楽しい木造建築パート2 ですわ!
「さて、それじゃあ楽しい木造建築始めますわよ」
「おう」
シュエリアは木材の山を前に、建築作業の開始を宣言した。
そして皆それに反応を示す。
「まずは何からしましょうっ」
「そうですわね、アイネは木材を切り出す作業かしら」
「まさかの力仕事」
あの小さいアイネに力仕事とか……向いてるだろうけど、容赦ねぇな。
「わた~し~は~?」
「トモリは角材を運ぶ仕事がありますわ」
「うん、適任」
まあぶっちゃけトモリさんは斬る方が向いていそうだが。
天然故に何するかわからんし、このあたりがちょうどいいだろう。
「で、私は?」
「アシェは……応援?」
「雑!」
まあスキルなしのアシェにできることなんてほとんどない。仕方ないだろう。
「で、お姉ちゃんは?」
「シオンは……現場監督?」
「オッケー任せて!」
姉さんが現場監督か。適任だなあ。
「シュエリアの采配が思ったよりまっとうで安心したよ」
「で、組み立てがわたくしとユウキですわ」
「おいまて」
俺とシュエリアで組み立て?
いや、力仕事云々以前に、え、なんで俺。
「さすがに組み立てなんてできんぞ。力が足りん」
「ユウキはわたくしのアシストだから、そこまで力いらないですわ」
「そうなのか……?」
まあ、そういうことなら、いいか?
「なんだかんだ一般人の俺にはできることほとんどない気がする」
「まあ、普通に考えたらそうですわね」
「普通に考えたら? じゃあ普通じゃなかったら、どうなんだ」
「そりゃあまあ……さて、ユウキ。お手伝いの時間ですわよ」
「ん、おう」
質問には答えてほしかったが……さて、俺の手伝いとはいったい?
「わたくしの頭に手を置いて?」
「うん? おう」
なんだ、何を手伝わされてるんだ、俺。
「で、そのまま左右に動かして」
「ほう」
言われた通りにすると、うん、頭撫でてる感じだな?
「ふう、よし、仕事しますわ」
「おいまて」
俺今頭撫でただけじゃん。
「なんですの?」
「俺の仕事は?」
「終わりましたわよ」
「頭撫でただけだよねぇ?!」
「ですわねえ」
えぇ……これで終わりて。
「アシェと大して変わらないじゃないか」
「わたくしの応援できるのなんてユウキくらいですわよ?」
「いや、アシェでもできるだろ」
頭撫でるくらいできるはずだ。
「いやいや、ユウキ以外に頭に触れられるとか不愉快ですわ」
「そういう?」
それはまあなんとおいうか……うん、なんか妙に嬉しい気もするが。
「しかし俺のやることこんなんでいいのか」
「いいんですわ。あとは見てれば」
「ふむ」
ということで、俺はシュエリアの仕事を見ていることにする。
「ほいほいほいっと」
「おい待て待て」
「?」
俺の制止にシュエリアが首をかしげる。
「お前、今なにした」
「え、組み立て始めてますわ」
「どうやって」
「……不思議な力で」
「魔法だろ」
こいつ、ついに魔法使っちゃったよ。
「だってゲームなら魔法のように家が建つところですわ」
「いやそうだけども」
とはいえこれは……ありなのか?
「それにユウキこれには訳がありますわ」
「言ってみ?」
「飽きてきましたわ」
「お前なあ……」
真顔で訳があるというから聞いてみたらこれである。
この阿保エルフほんとにダメだな。
「まあでも、言い出すころかなとは思った」
「正直このネタであと何話引っ張るんだって話ですわよ」
「ま、まあな」
確かに、そうなんだけどさ。
「中途半端はよくないと思うぞ?」
「じゃあ最後に核落としてスコビクイーン倒しますわ」
「いやいやいや」
流石にそこまですることもないだろう。
「じゃあ木造建築して終わりですわ」
「……はあ」
まあ、こいつが飽きちゃったんじゃ仕方ないか。
「せめていい家を作れよ」
「豆腐ハウス?」
「やめい」
それはいい家とは言わないと思う。
「仕方ないですわねえ」
「頼むぞホントに」
そんなこんなで、なんとびっくり、3時間で家はできた。
「って豆腐ハウスかよ!!」
「素人の限界ですわねえ」
「嘘つけ! 手抜いただろ」
「ッチ」
「感じわるっ」
まあ何となく想像できたけどさ!
「さ、これにて76体験版は終わりですわ」
「本編そのうちあるんですかね」
「無いですわね」
「はあ」
と、まあ、こんな感じで。
俺たちの76、楽しい木造建築は幕を閉じたのであった。
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次回更新は次回日曜日の21:00までを予定しております。




