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娯楽の国とエルフの暇  作者: ヒロミネ
108/266

結局何しに来たんですの?

「で、イチは結局さ、なんでこっちに来たんだよ」

「えっ」

 普通のパフェを持って帰って来たイチに、今更ながらの質問をする俺。

 そしてそれを興味あるのか無いのか、パフェを食いながら見ているシュエリア。

 ……てかそれ俺のじゃん。

「なんでって……それは……その」

「はっ、これは何かやらかしたヤツですねっ」

「やらかしてないわ!! ただ……その、ちょっとだけ、偉いおっさんと揉めて、勢いで仕事辞めちゃって……そしたら思ったより行き場が無くて……」

「……やらかしてんじゃねぇか」

 まあ職場で揉めるのはあるとしても、勢いで辞めちゃマズいだろ……。

「それでアイネを頼って来たんだよな」

「まあ、そうなるかな」

「ってなると寝床とかはどうしてるんだ?」

「家か? 最初は公園で寝てたんだけど、そしたら親切なおじさん達が青い家の作り方を教えてくれてな! 結構快適に暮らしてるぞ!」

「え……あ、うん」

 ……これは、知らない方がいいんだよな、多分。本人がいいのなら……。

 正直女の子がそんな暮らししているのは普通の女子相手なら気になるし、どうにかしてあげたくなるんだが、まあこの世界でイチがそこらの一般人にどうこうされることも無いだろうし……本人が困っているようなら、その時助けよう。

「で、もう一つ今更なんだけどさ」

「なんだ? 手遅れな人」

「まて、確かに今更な話を続けているが、手遅れではない。まだ間に合うから、ドリンク持ってこい」

「なんで命令されなきゃいけないんだ?」

「注文したからだよ!!」

 パフェのボケの所為ですっかり忘れていたが、ドリンクも頼んでいたのだ。

 今の所ド〇しか届いてない。

 コイツに頼むのは不安感はあるけど、注文したからには欠品は困る。

「仕方ないなぁ。この面倒見のいいイチさんがやってやるよ」

「……おう」

「凄いですわ、ユウキが色んなツッコミを我慢して薄ら笑いで対応してますわ」

「兄さまは大人ですからね、子供の戯言程度は聞き流せるのですっ」

「ツッコミの放棄……ボイコットですわね」

「俺のツッコミは仕事なのかよ」

 別に聞き流したのでも我慢したのでもない。単にどうツッコもうか、というかどこからツッコんでいいのかわからなかっただけだ。

「それでさ、アシェにも聞きたいんだけど」

「あによ」

「なんでテメェはケーキ食ってんだよ」

「……もぐ。ん、お腹空いたから?」

「そうか、一応言っておくけど、自腹だよな」

 さも当然のように同じ席で食いやがって、仕事中だろコイツ。シュエリアもだけど。なんなんだコイツ等。

「シュエリアとアイネ、トモリに奢って私には奢らないの? 差別?」

「区別だよ。シュエリアは馬鹿だし、アイネは客として来てるし俺の妹、トモリさんは……トモリさんだから良いんだよ。お前はまともなんだから自分で払え、ってか仕事中に客の前で飲食すんな」

「私以外は諦めてるわよね、それ」

「アシェだけはまともじゃないと困る」

「そう言われると自分のキャラ的にどうかと思うけど……まあいいわ」

 まあ確かに、悪の令嬢的立場で出て来た割に、いつものメンバーの中じゃかなりまともな部類だしな……トモリさんは頼りになるときとボケてる時あるし。

「じゃあまあ、ケーキは今回だけユウキの奢りってことで」

「今回だけって……次もありそうで嫌だな。……まあ、いいけど」

「ユウキ、そーいうとこですわよ」

「何が」

 俺に何か文句と言うか、講義と言うか、言いたいことがありそうなシュエリアに目を向ける。

「結局のところ甘いから、周りがユウキに対して甘えるんですわよ」

「……そんなことないだろ」

 俺が誰かに甘えられたような記憶はない。

 迷惑かけられたり阿保な事に巻き込まれた記憶は十分あるが。

「自覚してないんですのね。まあ別に、いいけれど。付け込まれたくなかったら気を付けるべきですわ」

「付け込むって、そんな奴いないだろ」

「……はぁ、なんか心配になりますわね」

「お前に心配されるのなんか癪なんだが」

 おかしいな、俺はコイツよりはしっかりしていると思うんだが?

