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娯楽の国とエルフの暇  作者: ヒロミネ
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結局やりますわ

今週分です。そしてすみません、野球します(ルールに関しては素人調べなので違ったらすみません)

「過去の更新見返したらボツったのか書いてあったはずの野球回の更新やってない気がしたから新しく野球をやりますわ!」

「いきなり何を言っているんだコイツ……」

 そういうぶっちゃけた話、しちゃっていいのだろうか。

 っていうか、言ってる意味が多分作者にしかわからないのでは。

「ようは、ボツった話をやり直すと」

「書き直してますわ」

「さいですか」

「さいですわ」

 なら、まあ……やるか。暇だし。

「で、人数は?」

「わたくしを魔法で増やしてもいいけれど……普通に少人数で三角ベースにしますわ」

「あー」

 三角ベース、そんなのあったね。

 知らない人はググってみよう。案外あっさり出て来るから。

 え、知らない人にググらせるくらいなら簡単にでも説明しろって? あぁ……まあそうだよなぁ……。

「三角ベースとは、少人数で遊ぶための野球で、柔らかい球を使ってそれ以外の道具とか無しに素手でやる超ライトな野球のことだ。ベースも本塁と他に二塁分しかない。配置が参画になるから三角ベースとでも思って欲しい」

「何の話ですの」

「簡単な話だよ」

 こっちの話とも言うが。

「ま、いいですわ。それじゃアシェとアイネ、トモリにシオン……六人もいれば丁度いいですわよね?」

「まあ、多分?」

 三角ベースの丁度いいって、何人なんだろうな。

 という訳で人数を集めることになったのだが、三十分後。

 俺達はシュエリアの創った野球界にいた。義姉さんが球場は持ってなかった為である。

「なんか知らない人が以外と居る」

「普通に野球できますわねぇ」

 とはいえ名前は知らないが見た覚えはあるため、恐らくシュエリアの同僚、または義姉さんの持ってる施設のどっかで働いてる人だろう。

「せっかくだから人数揃えてみたよ!!」

「さよで」

 そんなわけでこちらはシュエリア、アイネ、アシェ、トモリさん、義姉さん、イチ、リセリア、アリア、ルリア、エルゥ、リーシェ、俺の十三人。

 相手チームは見覚えはあるけど名前知らない人も含まれているものの、ルンルンやお涼さん等バーのメンツや何故かエルゼリアさんとアシエルさんが居る。なんでだ。

「総揃いなんてアニメの最終回みたいですわね」

「なんていうか、凄いわかる」

 アニメの最終回って無理に全キャラ出て来ることあるよな。何でだろう?

「分かるけど最終回じゃねぇぞ」

「ですわね。野球で最終回とかシュールですわ」

 この作風でそれなら、それはそれでありそうだけど……。

 ちなみに審判は六々ちゃんだ。

「さてそれじゃあ、整列して、プレイボールだな」

「プレイボーイが言うと意味深ですわね」

「誰がプレイボーイか」

 ちょっと嫁が多いだけである。プレイボーイではない。

『プレイボール!』

 六々ちゃんが声掛けしてゲームスタート。

というか今更だが、これ、俺が三角ベースの説明した意味なくない?

「さて、行きますわよ」

「オイ待て四番」

「?」

バットを持って担ぐシュエリアを俺が止めるとシュエリアが何? と言った様子で振り向いた。

「お前は四番だろうが。先に一番からだ」

「最初にエースがホームラン連続で打って完封しようと思ったんですわ?」

「そういうゲームじゃねぇから……」

 何でホームラン打ったらもう一回! みたいなつもりでいるのコイツ。

 ルールも分からないでよくやろうとか言い出したなこの阿保。

 というか、一応コールしてくれる人が要るハズ。義姉さんなら用意しているはず。

「一番、アシェ、アシェ・ハーラルド」

「声がひーちゃん?!」

「うわっ! ビックリしますわ。でかい声出すもんじゃないですわ」

 まさかのひーちゃんボイスでウグイス嬢って、夢の再現?!

「何、なんて言う奇跡だ」

「わたくしの魔法見た時ですらその反応しなかったですわよね……」

 確かに、本物の奇跡を見ても俺はなんというか「あぁ、シュエリアがまたなんかやってんな」としか思わなかったな。

「さて、じゃ、アシェ行ってこいですわ」

「言われなくても場外までカッ飛ばすわ!」

 そう言って向かったアシェだが、なんて言うか、うん。

「ストライク」

「トライク」

「ライクっ! バッターアウト!」

「なんでよ!! 全然バットが手に残らないわ!!」

 三振して三回ともタイミングがバッチリとズレてる上に毎回バットが手からすり抜けてどっかに暴投されて行くと言う始末。なんだこのポンコツは。

「仕方ないですわねぇ。次ですわ」

 次、と言われてボックスに向かったのはアイネだ。アイネなら大丈夫だろう。

 相手は、うん? ピッチャー、あれ?

