トイレって、ですわ
「トイレって前向きで座っちゃ駄目なの?」
「何の話だ」
いつもの休日、シュエリアの部屋に集まってダラダラしているとアシェが唐突に訳の分からないことを言い出した。
「いやだからね? なんでお尻を向けて座るのかって話よ」
「お前馬鹿なの?」
「なっ」
俺のドストレートな問にアシェが驚く。
「何でそうなるのよ」
「だってお前、逆に座ったらどうなるよ」
「え? マ〇コ向けて座るんでしょ? 別にいいじゃない?」
「お前色々最低だな」
マナーもモラルもあったもんじゃない。この女こういうところだよ。
「アシェがそうなのはいつものことですわ」
「アンタに言われると腹立つわね」
「同族嫌悪ですの?」
「ある意味同族ではあるけど違うわよ」
確かにある意味同族ではある。しかしこの場合は同族(阿保)だろうな。
「まあでも変態ではありますわよね」
「変態じゃないわよ。仮に変態だとしても変態という名の淑女よ」
「何処が淑女何ですの……」
シュエリアがアシェのパクリ名言に呆れている。
「ま、いいですわ。そんなことより、トイレの話でしたわね?」
「そうよ、それよ。別にいいのよ、お尻を向けたって。でも別に逆立ちとか、立ってしてもいいでしょう?」
「正確には便座の話な。あと逆立ちすんなよ」
立ってするのはまあ……百歩譲って良いとしても逆立ちはおかしいだろ。
「便座に立つのはいいのね?」
「そっちかよ、普通に床に立って便器にするんだよ」
なんで便座に立つんだ。どう考えたって用足し難いだろ。
「そこのとこどうなのよTOT〇」
「人を衛生陶器の製造購買メーカーみたいに呼ばないでくださいっ」
誕生日をT〇TOで覚えられているアイネが憤慨している。
怒っていても家の妹は可愛い。
「で、どうなんですのアイネ」
「なんで私に聞くんですかっ……普通に座ってすべきだと思いますっ」
「猫みたいに?」
「人みたいにですっ」
猫みたいでも別にいい気がするけど……あー、どうなんだろう。
「座る派が二人ですわね」
「お前は違うのか?」
「わたくしはトイレ行きませんもの」
「は?」
どういうことだ……?
思い返してみるとコイツがトイレ行ってるのみたことねぇな。
「わたくし魔法で衛生管理しているから問題ないんですわ」
「ずっる」
また魔法かよ、しょうもないことに使いやがって。
「というかアシェはなんでこんな話始めたんだ?」
「あー、それ? この前ロ〇ソンでお手洗い借りたら中に張り紙がしてあって図に前向きバツとか立ってる絵にバツとか描いてあったから実際どうなのかと思って」
「実際駄目に決まってるだろ……」
コイツ頭お花畑か。駄目に決まっているのに。
「でも実際試してみないとわからなくない?」
「そんなことも無いと思うが」
「そうで~すね~試して~みな~いと~?」
「え」
ここでまさかのトモリさんからの悪ノリが入った。
「アシェさんがやるのを皆で見ましょう」
「急にハキハキととんでもない事いいだすわね」
「誰得だよ」
「ユウキは得しますわね」
え、俺得なのか?
「貴重なシーンですからね」
「兄様が見たいなら私もしますがっ」
「変な事言わなくていいから」
なんで俺がそんな変な趣味持ってる人みたいになっているんだ。
「まあユウキが変態なのはともかく」
「待て、変態確定なのか?」
この流れも何度も経験したが今回の変態度合いはかなりの物だ、受け入れがたい。
「だってユウキそういう趣味あるでしょう?」
「おまっ……」
ここぞとばかりにとんでもないことを暴露する嫁である。
しかし。
「いやそれ俺じゃないから、作者だから」
「そうなんですの?」
「そうなんですよ」
ここは作者の癖ってことにしておこう。俺の為に。
「それじゃあ仕方ないですわね。見るのは無しですわ」
「残念です」
「見たかったんかい」
トモリさんが何故かがっかりしている。こっちのが変態では?
「さて、それじゃあユウキ、トイレの話の後だけど、アレですわ」
「昼食か」
「ですわ」
トイレの話の後にあれかぁ……そう思いながら俺は昼飯にカレーを用意していたので出したのだが、当然俺はブーイングを喰らったのであった。
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