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娯楽の国とエルフの暇  作者: ヒロミネ
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新しいキャラですわ

「暇ですわ」

「またか」


 異世界見学から戻って数日、最近聞いてなかった単語をまた聞くようになった。


「暇だから今回は新しいキャラについて語ろうと思いますわ」

「何の話だ?」


 新しいキャラについて……?

 一体何を言っているんだろうこの阿保エルフは。


「どんなキャラが居たらいいと思いますの?」

「あぁ、そういう? うーん、中々難しい話題だなあ」


 どういうか……どういうキャラが好きだ、俺。


「変身ヒロインとか?」

「ふむ、わたくしも変身できますわよ」

「出来そうだけども」


 それじゃあ新しいキャラにならないじゃないか。


「まあそれは置いておいて。変身ヒロインよくないか?」

「変身するだけの何処が良いんですの?」

「え……どこが……えぇ?」


 どこが良いと言われると……うーん?


「じゃ、じゃあアイドルとか」

「あら、それはそこそこよさげですわよ」


 これにはそれこそそこそこ良い反応を示したシュエリア。


「アイドル、良いですわよね」

「まあお前みたいに美少女で何でもできる奴ならアイドルになれそうだけどな」

「そうですわね、否定はしないですわ」

「流石自信家」


 歌に踊り、いつでも笑顔を忘れない。そんなアイドルには良さしか感じない俺だ。

 シュエリアもなれそうだが、いかんせんエルフだ。表舞台に立つにはちょっと目立ち過ぎる。


「んじゃあ作りますわね」

「まて、何を言っている」


 コイツ今なんつった。作る? 何を?


「新しいキャラ、作るって話だったでしょう」

「いや、倫理観」


 命の創造とか、たやすくしていいものだろうか。

 いや、悪いとは言わない。子供を作るのだってある種命の創造のようなものだ。

 しかし妙に抵抗感があるのも事実だ。


「まあユウキならそう言うと思ってましたわ」

「で、やめてくれるのか?」

「そうですわね。それじゃあせっかくだからまったく新しいキャラについて話してくれたら、止めておきますわ」

「まったく新しいキャラかあ」


 それはまた難しいお題だ。

 昨今ありとあらゆるキャラが出てきている。今更こんなの見た事無い。みたいなキャラが果たしているだろうか。


「……シュエリア?」

「なんですの?」

「いや、だから、シュエリア」

「…………」


 俺の発言の意味を理解したのか黙るシュエリア。

 いま彼女は何を考えているのだろうか。


「……いますわよ、わたくしみたいなエルフ」

「マジか???」


 そんな何でもありなエルフ、居ただろうか。


「江戸〇エルフって作品で引き籠りなエルフが居ますわ」

「でもお前程万能ってわけでもないだろ?」

「でも被ってますわ」


 そうだろうか……。シュエリアは引き籠りというよりただのオタクだ。

 実際のところ、引き籠ってばかりもいない。


「大丈夫だ、お前は間違いなくオンリーワンだ」

「そ、そうですの?」


 まあかなり色物なのは間違いないが。オンリーワンではあるだろう。


「いやでも、新しいキャラって難しくないか」

「そうですわね。わたくしみたいな突飛な奴そうそういないですわ」

「自分で突飛とか言っちゃったよ」


 まあ間違ってはいない。

 退屈は人を殺すというが、本当に自決しようとしていた馬鹿だからな、コイツ。


「新しいことを考えるのって難しいんですのねえ」

「そうだな、難しいことだと思うよ」


 新しい発想、新しいキャラクター、新しい物語。

 どれも考えるのは難しそうだ。何も考えてない作者にも分けてやって欲しいくらいだ。


「とまあ、そんなところでもうお昼ですわ」

「また昼飯オチかよ」


 今回は良い感じでオチが付くかと思ったんだけどなあ。


「シュエリアが新しいキャラクターってことでオチは付きませんでしたか」

「わたくしをオチに使おうなんて100万年はやいですわ」

「不老不死なだけにそんだけ生きられる可能性があるのがなんとも」


 本当に100万年後ならオチに使っていいんだろうか。


「そんなわけで、お昼ですわ!」

「はいはい」


 せっかくオチが付きそうだったのに、結局お昼オチになる俺達。

 さて、今日の昼飯は何にしようかね。



ご読了ありがとうございました!

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次回更新は次回日曜日の21:00までを予定しております。

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