温水ですわ
「プール行きたいんだけど!!」
「「あん?」」
いつも通りシュエリアの部屋で朝っぱらからダラダラくつろいでいると、アシェが勢いよく入って来て、この寒い時期に頭の悪いことを言い出したもので、ついシュエリアと同時に邪険にしてしまった。
「アシェ、まだ春じゃないですわよ」
「プールは夏に行く物でしょ?」
「冬に言い出した馬鹿がそれ言うんですの?」
「そうだぞアシェ。今のは春でもないのに頭ホカホカなのかって意味だ」
「アンタら私に対する当たりが横綱並よね」
そこまで当たりは強くないと思う。せいぜいドッジボールくらいだ。
「っていうか、プールはプールでも温水プールに行きたいのよ」
「あぁ……温水」
体がガチガチに冷えない程度に生ヌルいような、ほんのり冷たいような、あの温水か。
「なんでプールなんですの。泳げない癖に」
「なんで泳げない前提なのよ」
「泳げるんですの?」
「……泳げないけど」
「泳げないんかい」
それじゃあ何しに行くんだコイツは。
「何したいんですの? 馬鹿なんですの?」
「違うわよ! トモリがね、海に言った話をしてたの。そしたら『ゆっくん~は~エロい目~で~水着~をガン~見~してました~』って言うじゃない?」
「オイ待て、誰がいつそんなことした」
そんな覚えない。……ないぞ。
「トモリの恰好がさながらいかがわしいアレみたいだって言いながら嬉しそうに見てたって聞いたわ」
「それ義姉さんの所為だし!! 俺は別にそんな……」
いやまあ、海辺で正座でスク水ツインテのトモリさんを見て、いかがわしさは感じたけども、嬉しそうに見たりはしてない。面白そうには見てたかも知れんが。
「それを聞いて思ったのよ。私もユウキの水着をまじまじエロい目で見たいし、見たいなぁって」
「うん……うん?」
今コイツなんとおっしゃったかな。
「見たい? 見られたいでなく?」
「私がユウキの体、もとい筋肉好きなの忘れたの?」
「あっ……」
そう言えばコイツそういう趣味あったな。
「別にそれならプールじゃなくても――」
「暇だから行きますわ」
「おぉ?」
断ろうと思ったら、何故だかやる気になっている嫁にカットインされてしまった。
「ユウキだってわたくしの水着とか見たいでしょう?」
「え? あー、まあ」
「そこはもうちょっと乗り気でもいいんですのよ。それとも水着姿に関して言えば、トモリが見たいってことかしら」
「面白いモノ見たさ的な意味ではそうなるな」
「すげぇ素直ですわね。そして女性の水着姿を面白映像感覚で期待するんじゃねぇですわ」
「いや、絶対面白いって」
確実にトモリさんならやってくれるはずだ。やらかしてくれるはずだ。
「なんかユウキってたまにシュエリアからの汚染率がとてつもなく上昇してるわよね」
「どういう意味だ」
「いや、いつもならトモリ辺りがやらかすのを気にして面倒がるのに、やけに乗り気だし」
そう言われてしまうとそうかも知れない。いや、でも、暇だし。
……あ、こういう所か。シュエリア汚染。
「ユウキはただ本能に忠実なだけですわ」
「言い方。いや、肌面積多めなのは期待してるけど」
「素直ねアンタ……」
「嘘吐いたってわかるしな。目が口より意思表示してしまう」
「下半身はむっつりなのに」
「アシェお前……」
とんでもねぇこと言いやがるなコイツ。シュエリアは何故かツボってゲラゲラ笑ってるし。なんてエルフ共だ。
「アイネと義姉さんにも声かけたか?」
「まだよ。ってかトモリにも話してないわ」
「じゃあトモリさんにはアシェから言ってくれ。俺はアイネに声かける。シュエリアは義姉さんを迎えに行ってくれ」
「シオンは来るの前提なんですのね」
「あの人が断ると思うか?」
「無いですわね」
「だろう」
少なくとも俺が他の女性、しかも薄着の女性に囲まれる状態であの人が俺の傍に居ない訳がない。さもなくば出先が人払いでもされたかのようにスッキリしてるかもしれないが。
