これが魔法学院ですわ
皆さんGWはどのように過ごされましたでしょうか。
私は友人とモンハンライズをひたすらやってましたね……。
え? 小説を書け?
そ、そうですよね、頑張ります。
「前回までのエルフの暇。ついに新世界の魔法学院にやってきた一同、しかしそこで待っていたのはまさかの洗礼だった……!」
「そんな前回あっただろうか」
急に語り口調で何か言い出した我が嫁にツッコむ俺。
洗礼なんてなかった。ただのじゃんけんだった。
「こうでも言っておかないと異世界来たのに無双展開じゃなくてじゃんけんかよと思った読者に悪い気がして」
「どっちにしろこの無駄な話を読まされる読者に悪い気がする」
まあそれはいいとして、前回までは前振りで、今回から漸く魔法学院の案内といったところだ。
「それじゃあお父さん。いこ」
「おう」
まずシュキに案内されたのは……うん? なんだろう、棚と言うか、ロッカーみたいなのが、たくさんある部屋だ。
「ここが女子更衣室」
「なぜ案内した」
まず最初に案内するところとして恐らく最も不適切な場所だろう。
「じゃあ次は……」
「まて、嫌な予感しかしない」
なんかこのままシュキに案内を任せていいか、初っ端から不安になった。
「次は女子トイレ……」
「だからなんで案内しようと思った」
もう不安というか、確信に変わった。シュキに任せてるとロクな案内されないと。
なんでだろう、しっかり者のハズなのになんでこんな案内を。
まるでシュエリアかアシェみたいだ。
「だってアシェさんがこういう方がお父さんは喜ぶっていうから」
「おいてめぇ俺の娘になんてこと吹き込んでやがる」
「事実を語っただけよ。私は」
「そんな事実はねぇよ」
俺をなんだと思ってやがんだコイツは。
「後、体育倉庫と、音楽室もあったんだけど」
「音楽室は分るけど体育倉庫は分かりたくないな」
学校にある『そういう』場所を案内されても困るというものだ。
「じゃあ何を見せたらいい?」
「普通に通ってる教室とか、あとさっきから気になってるアレとか」
「アレ?」
俺は中庭にある彫像を指さす。
「お母さんだね?」
「はい??」
あれがなんだって? シュエリア? 似てねぇな。
「ややこしいからちゃんと説明した方が良いですわ」
「あー、うん、そうだよね」
どうやら何かややこしい話らしい。
「あれはこの世界を創った創造神の彫像で、シュレリア様って言うんだけど。実際創ったのはお母さんでしょ。だからお母さん」
「なるほど、ややこしい」
シュエリアなのに名前がシュレリアなのもややこしいし。
「この国は創造神に対する信仰が厚い国だから学校とか色んなところで見られるよ」
「そうなのか……」
ついにシュエリアは信仰の対象にまでなってしまったか……。
「まあでも、日本にもわたくしの信者はたくさんいますわよ?」
「そうか?」
そうでもない気がする。コスプレ喫茶には居そうだけど。
「それじゃあ後は教室だね、こっちだよ」
「おう」
こっちと言われてシュキに付いて行く俺。
シキとシュキは同じクラスらしく、教室も一緒なんだそうな。
「ここが私達が通ってる教室だよ」
「クラスS」
「そんなにクラスあるのか?」
Sって言ったらABCの中間あたりだ。
「父さんの考えは違う、クラスは7クラス。A~Fと特別クラスのSだけ」
「ほう?」
それはまさか、ランク分けということだろうか。
「優秀」
「そう、私達は優秀だから、Sクラス」
「ほほう」
自慢げに言う娘二人になるほど、と納得する俺。
「勉強も魔法も優秀」
「運動もね」
「それは偉いな、頑張ってるんだな」
俺が褒めて撫でると嬉しそうに笑う二人。
こういうところはちゃんと子供らしいみたいだ。
「さて、それじゃあそろそろ戻るか」
「ん、もう?」
シキが首を傾げて言う。
まあもうちょっと俺と異世界を巡りたい気持ちがあるのだろう。ちょっと寂しそうだ。
「あぁ、じゃないとうちの嫁が飯って言い出すからな」
「あら、よくわかってますわね」
そう、何だかんだじゃんけんしたり色々学校を巡っている間に飯時になってしまったのだ。
そうなれば当然飯落ち好きな嫁は飯というに決まっている訳で……。
「今回は楽しかったよ。また見学にでもくるかな」
「今度授業参観がある」
「じゃあそれには俺も参加するよ」
「やった」
「シキ、ナイス!」
娘二人が喜ぶ中。空腹を訴える目を止めない嫁を視つつ。
「さて、帰るか」
俺達は岐路に着くのであった。
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次回更新は次回日曜日の21:00までを予定しております。




