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娯楽の国とエルフの暇  作者: ヒロミネ
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どうしたらいいんですのこれ

「九月になって夏ネタやり難い今、どうしたらいいんですのこれ」

「何言い出してんだお前」

 いつも通りの休日、シュエリアが良くわからないことを言い出した。

「季節は大事ですわよ、イベントで繋げるから」

「ぶっちゃけるなあ」

「秋なんてハロウィンくらいしか無いですわ」

「さらにぶち込んで来るな」

 確かに秋は夏に比べるとイベント事がそこまで無い気もするが、かといってそれで「どうしたらいい」と訊かれてもな。

「普通にいつも通りじゃダメなのか?」

「いつも通り、というと無駄話に花を咲かせるんですの?」

「まあ、そうなるかな」

 と言っても何かいいワードとかお題目なぞ無いのだが。

「何か面白いことないんですの?」

「メイドイ〇アビスのゲームやりてぇなあ」

「作者の気持ち代弁しなくていいですわよ……」

 俺もやりたいんだけどシュエリアにはそうは取られなかったらしい。

「エルデンリ〇グのDLC出ないかなぁとか」

「信じてればきっと大丈夫ですわ。はい次」

「次って……うーん?」

 どんな話題なら楽しく、いやいっそ楽しくなくとも無駄な時間を過ごせるだろうか。

「まず、皆が居た方が少しは楽しいだろうから呼ぼうか」

「そうですわね」

 そんなわけで皆に連絡を取り、待つこと十分。

「私だってそこまで暇じゃないんだけど、来てやったわ」

「アシェは帰っていいですわよ。一人だけ出番多いし」

「アンタに言われたくないわよメインで出ずっぱりの癖に」

「私はお散歩してただけなので帰ってきましたっ」

「私~は~ゴロゴロ~してたの~で~」

「お姉ちゃんはゆう君に会う為ならいつでも暇だからね!」

「皆シュエリアの為に悪いな」

 なんか一人、いや多分二人程はシュエリアの為じゃない気がするけどそこはまあいい。

「それで、話題が無くて暇しててな、どうだろう、何かいい話題とかないか?」

 俺の問いかけに皆「うーん」と悩むも、アシェが直ぐに手を挙げた。

「皆週何回オ〇ニーする?」

「馬鹿かお前」

 なんでコイツはすぐに下ネタに走るかな。

「なによ、普通に話題振っただけでしょう」

「何でド下ネタなんだよ」

「このメンバーならいいかと思って」

「確かにこのメンツだけならいいかも知れないけども読者は良くねぇから!」

 そんなもん見せられる立場にもなって欲しい物だ。

「じゃあユウキの何処が好きか話すとか?」

「やめろ」

「なんでよ」

「恥ずかしいからだよ!」

 そんなシラフで訊いてられないような話題止めて欲しいものだ。

「じゃあ無いわね」

「お前下の話と俺の好きなとこ以外話すことないのか」

 とは言えまあ、俺らも話題が無くて聞いてるんだから同じようなモノ……いや同じでは無いな。

「私からお話しがありますっ」

「お、良いぞアイネ」

「どうしたら出番が増えますかっ!」

「作者に訊いてくれ」

 俺らに訊かれても困る。

「兄様にもっと好かれれば増えると思っているんですがっ」

「俺は十分アイネの事好きだぞ?」

「それはありがたいのですがっ、なんかもっとこう、私が居ないと生きていけないくらいじゃないと駄目な気がしますっ」

「それは……難しい問題だな」

 なんとも難しい。

「シュエリアが居る以上死とか超越してるから想像しにくい……」

「! 盲点でしたっ!」

 どうもシュエリアの所為でその辺の感覚がおかしくなっているのだ。

 永遠など無いのが本来の人の一生だが俺らは違っている。違ってしまっている。

「私の出番は永遠にアシェさんに負けたままなんですね……っ」

「なんで皆の中で私だけ出番多いみたいになってるのよ……普通よ? そんなに前に出てないわよ??」