「ってことで準備もあるし、一時間後集合な」
「オッケーですわ」
ってことで俺はさっさとアイネを呼び出した。
「お呼びですか兄さまっ」
「なんか手を叩くと来るのってホントほっこりするなぁ」
うちの妹は相変わらず愛猫の頃のごとく俺からの合図を何処からか聞きつけて素早くやって来る。
その懐き具合というか、真っすぐに慕ってくれてるところが凄く可愛い。
「スマホでも連絡出来るのにこうやって猫扱いされるとなんか兄さまの所有物って感じがしてゾクゾクしますっ」
「なんかいつの間にかうちの妹に変な性癖付いてんな……」
俺があんまり猫扱いしたせいかうちの妹が変になってしまった。
いや、元からかも知れんが。
「それはともかく、皆で温水プールに行こうって話になったぞ」
「プールですかっ……それは泳ぎに行くんですかっ、それとも視に行くんですかっ」
「両方だよ」
「分かりましたっ。兄さま好みの水着選びをしますっ」
「う、うん」
いや、正直に言えばそこまで俺に合わせなくていいんだけど。
なんかそれだと俺がそういう目的をメインにしてるみたいだし。
「とりあえず一時間後にシュエリアの部屋集合な?」
「任せてくださいっ!」
「……おう」
なんか、心配になって来た。俺の妹変になってないか?
とりあえず俺もとっとと準備してシュエリアの部屋で他の連中を待つことにしよう。
「で、本当にキッチリ一時間使って来るのな……いつも早いのに」
「そりゃ当然でしょ。見られる場所に行くんだから」
そう言ったアシェを始めに、皆何故か水着以外の所までバッチリ準備済みだった。
主に違うのは髪型だろうか。皆オシャレしてる。なんでだ。
「こんだけ美少女の集まった集団で行くのだから絶対にガン見されますわ。そうなればいつも以上に気も遣うというものですわね」
「お前が? 気を遣う? 言葉の意味間違ってないか?」
「ぶん殴りますわよ」
「待て待て待て! わかったごめん! 気遣いありがとう助かります!」
「……なーんか最後違うっていうか、投げやりですわね。まあ、いいけれど」
危ない危ない。いつもながら下手なこというもんじゃないな。
にしてもシュエリアでも人に見られるのを気にして身支度したりするんだなぁ。
コイツの場合自分がすこぶる美人なのがわかってるから敢えて着飾らない方だと思ってたが。
「というかまあ、わたくしの場合はただ暇だったから弄っただけなのだけど」
「本音言っちゃったよ」
じゃあ気遣い云々はなんだったんだ。
「私は兄さま好みにしましたっ」
「うん、可愛いな」
なんかいつも以上にふわっふわした髪に仕上がってる上にツインテールだ。
なんか小さくて白くてふわふわでツインテって可愛いな。愛玩動物っぽい。
「アシェはポニテなんだな」
「カッコいいでしょう」
「うん。トモリさんの方が似合ってるけど」
「え、私のターンにトモリが被って来てしかも負けるの……?」
シュエリア、アイネと来て自分が見られる番と思っていたアシェがショックを受けて四つん這いだ。
こういうノリがいいから、つい弄りたくなるんだよな……。
「トモリさんのポニテは雰囲気から変わってカッコいんだよなぁ」
「ありが~とう~ございま~す~」
「なんでトモリもポニテなのよ!」
「他に~アレンジ~も~思いつ~かないので~?」
「もっと複雑なのにすればよかった……!」
まあ、アシェとトモリさんではカッコよさの質というか、種類が違うからこれはこれで見てて面白い構図なんだけどな。
「で、義姉さんは何のつもりだ」
「え? 何のって?」
首を傾げた義姉さんは思いっきりツインテールだった。
「アイちゃんと同じツインテだけど」
「アイネと一緒にするな」
「お揃いは駄目?」
「そうじゃない。アイネと義姉さんのツインテを同列に扱うな。アイネが可哀そうだろ。泣いたらどうする」
「そんなに?!」
この人のツインテールからは邪な気配しか感じない。絶対他意がある。
「なんでツインテールなんだよ」
