飲んで騒ぎたいですわ
「次はシュキとかどうですの」
「わかった、私が歌う」
皆でカラオケで騒ぎたいということで来たカラオケ。
シュエリアの超上手い歌とアシェの最低な下ネタ曲も終わり、次はシュキの番というわけだ。
「選曲は?」
「アンパ〇マンで」
「親に似ましたわね」
「父として誇らしくもある」
というのは冗談だが、シュキがアンパ〇マンかあ。
「ふんふんふんふん、ふふんふ~ん」
「そしてまさかの下手うまですわね」
「だなあ」
ここも母には似なかったようだ。音がちょこちょこ外れている。
「でもまあ楽しく歌えてるから問題ないだろ」
「ですわね?」
問題は上手いかどうかだけではない。楽しく歌えているかどうかだ。
「――ふう、楽しかった」
「そりゃよかった」
「ですわですわ」
そしてシュキは自分の番が終わると注文済の酒を飲む。
シュキはお酒弱いからアルコール度数の低いお酒を飲ませている。
「次はシキ、いっちゃうといいですわ」
「いいねーお姉ちゃんも娘の歌聞きたいなー」
「ん、頑張る」
そしてシキは歌う、キレキレのロックを。
「上手いな」
「上手いけど、感情乗ってないですわね」
「ま、まあいいんじゃないか」
シキの歌はかなり上手い。ただ、感情はほぼなく、音程を取ってそのまま歌っている感じだ。だが別にそれは悪い事では無い。
「どうだ、楽しかったか?」
「うん、最高」
「それは良かったー次はお姉ちゃん歌おっかなー」
そう言って義姉さんも曲を選び始める。
「なあシュエリア」
「なんですの?」
「皆で歌って、ノリのいい曲に乗って、騒いで、楽しめてるか?」
「え、楽しいですわよ?」
「そか、ならよかった」
そんな話をしている間にも、義姉さんは曲を入れていた。
入れた曲は……とっとこハ〇太郎だ!
昨今コロナで開かれなかった肉フェスでおなじみの、ハム〇郎だ。
「だ~い好きなのは~はいせーの!」
「ひーまわりのたねー」
「俺も!!」
義姉さんがまさかここまでノリがいい曲をネタとして選んでくるとは思わなかった。
「ちなみにこのノリを知らないのは」
「ユウキとシオン以外ご存じないですわ」
「マジかあ」
俺と義姉さんのやり取りに知らないメンツがポカーンとしている。
「肉フェスでこういうノリがあるんだよ」
「肉フェスでなんでハム〇郎……あ、ハムですの?」
「そうそう」
いやあ。義姉さんも面白いことするなあ。
「ふー。次は誰歌う?」
「私が行きますっ」
「お、アイネか」
アイネはもう選曲済みだったようで、早速マイクを持って立ち上がる。
そして……。
「またヘヴィメタなのか」
「アイネって趣味よくわかりませんわよね」
いつもはいかにも可愛い系なのだが、なぜか音楽の趣味だけ可愛くはない。
「ただシキが超ノリノリなのが気になりますわね」
「シキはヘヴィメタも好きなんだな」
ロックとメタル、どっちも好きなようだ。
「なんていうか、たまにはこうして皆で声出して発散するのもいいもんだな」
「あら、もう尺ですの?」
そう、前話から続いてこの話、もう尺なのである。
「作者が一週間に何ページって決めて掛ける様に訓練してるからな」
「まあ長けりゃいいってもんでもないですわよね」
というより、実際書く時にページ数等も気にして欠ける様になりたいという謎の思考から来る物だが。
「というわけで今回のオチ」
「なんですの?」
俺が今回のオチを付けようとするとシュエリアが乗って来る。
「酒はほどほどにしよう」
「え?」
そう言って俺がトモリさんの方を見ると、あの人既に日本酒の瓶を片手に歌い始めていた。
「あー」
「ほどほどにな?」
「ですわね」
こうして俺達の宴はこの後もしばらく続き。
最終的に酔い潰れた阿保共を俺とシキ、アイネで介抱するのであった。
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