 そう言うアシェだが、誰もとり合ってくれない。

 俺から見たら普通より一歩出てる気がしないでもないくらいだが、皆は違うようだ。

「アシェさんだけセリフ量も多いし大抵先んじて発言権を得ていますっ」

「それは私が率先してるだけで……」

「そんなことないですっ作者のお気に入りだからですっ」

「否定方法がメタいわね!!」

 アイネにメタな否定を喰らってアシェも困っている様に見える。

 まあ出番がどうのと言われてもな……。

「っていうか他の話題は無いわけ?」

「そうですわね? トモリはどうですの?」

「私~からは~そうです~ね~」

 トモリさんはうんうんと唸り、答えが出るとスッと手を挙げた。

「今年のハロウィンについて~?」

「ハロウィンですの? 毎年通りやりますわよ?」

「もう決定してんのか」

 どうやらシュエリアの中では決定事項だったようだ。

「お友達~お呼び出し~?」

「そうですわね、それもいいですわね」

 どうやら今年は更に人数の多いハロウィン過ごす事になりそうだ。

「なんだか楽しみになってきましたわ?」

「そりゃよかったな」

 どうやらトモリさんに振られた話題からハロウィンへの期待が高まっているようだ。

 しかしハロウィンはまだまだ先の話だ。

「とはいえハロウィンパーティーをするにもまだずっと先ですわ。今は何かこう、暇つぶしになるような話題、無いんですの?」

「じゃあお姉ちゃんも提供しちゃおうかな」

 そういって義姉さんも挙手して自分のターンを宣言する。

「実は裏で進めていた政治活動が上手く行ってそろそろ一夫多妻制を日本で導入できそうなんだよねぇ」

「なんかサラッとすさまじいこと言い出しましたわね」

 現実的にありえないと思われていたことをサラッと言い出す義姉さんに俺も驚きを隠せない。

 この人どこまで有能なんだ。

「ってことでもしかしたら近いうちに皆でゆう君のお嫁さんになれるかもねって話なんだけど、どうかなあ」

「話題としてはスゴイ衝撃的ですわね」

「出番増えますかっ?!」

「増えるわよ、きっとね」

「ふえふえ~?」

 義姉さんに振られた話題の衝撃を受け止めるシュエリアと相変わらず出番を気にする我が妹。そしてそれに対し優しく声を掛けるアシェにトモリさん。

どんだけ出番の話するんだ俺の妹。

「ビックリしたけれど、これで晴れて皆ユウキの嫁になれるんですのね」

「そうだね……長かったよー」

「ってことは皆でお嫁さんになって最終回な訳?」

「メタい発言禁止ですっ!」

「出番出番言ってた子に言われると思わなかったわ」

 アシェの発言にアイネがツッコんだのでアシェに呆れられている。これがシュエリアや俺なら違っただろうか……いや、俺もシュエリアも大概か。

「そんなこと無いと思いますわよ。この作者、書くこと無くなるまでこの作品やる気だから」

「やることがそれしかない人生ですからね」

「シュエリアもだけど、トモリさん、急に素になってとんでもない発言しないでください」

 他にもやることはある……あるはずだ。知らんけど。

「さて、そんなこんなでもうそろお昼だから落ち付けようか?」

「義姉さん、この作品にまともな落ちが付いたことなんていままであっただろうか」

 妙なハードルを上げないで欲しい。山無し落ち無しがいつもの俺達である。

「ユウキ、そんなことより昼飯ですわ」

「言うと思ったよ」

 俺の嫁は暇暇言うが暇より飯、花より飯の女だ。

「それじゃあ飯にするから、アイネ、手伝ってくれ」

「はい兄さまっ、出番ここくらいしか無いですからねっ」

「引きずってるなぁ……」

 そんなこんなで、今日もまた無駄に話を咲かせた昼が過ぎて行った。


ご読了ありがとうございました!

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次回更新は翌週の土曜日21:00までを予定しております。

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