「ゆう君が海でトモちゃんのツインテをエロい目で見てたから?」
「ほらこれだよ。そんな目で見てないし。アレはツインテを見てたんじゃなくてサイズ感に似合わないスク水を見てたんだよ」
「見てるじゃん……」
まあ見てたけど。でもツインテを見てたわけじゃないし。
にしてもいい年した義姉のツインテか……ちょっとなぁ。
「とりあえずいつものサイドテールで良くないか」
「それはいつものお姉ちゃんが好きって言う?」
「じゃあそれで」
「もー、照屋さん!」
「……それな」
「ツッコミ放棄しましたわね」
シュエリアからしたらツッコミが仕事放棄した感じなんだろうけど、ここで俺がツッコむとこの人は永遠とボケそうだからスルーしたのだ。放棄ではない。戦略的撤退だ。
「とりあえず全員分ターンも回ったし次行きますわよー」
「お、おぅ」
なんか進行がメタい上に実はシュエリアの髪型には触れてないけど、まあいいか。サクサク進まないとな。
そんなわけで温水プールに行くのだが。これも義姉さんが所有している温泉と併設されている、要はスパがあるらしいので、そこに行くことになった。
移動は面倒だからシュエリアの転移で義姉さんに教えてもらった裏口から入場ということになった。
「はい到着ですわ」
「ホントにインチキだな。情緒とかなんもない」
「歩いて来てもいいですわよ?」
「いや、ホント最高だな。人類の進化を感じる」
「人類の進化は関係ねぇですわ」
まあやったのシュエリアだしな。人類は関係なかったな。
「それで、ここからどうするんですの?」
「このスタッフ用の部屋から伸びてる通路は各施設にアクセスできるからここで着替えて移動して良いよ?」
「……それ水着姿で変な場所に出たりしないですわよね?」
「大丈夫、ここ基本的に水着で行動するように出来てるから」
「そうですの? まあ、それなら」
義姉さんの言葉を信じていいのかわからんが。まあ、流石に義姉さんだって同じ条件で行動するわけだし、下手な嘘も吐かないか。
「それじゃあユウキ、着替えるからあっち向いてろですわ」
「むしろ同室でいいのか」
「まじまじ見られなければいいですわ」
「つまりチラ見はありだと」
「いいですわよ」
「……おぉ」
何という寛大な嫁だろう。感謝しかない。
「さてそれじゃ着替えるか……」
とりあえず後ろを向いて着替え始めた俺だが、男の着替えとはざっくりしたもので、脱いで履くだけだ。つまり時間が余る。
となれば許可も出ているし、ここはさっそくチラ見するべきだろう。むしろしなければそれはそれで美しい女性に失礼というものだ。
……なんかいい訳が女好きなイタリア男な気がする。
「チラッ……つぉ?!」
「どんな声ですのそれ」
「いや、それよりお前!」
「じろじろ見んなですわ。ほら、チラッとですわ」
「お、おぅ……」
俺がチラッと振り向くと、他のメンツが他所を向いたりお喋りしながら着替えているのに対し、シュエリアだけ思いっきり俺を見て着替えていた。
なのでその、思いっきり前が見えた。
「なんでこっち向いて着替えてんのお前」
「チラッと見たときにチラ見以上の絶景があったら驚くかと思って」
「うん、その発想には驚いた」
どうしたらそんなことを考えついて、行動に移そうと思うのか。阿保なのか俺の嫁。
「あのな、チラ見は見えそうで見えないとか、ちょこっとしか見えないところに期待感と高揚感があるんだよ。全部見えたら意味が無い」
「覗きをマジで語るわたくしの夫って……」
なんか凄い呆れ顔で俺が変態みたいに言われてる気がする。俺はただ一般論を述べただけなのに、心外だ。
「他の連中を見てみろ、こんな話を横でされてるのに気にせず着替えている。これはな、覗かれてもいい、むしろ気づいてないですよっていうフリなんだよ。これが粋ってものだ」
「それはそれで心外だと思いますわよ」
そうだろうか? こんな話横でしてたら普通気にするだろ。それを敢えて無視ってことは、覗かれ待ちだろ?
