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娯楽の国とエルフの暇  作者: ヒロミネ
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伝わらない想い……ですわ

「チキチキ! 第一回、伝わる人には伝わるけど伝わらない人には伝わらないネタグランプリー!」

「何言ってんだコイツ」

「いつも通り頭パーね」

 いつも通りの日常に突如投下された謎の発言に俺とアシェが呆れる。

「でもきっと楽しいことですよっ」

「シュエリアさんが~言うからに~は~?」

「ちょっとそこ二人、ハードル上げるんじゃないですわ」

 シュエリアの発言に比較的好意的な二人を制するように発言するシュエリア。どうしたいんだコイツは。

「ということで、伝わる人には伝わる話をしますわ」

「伝わらない読者を置き去りにする企画だな」

「ですわ」

「言い切ったよ」

 何の悪びれることもなく言い切った。これでいいのか。

「例として、死んだように口を閉ざした、所謂『返事がない、ただのしかばねのようだ』な人間にザオ〇クと言ってみる行動、これはザ〇リクが何だか知っている人向けの発言ですわね、こういうのを話していきますわ」

「なるほど?」

 わかったようなわからないような。つまるところ今回もまた無駄話なのだろうが。

「じゃあ早速スタートですわ」

「じゃ、私から」

 シュエリアのスタート発言にすぐに手を挙げ名乗りを上げたのはアシェだ。

 こういう時いつもコイツは早い。

「エ〇ゲ原作の全年齢版の朝チュン描写って結構雑よね」

「確かにやらない人にはわからないけども!」

 原作と全年齢版をやると『あぁ、ここにあのシーンが挟まってるんだよな』って言うのがもろにわかるくらい雑に出来ている時がある。いや逆に原作未プレイにはわからない訳だから上手いことやっていると言えなくもないのだろうが。

 それはそれとして。

「シュエリア、良いのかこれで」

「伝わる人にしか伝わらないからアリですわ」

「マジか」

 こんなんで良いのか今日のお題。

「何よ、私のネタに文句でもある訳?」

「いや、お前結局いつも下の話しかしないよなと思って」

「そういう立ち位置だから仕方ないのよ……」

「何を遠い眼して憂い気になってんだ。ただ下ネタ言いたいだけの癖に」

「私にだって下ネタを言いたい時くらいあるわよ!」

「お前何時も下ネタばっかりだろう?!」

 なんか逆切れされたけどコイツ何時も下ネタばっかりなのになんでちょっと「たまにはいいでしょ」的な雰囲気で話してんだコイツ。

「はぁ、もう私の事はいいから、次は誰よ」

「まあ確かにこんな話ばっかしててもしゃあないな……で、誰が行く?」

 俺が皆を見渡すと、すっと手を挙げる人が一人。

 トモリさんだ。

「高〇名人の~げ~む~?」

「確かに知ってる人少なそうですね」

 高橋〇人の冒険島、俺もプレイしたことある、あるが。

「なんでトモリさんがそんなこと知ってるんですか」

「ゆっ君の~部屋にあった~ので~?」

「そ、そうですか」

 なんでそのゲーム知ってる人少なそうと思ったのか気になるが、まあいいや。

「でもまあアレはきっと名人が有名だからゲームも有名ですよ」

「ハド〇ンは~……」

「やめてください、悲しくなるんで」

 『バイ、ハ〇ソン』どころかバイバイ、ハド〇ンになってしまったことは悲しい事である。

「でもまあハ〇ソンはボン〇ーガールとか、その意志がまだ受け継がれてるから大丈夫ですわよ」

「そ、そうだな」

 まあ、ハド〇ン関係ないところで作られてるものだけど。

「この話本当に伝わる人にしか伝わらなそうですね」

「です~」

「この企画が本当に危険な企画だとなんとなくわかって来たわ」

 これ、読み手によっては全く面白くない話してないか、俺達。

「次はアイネ? それともユウキですの?」

「私が行きたいと思いますっ」

「おぉ、やる気だ」

 こんな下らない企画でもやる気の妹を見ていつも通り可愛いなと思う。

「この作品は完全に作者の趣味丸出しで出来ていますっ」

「確かに分かる人にしかわからないけども待て!」

 とんでもねぇ爆弾発言をかました妹に待ったをかける。

「駄目でしたかっ? 伝わる人にしか伝わってないと思いますけどっ」

「そうだけど! でもほら、本当の事でもぶっちゃけていいことと悪いことがだな」

「なるほどっ、でももう言っちゃたのでどうしようもないですっ」

「ま、まあ確かに」

 言ってしまったものは仕方ない。仕方ないのだが……。

「俺は今一度この企画大丈夫か、と問いたい」

「なんだか面白くなってるようなそうでもないようないつも通りのグダグダ感ですわね」

「そう言われると本当にグダグダしてるから仕方ない気もするな」

 いつもグダグダしているので今更と言われてみれば今更だ。

「じゃあ最後はユウキですわね」

「俺か……うーん」

 そう言われてもパッと出て来るものなんてなぁ。

「ホラー映画の死亡フラグと言えばやっぱり『すぐ戻る』かなあと思う」

「ホラー映画あんまり見ない人にはわからない台詞ですわね」

「そうそう、すぐ戻るよ、なんて軽々しく言おうものなら死ぬからねアレは」

「他にも色々あるけれど、すぐ戻るだけはなんかインパクトに欠けるセリフなのに死亡フラグですわよね。他にもっとこう『ここは俺に任せて先に行け』とかは分かりやすく死亡フラグだしそれでいてカッコいいセリフだけれど」

「なのにすぐ戻るだけは何故か日常的なセリフなのに死ぬからな」

 この話、ホラー映画よく見る人向けな気がするけど、最近ではこのフラグも色々変わってきているから一概にこれが正しいとも言い切れない。

「伝わる人にしか伝わらない企画、良い感じで終わりましたわね?」

「シュエリアは良いのか?」

「わたくしは良いんですわ。暇を潰せたからそれで」

「お前なぁ……」

 どうやらこれも、いつも通りの暇つぶしでしかなかったようだ。

「急に始めたと思ったら急に終わったな」

「それがシュエリアクオリティってことですわね」

「まあお前らしいと言えばらしいな」

 いつも暇してて唐突に何かをやりだす辺りとか、いつも通りである。

「そんなわけで次は何をしようかしら?」

「次? そうだな……」

 こうして俺らの下らない無駄話は終わり、また次の駄弁りへと続いて行くのだった。


ご読了ありがとうございました!

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次回更新は翌週の土曜日21:00までを予定しております。

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