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娯楽の国とエルフの暇  作者: ヒロミネ
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落ちるモノですわ

最近「あれ。この話投稿したっけ?」というボケが始まってる作者です。

読んだことあったらごめんなさい……。

「はぁ……わたくしも『右だよっ左だよっ』とか言ってるだけで儲かる存在になれないかしら」


 いつも通りの日常に、いつも通り突然爆弾を投下してくるシュエリア。


「今日はまた随分と、色々な意味で多方面に失礼な発言をブチ込んでくるな」


 いつもの事ながら俺が呆れていると、シュエリアが獲物が食いついたと言わんばかりに目を輝かせた。

 別にこの会話に乗り気な訳ではないのだが……。嫌でもないが。


「別に声優になりたいわけではないですわ? 要はわたくしの肖像権を使って稼げないかという話ですわ」

「確かにお前は見てくれだけはいいしな」

「見てくれ以外は悪いような言い方ですわね……」

「……ノーコメント」

「それ大概悪い意味で使われる言葉ですわよねぇ?!」


 俺の塩対応にいつも通りテンションの高いシュエリア。

 そんな彼女を見て、本当に見てくれは良いよなぁと思う。


「まあ、正直な話、写真集とか出したら売れそうだよな」

「やっぱりそう思いますの?」

「ちょっとくらいは謙遜しろよ……だがまあ、もっと言うと声も綺麗だし、それこそ声優目指すのもいいかもな」

「あ、真面目に働くのは嫌だからそれはいいですわ」

「…………」


 コイツ……それはそれで写真集とかに出てる人が真面目でないような言い方を……。


「グラビアアイドルとかも立派な仕事だぞ?」

「汁男優くらい?」

「お前本当に失礼極まりないな!」


 コイツは何故こうも爆弾発言を連続できるのか、空爆機か何かなのか。


「それで、話を戻したいのだけれど?」

「はぁ、なんだっけか?」

「スロ堕ちと闇落ちって似てますわよね」

「まて、そんな話だったか?」

「違うけどこっちの話がしたいですわ」

「……おう」


 なんて自由極まりない奴なんだろう。

 まあ、別に何でもいいけど。どうせ暇つぶしだし。


「というかスロ堕ちって発言自体がもうアウトな気がするんだが」

「そんなことないですわよ。ある意味なんというか、NTRとか悪落ちとかに近い属性みたいなものでしょう?」

「違う気がするが……まあ、ある意味あっている気がしないでも……ない」


 俺自身が賭博とかの趣味が無いからよくわからんのだが、どうなのだろう。


「つまり、ま〇マギもリ〇ロも全キャラ闇落ち属性持ちと考えると、薄い本が捗りますわね?」

「ねぇよ!」


 俺が適当に肯定してしまったせいでシュエリアがアホなことを言い出してしまった……。

 だが、しかし。これに関しては断言できる。


「無いからな、無いと言ったら、無いからな」

「なぜ五七五で三度言うのかしら……」

「本当に大切なことだからだよ」

「そ、そう」


 博打で薄い本が捗るとか……いやまあ、元がそういう題材の作品ならありそうだけど。

 それでもあんまりないだろ、多分。


「堕ちると言えば、ぷ〇ぷ〇は何落ちなんですの?」

「落ちる意味が違うだろそれ」

「落ちもの系?」

「知ってるなら何故聞いた」


 俺がそう問うと、シュエリアが首を傾げて何を今更と言った様子で答えた。


「リアクションに期待して?」

「凄まじく下らない理由だな」

「その下らないのが面白いんですわ」

「……そうか?」


 今のは単純に凄まじく無駄話だった気がするんだが……。


「というか、わたくし達のする話に無駄のない下らなくない話なんてほとんどないですわ?」

「……さらっと俺を達に入れるのをやめろ」

「でもわたくしとまともに無駄話するのってユウキくらいですわよ?」

「え、マジかよ」

「マジですわ」


 つまりコイツの言う達っていうのは、俺とシュエリアの二人ってことか……。


「いやまて、アイネもお前と話たりするだろ」

「するけれど、基本的にユウキが居ないとアイネってどこにいるか分からないし、たまたま遭遇してもアイネはユウキの話ばっかりだし、わたくしが無駄話を振ってもツッコまずに乗ってくるくらい純真かつ真面目だから面白味がないのよねぇ」

「それだと俺が真面目でないようなんだが」

「ユウキはわたくしと同じ側の人間でしょう?」

「まて、同じ側ってなんだ、なんの部類別けされてんだ」


 いつの間に同類判定されてんだ俺。

 コイツと同類……それは無いだろ……無いよな?