「今更だが、ピッチャーがアシエルさんなんだが」

「ですわね?」

「あの人結構な速度の球投げてたよな」

「ストレート百四十三キロ出てましたわね」

「クッソ速いじゃん」

 そりゃ打てないわ。ってかアシェがあんななのに、親は優秀なのか……。

「一応行っとくけど、私は錬金の才能一極振りだから。多才な母様とは違うから」

「それにしたって酷い差ですわね」

「ぐふっ!」

 見事に母娘対決で大敗したアシェに追い打ちが入った。

「アイネが勝ってくれるわ!」

「まあ、そうだな」

 アイネならその程度の速度、どうともならないわけがない。

 そう、思っていた。

「カンッ――コロコロコロ……バッターアウト!」

「にゃっ」

 アイネの打った球はピッチャーゴロ。キレイに取られてしまった。

「アイネにしては飛ばなかったですわね?」

「コロコロの方が可愛くないですかっ?」

「アイネ、あざといの出てますわよ」

 どうやらそういう理由だったらしい。

 こっちのチーム、勝てるのかね。

「次は三番か」

「あらぁ~」

 この中で実は一番戦力として期待されている人物。スリーアウトを防ぎつつシュエリアに回す為の三番。トモリさんである。

「よろしくお願いします」

「! ……はい」

 俺がお願いすると、トモリさんが一瞬驚いた後、嬉しそうに顔を引き締めた。

 どうやら俺にお願いされたのが嬉しかったらしい。気合十分だ。

「これで一塁は確定だな」

「そうでもないと思いますわよ……ほら」

 何故かシュエリアが俺を呆れた様子で見ているんだが、何だろう。

 そう思い「カキーン」と良い音のしたマウンドを見る。球は……あれ?

『ホームランです!!』

「なん、だと」

 六々ちゃん、マジか、マジなのか?

 どうやらトモリさんはホームランをかっ飛ばしたらしい。

 そういやトモリさん、ステータスは身体能力全振りレベルだったな……。

「いえ~い」

「ハイターッチ」

 なんかテンション高めに間延びして帰って来たトモリさんをハイタッチ出迎える俺。

 なんかトモリさん可愛いなぁ。ホームラン、気持ち良かったのかな。

「それで、次はわたくしですわね」

「だな」

「ホームラン一択ですわ!」

「さよで」

「さよですわ」

 まあ、コイツならそうだろう。そう、だろうが。

「ボール」

「ボール」

「ボール」

「ボ――」

「はぁ?!」

 まあ、そうなるよな。

 ピッチャーはあのアシエルさんだ。トモリさんに関しては知らなかったとしても、シュエリアの能力は知ってる。ならわざわざ戦う訳がない。ボールで流してしまうという訳だ。要は故意四球だ。敬遠ともいう。