「それにしても、イチって結局仕事探しに来ただけなんですのね」

「そうだな、面倒事かと思ったけど、普通だったな」

「異世界から仕事探しに来るのが『だけ』で『普通』なのがもうおかしいわよ」

 俺とシュエリアの会話にツッコむアシェに、言われてから確かに、と思った。

「お前らの所為で俺の常識が歪んでいく気がするわ」

「わたくしの所為なんですの? ユウキが順応し過ぎてるだけですわよ」

「それは同感ね。ユウキはなんでも受け入れすぎなのよ。そういうのが甘さに繋がってるのね」

「そうか? ただなるようにしかなってないだけだと思うけどな……」

 まあでも、そういう意味では大抵のことは受け入れている気がするな。なるようにしかならないと言うか、何というか。

「まあ~でも~ゆっくんの~いいとこ~ろ~ですから~」

「そうですねっ、兄さまの懐の深さは長所ですっ」

「良いところだけど、懐云々はなんか違う気がしますわね」

 なんだかんだ言われても一応、良いところという認識のようだが、確かに懐云々はまた違う気がする、そういうのではない。

「それで、懐ユウキさんはこの後イチの事どうするわけ?」

「なんだその売れなさそうな芸名みたいな呼び方。どうするも何も、本人次第だろ。何も言われなければこのままだよ」

「でもあれブルーシート暮らしですわよね?」

「まあな」

「良いんですの?」

「って言われてもな。本人が快適って言ってるし……そもそも俺に家を用意してやれる程の金は無い」

「せめてアパートとか、紹介してやったらいいんじゃない?」

「うーん、まあ、そうだな。その辺はおいおいか、バイト代でどうにかなる範囲がいいだろうし……ここで働いていけるかもわからないだろ」

「いっそ家に止めてあげたら?」

「それは……流石にな……」

 ちょっとそれは、嫌かもしれない。

「どうしたのよ? いざとなったらそうする気なのかと思ってたけど?」

 アシェがそう言って不思議そうにしているのだが……そんなに変だろうか。

「うーん、でもなあ。ほら、一応今となっては家ってハーレム状態だろ。そんなところに客を招くのも、泊めるのもなぁ……」

「あぁ『俺の空間に俺の物じゃない女は入れられない』ってことね理解したわ」

「嫌な理解のされ方だけど大体あってるから腹立つな」

 言い方こそ大分悪いが、俺達の家に家族以外を居候させるのはちょっと嫌だと思っただけに、大体はあっている。むぅ。

「なんて話している間にもイチ来ちゃったけど」

「ん、おう」

 アシェに言われて見ると、イチが人数分のドリンクをせっせと運んでいるのが見えた。

「へいおまち!」

「シュエリア、変な事教えるなよ」

「教えてねぇですわよ。なんでわたくしなんですの」

「お前が一番やりそうだからだよ」

 変な事を教えると言う意味でも、こういう店で「へい、お待ち!」とか言うのも、コイツが一番やりそうだ。

 そう思ったのだが。

「教えたの私よ」

「アシェかよ……ホントお前らエルフは碌でもないな」

『アシェ(シュエリア)と一緒にしないでくれる?』

「ほぼ一緒じゃねぇか」

 なんだかんだ似てると言うかなんというか、コイツ等仲いいよな……感性が近いんだろうか?

