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娯楽の国とエルフの暇  作者: ヒロミネ
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自己紹介をしますわ!

もうこの作品も3年になります。

長いような短い様な……ここまで読んでくださっている皆さま、ありがとうございます!

これからもよろしくお願いいたします。

「こうして過ごして、何だかんだと三周年ですわね?」

「何の話か」


 いつも通りシュエリアの部屋で一緒にだらだらしていると、シュエリアが唐突に告げた言葉に俺は何かと思った。

 三周年?


「この作品、もう三年になるのに鳴かず飛ばずですわ」

「止めろ悲しくなる」


 それにちゃんと読んでくれている人達が居る。その人たちにも失礼である。


「そんなわけでわたくし達、一回初心に帰るというのが良いと思うのですわ」

「ほう」


 その心意気はいいものなのか、はたまた悪い物なのか。

 そもそも初心に帰るべきは作者であり俺らではない気がする。


「ということで、今日は改めて自己紹介をする時間を設けたいと思いますわ」

「それちゃんとオチ着くんだろうな」


 非常に不安である。オチも無ければ山も無さそうだ。


「という事で全員で自己紹介ですわ」

「はいはい」


 まあ言い出したら聞かない嫁である。ここは従っておこうじゃないか。

 という訳で、いつものメンバー全員に召集を掛けて30分、皆が集まった。


「今回は自己紹介を面白おかしくしますわ」

「自己紹介に面白おかしいとかあるの?」

「ありますわ!」

「ねぇだろ」


 アシェと俺からの否定的な意見にも耳を貸さず、シュエリアはそれでも続ける。


「というわけで、自己紹介を始めますわ」

「はいよ。で、誰からだ?」

「一番無難なユウキから行きますわ」

「この場合誉め言葉と受け取っておくよ」


 コイツ等に比べたら俺もキャラは薄いからな。いたって普通だ。うん。


「えーっと、俺は結城遊生、好きなものはアニメ漫画ゲーム。大切な物は嫁達。以上」

「はっ、つまんねぇですわね」

「お前転がすぞ」


 やれって言われたからやったのにつまらないの一言で一蹴される気持ちよ。


「転がせるもんならやってみろですわ」

「ベッドの上でなら余裕だけどな」

「そういう下ネタ、自己紹介に盛り込んだら面白いかも知れないですわよ?」

「どう盛り込むんだよ……」


 まさか「特技はベッドの上で女性を好きにすることです」とでも言えばいいのか。最低だろ。

 自己紹介っていうのは自身を相手に印象付ける為に重要なものだ。

 そこで引かれるような事を言うのはどうかとおもう。


「ま、いいですわ、次は……アイネですわ」

「はいっ」


 呼ばれて俺の右隣のアイネが立ち上がる。

 わざわざ立って自己紹介する必要も無いと思って俺は座ってたんだが。アイネは真面目だなあ。


「私は結城愛音ですっ! 好きなものは兄様ですっ。職業は勇者兼探偵助手ですっ。よろしくお願いしますっ」

「完璧だな」

「アイネに甘いですわねえ」


 でも必要なアイネの要素は大体詰まってた気がする。まあ自己紹介としてはもっと何か話せるべきなのかもしれないが……。


「まあでも勇者兼探偵助手って何だってなりますわよね。ちょっとだけだけど興味の湧く面白い自己紹介な気がしますわ」

「シュエリアさんっ自分のハードル高くなってますよっ」

「それな」


 シュエリアが周りを評価する度にじゃあお前はどうなんだというハードルがぐんぐん上がって行く。


「次はー、トモリですわ」

「は~い~」


 今度はトモリさんか……長く喋るのに向いてないトモリ節でどう自己紹介するのやら。

 まあ、ハキハキ喋ることもできるんだけどさ、この人。


「結~城ト~モリです~。好き~なものは~……スタバのドリンクと、アイにゃんとゆっ君で~す~。職業は~喫茶店~てんい~ん~です~」

「一瞬だけハキハキしてましたね」

「ですわね。なんでそこだけって感じで面白いですわよ」


 こうやってまたシュエリアのハードルは上がって行くんだなあ。


「じゃあ次々行きますわよ。シオン」

「はーい」


 今度は義姉さんか。まあ、大丈夫、だよな?


「結城詩音、ゆう君のお姉ちゃんでお嫁さんです。趣味はゆう君グッズを自作することです」

「おい、なんかこの人ヤバくないか」

「普通の自己紹介ですわね?」

「普通か? 主に最後の一言」


 義姉さんはなんだか笑顔でよくできたと言わんばかりなんだけど、最後の一言が変態度を表している気がする。


「ま、まあいいや」

「ですわね? じゃあ次はシュキ」

「はい、お母さん」


 義姉さんの不気味な趣味の自己紹介がありつつも、自己紹介のターンは回っていく。


「私は結城朱姫。尊敬する人は両親で、好きなものは勉強。嫌いなものは特にないけど苦手なものは辛い食べ物です。尊敬する両親に追いつけるよう頑張りたいと思っています。よろしくお願いいたします」

「めっちゃ真面目でいい子だな」

「流石私の娘ですわね?」

「いや、お前の娘とは思えねぇよ」


 こんな阿保からよくここまで出来た娘が生まれたものだ。

 きっと俺にも似てないから反面教師にしたんだな……うん。


「それじゃあ最後にシキですわ」

「いや、お前まだやってないだろ」

「チッ」

「自分だけやらない気だったのか」


 まあそりゃコイツの自己紹介なんてロクでもないだろうしなあ。


「自己紹介、いい?」

「あ、いいですわよ」

「じゃあ、こほん。結城式。尊敬する人は父親。母はちょっと変な人だけどスペックは高いから目標にしてます。趣味はプラモ作りとか、モノ作り全般。特技は剣術。以上」

「簡潔に纏まってていいじゃないか」

「流石私の娘だね!」

「いや、ホントなんで義姉さんからこんな出来た娘が……」


 もはやパート2だけど、なんでこの母からこんな出来た子が……って、まあシュエリアも義姉さんもスペックは高いからなハイスペックな娘が生まれるのは分らなくはない。


「それじゃあ最後にシュエリアだな」

「はあ、仕方ないですわね」


 どうやら本当に自分はやる気なかったらしい。何故だ。


「今更こんな事言わなくても皆さんご存じの結城シュエリアですわ! 好きなものは面白い事、嫌いなものは退屈、暇。楽しく生きる為なら何でもする万能の天才美少女ですわ」

「凄い、間違ってないけど前半の自意識が凄い」


 皆さんご存じとかよく言えたな。そんなに認知度ねぇよ。

 というかコイツさらっと「今更」とか言いやがったな。


「それに今更って、お前が今更自己紹介とか言い出したんだろ」

「そうでしたわね?」

「お前本当に適当に生きてんな!」


 何も考えてなさ過ぎるだろ……。


「ま、そんなわけで、自己紹介タイム終了ですわ」

「今回はこれでお開きか?」

「ですわ」


 と、いう訳で。

 今回もまた、オチらしいオチも着かずに俺達の駄弁りは終わっていくのであった。

 ちなみに……アシェの自己紹介タイムが無かったことは後になって気づいた。

ご読了ありがとうございました!

感想、評価、ブックマーク等頂けますと励みになります!!

次回更新は次回日曜日の21:00までを予定しております。

次回はアシェのターンです。(予定)

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