「アレはどちらかと言うと、あいつらがまた馬鹿やってるから無視しようって感じですわ」
「何だろう、今納得しかけた自分に悲しくなったぞ」
そんなことは無いと思いたい。主にアイネにそんな風にシカトされたら悲しくて立ち直れない。
「それより、着替えも終わったしさっさと行こうぜ。こんなところでいつまでも半裸で居ても仕方ないだろう」
「半裸て。水着ですわ。半裸じゃねぇですわ」
「同じようなもんだろ。特に男の水着なんて」
「……まあ、そうですわね」
シュエリアが俺を見て若干納得した様子だが、同時になんかちょっと憐れまれてる気がするのはなんでだろう。
「にしてもシュエリアはまたシンプルな水着なんだな」
俺達は皆の着替えが終わったのでプールサイドまで義姉さんの案内で出て、そこでとりあえずゆっくり出来る場所を取ることにした。
ここは敷地からしてかなり広いので中の温水プール施設もとても広々としており、客がビニールシートや簡易テントで場所取りすることも許可されている為だ。
「まあテントとか無いんだけど」
「アシェが出せますわよ」
「アンタも出せるでしょ……まあいいけど」
そう言いながらアシェは錬成したであろうテントを設置した。
「アシェの水着姿って初めて見るな」
「うん? そうね。わた……私もユウキのふふふへへ。水着姿ぐふふ、初めてみるわでゅへへ」
「おい気持ち悪いぞアシェ」
この女、俺の水着、もとい半裸姿の体を見てデュフデュフしてる。いくら美少女でもここまで来ると気持ち悪いな……。
「……この水着似合ってない?」
「そっちじゃなくて態度がな、キモイ。水着は似合ってるよ」
とりあえずアシェの水着はビキニタイプで、赤に黒のラインとフリルの少量入った水着だ。コイツ赤とか黒好きだなぁ。
「わたくしは?」
「お前は……水着よりシュエリアがな、目立ち過ぎて。美人って大変なんだなぁと」
「水着が地味ですの?」
「まあ、うん。でもそういうのでも見栄えがいいのってやっぱり元がいいからだよな」
「ふふんっ。ユウキも下げて上げるなんて妙な誉め方しますわね?」
シュエリアの水着は白に緑のラインが入っただけのシンプルかつ派手ではないビキニで、まあ至って普通というか、特に見映えするものでもないのだが、それでも目を引くのはやはりシュエリアのスタイルの良さと抜群のルックスが理由だろう。相変わらず見てくれだけは最高の嫁だ。
「そしてユウキ、今の話を聞いて褒めて欲しそうなのがまだいますわよ」
「うんまあ、そうなる気はしてた」
この流れは恒例の全員構うパターンなので、後三ターンくらいはあるはず。
「さて、そこで一つ言いたい。アイネにこの水着を選んだのは誰だオイ」
正直これ、更衣室でチラッと見えた段階でツッコむべきか迷ってたんだけど、ここまではタオルで隠してたし、もしかしたら見間違いかとも思っていたんだが、こうなっては仕方がない。兄として妹のこういった姿はちょっと容認できない。
「お姉ちゃんだよ!」
「死ね」
「え゛っ?!」
俺のストレートな暴言に義姉さんが驚愕。しかし俺からしたら非常にシンプルな答えだ。
「なんでアイネにあんなもん着せた」
「えー、アイちゃんがゆう君にドキドキして欲しいって言うから」
「違う意味でドキドキしたわ。はよ着替えさせて来い」
「うぇー。しょーがないなぁ」
そう言って義姉さんはアイネを連れて更衣室に向かった。
ちなみにアイネの水着は範囲極狭のマイクロビキニだった。あの容姿でアレは完全な犯罪だと思う。
