゃ、わたくしの部屋で魔法使いますわ」

「なんでお前の部屋」

「着替えるからですわね?」

「あ、はい」


 そういや今、家着だった。着替えねぇと。


「じゃあ、着替えるだけだから15分後に行くわ」

「了解ですわ」


 ということで、着替えて軽く準備すること10分。

 俺はシュエリアの部屋に向かった。


「5分前……よし。シュエリア、入っていいか」

「いいですわよ」


 一応5分前ギリギリまで着替えてたら悪いので、声をかけてから入る。


「で、お前はいつもの痛Tなんだな」

「大丈夫ですわ。防寒対策もしておきますわ」


 そういってシュエリアはコートを着る。うん、なんでTシャツ姿で待ってた。


「さて、行くか」

「ですわね」


 というわけで、俺たちは過去に戻り、冬コミに参加することになった。

ご読了ありがとうございました!

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次回更新は次回日曜日の21:00までを予定しております。

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