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娯楽の国とエルフの暇  作者: ヒロミネ
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小話:例のアレですわ

いつも通り不定期かつ短いです。

「今更だけれど、これって何のパクリだったんですの?」

「ん?」

 いつも通りシュエリアの部屋でゲームをしていると、不意にシュエリアが訪ねて来た。

 これってなんだ。パクリ?

「これですわよ、これ」

「あ? あぁ」

 シュエリアが指差しているのはシュエリアに誕生日にプレゼントした髪飾りだった。

「どっちのパクリですの?」

「どっちとか」

 そもそもパクったつもりは無いのだが……いやしかし……うん。

「ユウキどっちも好きですわよね。でも、強いて言うなら、ゲー〇ーズですの?」

「いやいや、天道さんは某ゲームで武器に十字キーがな? どっちかと言えばネプ子だろ。それにほら、気づいたの送った後だから、後で『あ、そういえばこういうデザインもう既にあるな』って。断じて意図的ではない」

「気づかないうちに人様のネタをパクるとは、常習犯じみた供述ですわね」

「そんなつもりはないが……」

 ま、まあ、これはほら、ゲームの十字キーでもPS寄りだし、多分あれとは若干違う……多分。

「まあいいけれど……来年は槍でもくれるんですの?」

「今度こそ天道さんをパクるみたいなノリは無いから! 来年はもっといろいろ考えて被らんようにするわ!!」

「あそう……? まあ、それならそれでもいいけれど」

「なんでちょっと残念そうなんだ」

 もしかして一種のボケとして期待されていたのか? 俺にボケを求められても困るが。かといってツッコミを期待されるのも困るか。

「そうだ他のプレゼントはどうしたんだ?」

「どうしたって、何ですの」

 俺の言葉に目を逸らすシュエリア。

「いや、使うって言ってたからさ、どうなのかなーって」

「つ、使ってますわよ?」

「へぇ。使い勝手とかどうなんだ」

「凄いグイグイ来ますわね?! アレの使用用途わかってて聴いてんですの?!」

「そりゃお前……」

 まあ、アレだろ。あの、ソロプレイ的な。

「そうですわよ! なんでそれ聴けるんですの?!」

「夫だから?」

「便利ですわねぇ夫!!」

 まあ正直、夫だから妻のそういう事情を聴取していいかと言われたらノーなのだが、相手がシュエリアの場合はありかなぁと思ったりもする。

「ま、まあ、良い感じですわよ。アレはあれで、ええ」

「そうか。でもあれって俺のシャツだけどアイネが使ってたんだし、アイネの匂いするんじゃねぇのかな」

「あぁ……なんかアイネ、ユウキの香りがする香水持ってましたわよ」

「義姉さんまだそんなもんアイネに流してんのか」

「即座に犯人にされる辺りシオンって信用無いですわね……」

 シュエリアはそう言うが、俺は信じてるぞ。義姉さんが変態でストーカーでヤバい人だって、信じているとも。

「ゲームの方はどうだ?」

「あー……アレですの? アレは、正直言って起動するのに使う電気代が阿保程高いから、ちょっと手を出すのが躊躇われますわね」

「あぁ……」

 そういやアレってフルダイブ系のハードだったか。電気食うんだ。そりゃちょっとなぁ。

「まあ電力くらい魔法で賄っていいから、その内やりますわ」

「それもそうか」

 コイツなら魔法でそういう事もできるか。なるほどなぁ。

「いっそシュエリアが居たら光熱費掛からないな」

「働きたくねぇですわ」

「そう言うと思ったよ」

 まあコイツにその辺賄ってもらったら、元よりは安くても金持ってかれそうだし。シュエリアも面倒かもしれないな。

「……ユウキ」

「ん?」

「今年はユウキの誕生日会もやりたいですわね」

「お? おぉ」

 別に俺は誕生日とか気にしてないんだけど……まあシュエリアはイベントとか好きだし、やりたいならやってもいいか。

「楽しみにしてていいですわよ」

「まだ随分先だけどな」

 俺の誕生日、十二月だし。

「むしろ楽しみですわ!」

「さいですか」

「さいですわ」

 まあそれでも、シュエリアがこう言ってるし、何よりコイツがちょっと楽しそうにしているから、忘れない程度に楽しみにしておくとしよう。


ご読了ありがとうございました!

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