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娯楽の国とエルフの暇  作者: ヒロミネ
221/266

イラストですわ

「ふんふふんふんふっふふ~ん」

「なんだ、やけに機嫌いいな」


 休日、いつも通りシュエリアと過ごそうと部屋に訪れると、やけに機嫌の良さそうなシュエリアがいた。


「あら、そう見えるんですの?」

「そうとしか見えん」


 鼻歌歌ってニコニコしてれば、そりゃあ機嫌がいいのだろうと思うだろう。


「わたくし今、イラストを描いてますの」

「ほほう」


 絵を描いてるのか。なるほどなあ。


「それでなんで上機嫌に?」

「楽しくてつい、ですわ」

「そうか」


 まあ、楽しいのは良い事だ。うん。


「で、どんなイラストを描いてるんだ?」

「ん? これですわ」

「どれどれ……」


 シュエリアが描くのに使っていた紙を覗く。


「おいシュエリア、これは」

「なんですの?」

「画風がすごく、アレなんだが」

「アレとは?」

「いや……」


 本人無意識なのか、それともツッコミ待ちなのか……。

 いや、どっちにしても言うべきだろう。


「これ、いらすとやじゃね?」

「あら」


 シュエリアは俺の言葉に反応こそしたが、この反応からはどちらなのかまでは区別がつかなかった。


「真似して描いたのか?」

「よくわかりましたわね」

「まあ、有名なフリー素材だし」


 というか凄いな、これだけ画風を似せて、描けるなんて。


「で、これはアイネで、こっちはトモリさんだよな」

「そうですわね」

「で、これは? 義姉さんか。で俺で、シュエリアで……うん?」


 なんか一つだけ、最後に変なのがあった。


「この紅い、変なものはなんだ」

「うん?」


 紅い、どろっとしたスライムみたいな何かが描かれていた。

 なんだろう、わかる気がするけど、分かりたくない気もする。


「あぁ、これ? アシェですわ」

「お前アシェを何だと思ってんだ」

「クソ雑魚スライム?」

「ひでぇ認識だな」


 アシェに対する認識が酷過ぎる。可哀そうに。


「まあ、冗談はさておきそれはスライムですわ。こっちがアシェですわ」

「なんだ、こんな冗談言う為にわざわざ描いたのか……」


 そう言いつつ、アシェの絵も見せてもらう。うん、上手い。


「他にも描く予定は?」

「六々とか、仕事先の子も描いてみようと思ってましたわ」

「ほうほう」


 なるほどなあ。うーん。


「それだと俺が一緒だと描きにくいか?」

「そんなことないですわよ」

「そっか」


 じゃあお言葉に甘えて俺はシュエリアの部屋でゲームでもやらせてもらおう。


「あら、スマホゲームですのね」

「あぁ、最近またシャドバやり始めてな」

「ああ……なるほどですわ」

「絵柄がキレイなのが良いんだよなあ」

「ゲームシステムには追及しないんですの」

「しない」


 特に文句はない。なんかアレだけど、ない。


「シュエリアはこういう絵柄も真似して描けるのか?」

「できますわよ」

「すげぇな」


 何が凄いって、言い切れるところが凄い。


「じゃあちょっと書いてみてくれよ、六々をシャドバ風に」

「いいですわよ」


 そして待つこと一時間。


「出来ましたわ」

「はやっ」


 見てみると、確かにシャドバ風の六々が居た。

 すげぇキラキラしてる。


「ビショップのカードかニュートラルに出てきそうだ」

「ですわねぇ」


 うん、シュエリアやっぱり手先器用で絵が上手いな。


「さて、それじゃ俺はゲームするから」

「わかりましたわ。私は絵の続きを楽しみますわ」


 という訳で。

 こうして俺達は一緒の空間に居ながらも、別々の事をして、それでも楽しくお互いに時間を有意義に使うのであった。



ご読了ありがとうございました!

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次回更新は次回日曜日の21:00までを予定しております。

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