「暇人かつノリがいい側でしょう?」

「お前自分から暇人とかよく……いや、実際そうか。むしろノリがいいとか自分から言っちゃえる方が凄いな」


 よく考えたらコイツは暇だからこの世界に来たんだもんな……暇人代表みたいなものか。


「でも実際にノリいいでしょう?」

「……確かに」


 むしろノリだけで生きている感すらあるくらいだ。

 というか、ノリがいいっていうのはいいとしても、俺は暇人だと思われてんのか? 


「で、テ〇リスも落ちもの系よね」

「唐突に本題に戻ってくるな……」

「テト〇スってテ〇リスと伏せるとそこはかとなくテロリストっぽくないかしら?」

「そして唐突に爆弾投下してくるな!」

「でも字面が似てますわよね? テ〇リス、テロリスト。もういっそテトリストとかどうかしら」

「今日は出血大サービスなのか? 爆弾の量がいっそテロ並みなんだが?!」

「何テロですの?」

「業界テロだよ!」


 今日のシュエリアはいつになく各界の方々に爆弾ぶん投げて回る勢いだ……これ放置してたらいろんな人に怒られる気がする。


「それもツッコミあってこそですわ」

「俺の所為みたいに言うのやめてくれないか?!」

「ユウキの支えがあってこそ、ここまでの発言が出来るのですわ……」


 そう言ってシュエリアは遠い目をしている。こ、コイツ……。


「待て! なんか俺の方に責任を押し付けようとしてるよなお前!」

「違いますわ? これは責任転嫁ではなく、責任分配ですわ」

「どっちでもいいわ! 俺に責任がある時点でおかしいんだよ!」

「えー?」

「何、なんのえー? だそれは!」

「ツッコミがもう一声欲しいえー? ですわ」

「おまっ……はぁ、俺で遊ぶのはやめろ」

「ユウキで遊んでない日なんて無いと思うけれど」

「…………うっ」


 思い返してみると、確かにコイツにからかわれていない日なんて無い気がする。

 というか毎日毎日コイツと話す度にこんな感じではないだろうか。


「確かに毎日おちょくられている気がする」

「でしょう?」

「そしてそれをドヤ顔で、でしょう? とか言うお前は俺をなんだと思っていやがる」

「ん? 何って……」


 シュエリアはそこまで言って口をつぐんで、今まで見たことないくらい真面目な顔で何か考えている様子を見せた。


「おい? シュエリア?」

「ですわね」

「は?」

「だから……ですわ」

「なあ、聞こえないんだが」

「……そう、やっぱり聞こえないんですのね、残念な奴ですわ」

「おい、俺の事残念な奴とか思ってんのかお前」

「そこだけ聞こえやがるとかマジでなんなんですの? 体質なんですの?」


 俺の発言になぜか若干キレ気味に言葉を返してくるシュエリア。

 え、なんで俺がキレられてるんだ……?