「まあそれはいいとして、なんで人数分なんだ。数は言ってないけどさ。俺しか頼まなかっただろ?」

「面倒見いいからな!」

「……便利な言葉だなぁ」

「ツッコミ放棄するんじゃねぇですわ」

「じゃあお前がツッコめよ」

「面倒見いいですわね」

「おーい」

 肯定しちゃアカンだろ。ツッコミがなってないぞ。

「はぁ、じゃあ俺から一応言っておくか。なんで六人分なんだよ」

「ん? ユウキ、アイネ、アシェさん、シュエんたらさん、トモリ様、あたしで六人だろ?」

「待て、色々ツッコミどころあり過ぎて、待て」

 なんだ、何で名前列挙されただけでこんなにツッコミどころ満載なんだ。

「まずなんで俺は呼び捨てなんだ」

「なんか敬称付けなくてよさそうな気安さがあるよな」

「……そうか」

「モノは言い様ですわねぇ」

 いや、ホントに。

 まあでも、悪い意味では無いし……いいか、うん。

「で、アシェはさん付けで……」

「なんかカッコいいからな!」

「……うん。え? あぁ。いいや。で、シュエリアはなんだって?」

「ちょっと、言いたいことあるならツッコミなさいよ」

 俺がシュエリアの呼び方の話題を振ると、アシェが突っかかって来た。

「なんだよ、別に。何も無いぞ」

「いやむしろ興味持ちなさいよ! 私カッコいいのよ?」

「まあ、見た目だけ見たらカッコよさげだよな。赤いし」

「どんな評価よ。赤かったらカッコいいって」

「で、シュエリアの呼び方だけど――」

「興味! 持ちなさいよ!!」

「――はぁ」

 なんかツッコむと長くなりそうだから割愛しようと思ったのだが……。

 あんまりアシェだけスルーするのも可哀そうなので、仕方なく付き合う事にした。

「マジな話、見た目だけで見たらアシェはカッコいいと思うぞ。燃えるような赤い髪に、若干吊り上がった目に、ルビーのような瞳。キレのある凛とした声に令嬢然とした佇まい。うん、外側は完璧だ」

「何かしら、最後まで褒め殺しだったのに本当に最後の一言で一気に落とされたんだけど」

「運動音痴が結構カッコ悪さに傾いているかと思いますっ」

「ぐっ、誰だって欠点くらいあるわよ! それ以外は結構できるし!」

「まあ魔法も弓も人間の一般人レベルなエルフ(笑)みたいなスペックですわね」

「うぐっ……それ以外は出来るわ!」

「大丈夫だ! 私は見た目がカッコいいのが好きだから!」

「全然フォローになってない!」

 そう言って項垂れるアシェ。

 はぁ、だからスルーしてたのになぁ。

「で、そろそろシュエリアの事だけど」

「あぁ、シュエんたらさんな」

「なんでそんなてきとうな感じなんだ」

「だって名前長いから」

「そんな理由? シュエリアの方が短いですわよね? シュエんたらの方が長いですわよねぇ?!」

「落ち着けシュエリア。気持ちはわかる」

「ユウキ……」

「確かにシュエリアはちょっと長い」

「ユウキ!!」

 俺の言葉に、シュエリアが「裏切ったな!」と掴みかかって来る。

「まあ待て、そこでだシュエリア。俺はシュエリアを愛称で呼ぼうと思うんだ」

「……あら、思ったよりいい提案ですわ。でもそれ面白そうだから別の機会に話題として取っておいてくださる?」

「思ったよりいい提案なのに延期された」

 いや、別にいいけど。

「つまりあたしもシュエんたらさんを略称とかで呼べばいいのか?」

「ん? あー、そうだな」

「じゃあシーさんで」

「また……妙な呼ばれ方ですわね」

「義姉さんも頭がシだから被るな」

「シオンさんはシオンさんだぞ?」

「……納得いかねぇですわ」

「まあ義姉さんは三文字だもんなぁ」

 略す必要もないってことだな。

「それで、最後に。なんでトモリさんは様付けなんだ?」

「怖いから」

「理由がまた、ひでぇな」

 怖いからって、トモリさんはこう見えて、というか、普通に見た目通りおっとりした温和な人だ。怖いか?

「酷くないぞ。こんなどう見ても生物の枠を超えた強さしてる魔王とか怖いだろ」

「あらぁ~」

「どう見てもただの温厚な大和撫子だが」

 見た目だけで見たら、そうだ。

「っていうか見ただけで強さとかわかるのか」

「勘だけどな。大体はわかるぞ? トモリ様はあたしとアイネが二人で挑んでもあしらわれるレベルだ」

「そんな強いんですかトモリさん」

「あらぁ~」

「イヤどっちだこれ」

 なんか困っているような感じなんだが、これは本当の事だからなのか、誤解なのか。

「むぅっ。私だって頑張ったらトモリさんの足元くらいは強いですっ!」

「足元にも及ばない程では無いと」

「ですっ!」

「トモリさんめっちゃ強いんですね」

「そんなこと~も~ない~かと~?」

 思ったより本人は否定しているのだが、まあいいか、どっちでも。戦わないし。

 というか、何だかんだ言ってイチの本能はアテにはならなそうだな。トモリさんには様付けなのにシュエリアにはてきとうだし。

 この中で一番危ないんだけどな、シュエリア。

「まあ、トモリさんの敬称についてはわかったよ」

「ユウキは凄いな? トモリ様と仲良しだもんな」

「うん? いや、これは俺がどうって言うより、周りが俺に合わせてくれてるんだろ」

 いや、自分で言っててコイツ等ホントに合わせてるか? って思わなくもないけど。本当にコイツ等が自分勝手にと言うか、ありのまま振舞ったら大惨事になりそうだし、そういう意味では俺にと言うより、この世界に合わせているから、と言えるかもしれない。