というかアイネは以前海に行ったときは露出の多い水着であたふたしていたと聞いたのだが、なんで今回はあんなの着ちゃったかな……。
「そして義姉さんの水着はなんでスク水なんだ」
「あれはスク水に似せた競泳水着らしいわよ?」
「いやそれどう違うんだよ……」
実際の所どう違うのか、ちょっとだけ興味がある、知識欲的な意味だが。
「で、トモリさんはガッツリ競泳水着なんですね」
正直、トモリさんには面白展開を期待していたので余りにも普通……いや、プールでこれは余り普通では無いが、普通なので若干肩透かしを食らった感じだ。
「ゆっ君が~好き~だと~?」
「誰がそんなことを」
「シオン~さんが~」
また義姉さんか……まったく。
「義姉さんにはあとでラーメンでも奢ってやるか」
「ユウキってブレないですわね……」
なんかシュエリアに蔑まれている気がするんだけど。何故だろう。
そもそも義姉さんに対する態度的にはブレブレなんだが、シュエリア的には違うのだろうか。
「っていうかユウキはそういうの好きなの?」
「うん? 露出が極端に多くなく、それでいて競泳水着であるという大義名分の元に惜しげもなく体のラインがはっきり出るピッチリとした造り、洋服などには無い材質から来る光沢。いかがわしいモノではなくむしろ正式な競泳用であることが逆に興奮を掻き立てる。何より水に濡れることを前提にした材質故に、濡れれば透けてビタビタと張り付く一般着には無い、違った濡れ姿はとても良い物だと思う。そして個人的にはその手触りは他にない独特の高揚感をもたらし、香りもまた――」
「恐らく今作一番長いセリフが競泳水着の良さって、アンタ本当にそういうところよ」
なんかアシェにまで汚物を見るような眼を向けられてるんだけど。なんでだ。
「兎に角、これは、いいものだ」
「気にい~って~頂けて~よかったで~す~」
「トモリもトモリでこんなのに気に入られて嬉しいとか大丈夫ですの……?」
「こんなのとはなんだ。お前だって褒めた時嬉しそうだっただろ」
「こんなキモい褒められ方したら流石に引いてたと思いますわ」
「アシェは」
「流石に無いわね」
「ぬぅ……」
好きな物を好きと言えない世の中って悲しいな!
「で、戻って来たアイネは結局ビキニなんだな」
「駄目ですかっ?」
「いや、可愛い」
一見すると黄一色の水着だが、ヒモの部分が茶色でほんのり大人っぽさもあるような水着だがいかんせんサイズがサイズなので子供が背伸びしてる感がある。
まあ、それが可愛いんだが。
「そして義姉さんは何故セパレートタイプに変わった」
「いやあ、よく考えたらトモちゃんと被るし、被ったら絶対負けるじゃん?」
「言ってて悲しくならないかそれ」
なんか自信満々に言ってるのが余計に痛々しい。
「大丈夫、同じ土俵に立たなければ負けないから、戦わなければ負けじゃないから」
「聞いてて悲しくなってきた……」
ドヤ顔で言ってるけど、全然大丈夫じゃないぞ、それ。
「まあま、そんなことより早速遊泳を楽しもうよ。お姉ちゃんも色々準備したしさ」
「ほう」
色々準備を……か。
「それじゃ、行きますかね」
なんか義姉さんの言う色々って言うのが不安だが、まあ『この人』は大丈夫だろう。どうせいつものように下らない事しかしないだろうし。
むしろ問題なのはエルフ二人と魔王だ。何をしでかすか分かったもんじゃない。
今更ながらこのメンバーで水場に近寄ったことを後悔しながらも、俺は阿保共がやらかさないようにしっかりと見張ることにした。
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