「ていうか体質ってなんだよ、何の話だ」

「だから…………わたくしがユウキをどう思っているかって話ですわ」

「残念体質ってことか?」

「……間違っては無いですわね」

「ニュアンスから何かがずれている感があるんだが……」

「それはわかりますのね……」

「?」


 何が言いたいんだコイツは……よくわからん。


「はぁ……なんでわたくしこんなのが好きになってしまったのかしら……」

「へ? 俺の事好きなのか?」

「だからなんでそういう面倒な部分だけ聞き取れるんですの?!」


 なんかまたキレられたんだが……なんだ、コイツ、情緒不安定か。


「はぁ……もういいですわ。で、堕ちると言えば……」

「恋か?」

「ひっぱるんじゃねぇですわ!!」

「お、おぅ」

「……で。他にも落ちると言えば色々ありますわよね?」

「そ、そうだな……」


 なんか下手なこと言うとまたキレそうだから何と言っていいものか……、女子の扱いって難しいな。

 コイツをその系列に並べていいのかは疑問だが。


「何か思いつくかしら?」

「……リンゴとか?」

「それ引力の話ですわよね……」

「コロニーとか」

「落ちるけれど……」

「飛ぶ鳥とか」

「まあ落すって言いますわよね……っていうか」


 俺の答えにそこそこ満足いったのか、いってないのか、シュエリアが切り返してきた。


「ユウキがボケるとツッコミが不在になるからこの話を振ったのはミスだったわね。わたくしが率先してボケるべきでしたわ」

「凄まじくどうでもいいな」

「重要ですわよ?」

「どこら辺が?」

「取れ高?」

「何のだよ……」

「作品の?」

「いやだから何のだよ……」


 たまにコイツは変な事を言い出すことがあるんだが、なんなのだろう、メタ構造的なネタなのだろうか。


「あぁ。でも、堕ちるって言ったら、身近に丁度いいのがあるな」

「あら、身近にそんなもの、あったかしら?」

「うん。お前」

「……は?」


 俺の言葉にポカーンとするシュエリアだが、コイツ自覚無いのか。


「いや、お前どう考えても自堕落だろ」

「字面的には堕ちて落ちてますわね……」

「そしてこの話のオチにもなると」

「誰が上手い事言えと!!」

「そういう流れを期待されているんじゃなかったのか?」

「あながち間違ってもいないですわ!!」

「じゃあいいじゃねぇか……」

「オチるのが早すぎますわ?!」

「さいですか?」

「さいですわ!」


 うーむ、オチに早いとかあるんだろうか。

 いや、起承転結という言葉があるくらいだし、順序や流れ、タイミングは重要なのかもしれない。

 とはいえ一般人のする世間話や雑談にそんなもの要らないと思うが。


「具体的に、どのへんでオチを付けたかったんだよ?」

「夕食前ですわね」

「ただ暇潰したいだけじゃねぇか!」


 時間を見るとまだ三時。夕食には早い時間である。

 というかオチが早すぎるとかキレた割にめちゃくちゃどうでもいい理由だったわけだが、怒られ損じゃねぇか俺。


「まあでも」

「ん?」


 俺が時間を確認していると、同じタイミングでシュエリアも時間を確認していたようで、何かまた思いついたように口を開いた。


「三時だし、間食でもしようかしら」

「お前本当に自由かつ唐突だよな」

「思い付きとその場の勢い、所謂ノリで生きているからしかたないですわ?」

「自覚あって仕方ないと言い切れるのはそれはそれで凄いな」

「でしょう?」

「だからちょっとは謙遜とかしろよ……」

「事実ですもの、ふふんっ」


 そう言ってシュエリアは無い胸を張った。


「謙虚なのは胸だけ……か」

「よーし、殴りますわ?」

「ドラミングか?」

「その頭、何キロくらい吹っ飛ばせばいいかしら?」

「すまん、冗談だ」

「冗談でも言っていいことと悪いことがありましてよ? ふふふっ」

「それがわかってるなら爆弾発言止めろよ?!」


 割と怒っているのか、いつもより若干お嬢様言葉を使ってくるシュエリア。

 反射的にツッコむとお嬢言葉を使わなくなる癖に一周回ると余計に使うようになるようだ。


「さて、それでは、今回のオチはユウキに天罰が下って頭が落ちて地獄に堕ちるということで」

「オチっていうか最終回だろそれ!」


 ……そしてこの後、怒れるシュエリアと逝かされる俺による追いかけっこは夕食まで続いた。夕食まで。


ご読了ありがとうございました!

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次回更新は翌週の土曜日21:00までを予定しております。

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