「何なんですの、あの悪女!」

「アシェの母親だからなぁ」

「ちょっと、それじゃ私が悪人みたいじゃない」

「違うのか?」

「基本的には良い奴よ。まあ、ちょっとお茶目するけど」

「お茶目ねぇ……」

 まあ、確かに悪いことしてるのは見た事無い。昔は知らんけど。

「てことで次のバッターは……」

「あたしだな!!」

「イチかぁ」

 不安感しかねぇ。勢いで振って外す感じしかしない。

 そして。

「ストライク! バッターアウト!!」

「はっ! 気づいたら終わってる」

「はぁ……」

 どうやらイチ、ボールを目で追うのが楽しくなってしまったようで、バット一切振らず。尻尾ばかり振るわんこ。

 アウトを貰ってちょっと申し訳なさそうに帰って来るイチにアイネが仕掛けた。

「犬の性でしょうかっ」

「犬じゃねぇしっ!!」

 なんかアイネとイチがわちゃわちゃ騒いでる。仲いいな。

 しかしこちらはもう三アウト。攻守交替だ。

 ちなみにこの後、ピッチャーはシュエリアである。

 キャッチャーは俺だ。下手したら死人が出るからな。

「で、一番手からアシエルさんか」

「ふん、目にもの見せてやりますわ」

「お前……やめろよ?」

 なんか嫌な予感がしたので止めておく。

「何をですの?」

「直球とか」

「……やらないですわよ?」

「ホントに?」

「…………スパゲッティモンスターだか何だかに誓って」

「絶対やるじゃんそれ」

 それ完全に信頼あるものや尊いものに誓ってない奴だ。

「行きますわよ……必殺! 殺人デッドボール!!」

「名前からしてアウト!!!!!!」

 俺はシュエリアが投げる前にアシエルさんの事をその射線からどかしてボールを受け止めた。

「お前阿保か!!! 露骨なデッドボール狙いとか即退場だぞ?!」

「ぶー。だって露骨にボールで流されたから~仕方ないんですわ~」

「お前なぁ……」

 反省の色無しか……いやまあ、技を叫ぶ段階で俺が止めるのも計算してたんだろう。

 それに本当に殺す気なら、俺が止めて生きてるわけない。直線状に全てが滅ぼされるレベルのボールが飛んでるはずだ。

「ピッチャー交代!!」

「しゃあないですわねぇ」

 ということでピッチャーは肩があって、下手糞じゃなさそうな人……かつ普通に投げてくれそうなトモリさんになった。

 手加減には不安があるが、まあ仕方ない。

 ちなみに、とても今更だがみんな野球のユニフォームなのでトモリさんだけ和服で投げにくいとかはない。

「いき~ます~」

「トモリさん、言わなくていいんですよ」

 わざわざ言わなくてもいい。盗塁の警戒とかあるから投げる投げないのタイミングだって重要だからだ。

 何せアシエルさんはデッドボール扱いで塁に出てるし。

 バッターはお涼さんか。なんかバットのあたりが持っているっていうか、浮いてるけど……気にしないでおこう。

 そう思い、トモリさんの投げる弾に気を付ける。危ねぇから。

「ズドンッ」

「ガッッ」

「ゴドッ」

「三振、バッターアウトー!」

 六々ちゃんがそう告げる頃には俺の足腰ガックガクだった。

 受ける俺の体にダメージデカすぎだろ。

 そう思っていたのだが。うん? なんか、平気に、大丈夫になってる?

「ちょっとタイム!! 誰だ俺にリジェネ掛けてる奴」

「わたくしですわ」

「お前だろうね」

 言っといてなんだが、コイツくらいしかいない。アイネもわずかに可能性あったけど、あの子基本的には火力ぶっぱしかできないからな。多少の回復はできるが。

「体バラバラになりかねない威力抑えて痛いの少しの間だけとかどんだけ強い回復掛けてんだよ」

「クレイ〇ーダイ〇モンドくらいですわね」

「超すげぇじゃん」

 それをリジェネでって、えっぐいなぁ。

「これ今だけ?」

「実は日常から掛けてますわよ。ユウキにまた死なれたら世界を壊しかねないでしょう、わたくし」

「そうだな」

 うん、コイツやる。やりそう。凄く。

 余りに簡単に想像できて言うことないわ。

「だからですわ」

「まあ、助かるけどさ」

 さて、後は続く球も受けますかね。

 そう思い、キャッチャーに戻る。

 次のバッターはエルゼリアさんだ。

「こんにちは、ユウキくん」

「は、はい、お母様」

「あらあら、そんなにかしこまらないで? あの子の旦那さんなんだから」

「すみません、俺なんだと思われてるんでしょう」

「粗暴で見た目だけいい娘の見た目に引かれた駄目な部分よりルックスの夫?」

「すげぇ偏見で見られてるじゃん。違いますよ。シュエリアは性格以外も可愛いです」

「駄目な子程可愛いってことかしら……」

「……大体あってますね」

 ちょっと意味が違うんだけど、大体あってもいる。

 てかここで話ことじゃない。

 何せその間に球、二球過ぎてる。

「じゃ、そろそろ――えいっ」

「カキーンッ」

「えっ?!」

 なんとエルゼリアさん、あっさりトモリさんの球を打ち返した。

 そしてその弾は外野席ギリギリまで飛ぶものの、アイネにキャッチされてしまい、アウトとなった。

「あらあ。残念。ユウキくんは本当に女性に恵まれているわね~」

「俺の何かが勘違いされそうな発言だ……」

 俺が何したってんですか……俺、変な奴だと思われてない?

 とまあ、それはそれとしてアイネはナイスだった。アレを取れるのはこの超常の存在達の野球ならではだな。

 そしてその後もこの野球ほとんどボールかホームランは続き。

 結果的にどんな球もホームランにして褒めて欲しそうに返って来る魔王のおかげで勝利で終わったのだった。

 ちなみにアシェは一回だけピッチャーで消える魔球とか言って球がただすっぽ抜けて地面を転がったので止めさせられていたりしたが、まあ全体的には皆で楽しい野球を楽しんだのだった。


ご読了ありがとうございました!

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次回更新は来週金曜日18:00までを予定しております。

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