「そうですわね、わたくしもユウキに付き合うのは大変ですわ」

「ここぞとばかりに下らない冗談をかましやがる。どっちかと言えば振り回されてるのは俺だろうが」

「振り回す方も結構大変ですのよ?」

「ならするなよ……」

「でもユウキってそういうのが楽しい人でしょう?」

「そんなこと……あれ、否定できないぞ」

 確かにそういうシュエリアといるのが楽しいだけに、シュエリアが何もしなかったらつまらないなと、思ってしまった。

「もうわたくし無しでは居られないわけですわ」

「今更ながら俺の人生の楽しみの大半をシュエリアに占められていることに気づいたわ……こわ」

「アンタらって二人で話させてると何処までも二人だけの空間に入っていくわよね」

 俺とシュエリアの話がどうやらまた二人だけの空間的な物になっていたらしく、アシェがツッコんできた。

「サラっとイチャ付くのよね、なんなの?」

「ま、まあほら、夫婦だし」

「新婚ですわよ?」

「そうだけど、シュエリアは仕事中だし、何なら客の前だし、更に言ったら研修生の前でしょう? しゃんとしなさいよ」

「やっぱりアシェってまともだよなぁ」

「話の腰折らない」

「まともですわね?」

「だよなぁ」

「アンタらね……」

 俺とシュエリアの反応にアシェがプルプルしてる。おこだなこれは。

「って言うかそんなことより、盛大に話逸れたんだけど、なんだったけ」

「ドリンクがイチの分もあるのはオカシイって話ですわね」

「あぁ、それそれ。なんかもうどうでもいいけど」

「ですわねぇ」

「いや回収しなさいよ。一応」

 まあ、真面目なアシェがそういうんだから、仕方ない、やっとくか。

「イチ、それ自腹だよな」

「金なんて無いぞ?」

「じゃあなんで自分の分用意しちゃうかな」

「わかった、精神的に返す」

「働いて返せよ……」

 そもそもその金が無いから生活に困って、働き先を求めて来たのではなかったのか。

「シュエリア、これ本当に採用するのか?」

「……まあ、こういうのが好きな奴もいますわよ、多分」

「私は? 採用?」

「これが採用なのにアシェが不採用だったらわたくしがクビになりかねないですわね」

「なんかあんまり嬉しくない理由な気がするわ」

 まあ確かに、イチと比べて優秀って言われても……な。

「わんちゃんは戦う事だけに人生全振りした脳筋なので仕方ないですねっ」

「なっ、アイネだってそうだろ? 大技ぶっぱしかしないじゃないか」

「私は兄さまの愛玩動物が本職だから良いんですよっ。闘いがへたくそでもいいのですっ」

「これが世界を救った勇者の発言だと思うと救われた側が不憫になるな」

「これにやられた魔王も不憫ですわよ」

 確かに……戦いに興味ないペットにやられた魔王……だもんな。

「それで、あたしは採用なんだよな?」

「ん? あぁ、そうですわよ」

「これで雑草以外も食えるな!」

「え……あぁ、そう、ですわね」

 イチの結構キツめな発言に、シュエリアがドン引きしている。

「わたくし、もしユウキと会ってなかったらブルーシート雑草生活……いや、ないですわね」

「そうだな、お前ならそれはない」

 最悪魔法でどうとでも出来るシュエリアにそれはないだろう。

「まあ、なんですの? そうですわ、イチ。就職祝いに何かごちそうしますわよ」

「え! いいのか! シュエんたらさん!」

「次それで呼んだらクビにしますわ」

「シーさんありがとう!」

「……はぁ」

 なんか、シュエリアが大変そうだな……珍しい。

「そういう事だからアシェ、人数分のご飯用意するんですわ、はよ」

「え、急に仕事の指示来た上に超が付くほど雑なんだけど? 何作ればいいのよ」

「注文くらい自分で取りやがれですわ」

「雑! 扱い雑過ぎ!!」

 ま、まあ、確かにこれは雑だな。雑だけど……疲れてんのかな、シュエリア。

「まあいいわ。私がこう見えて仕事のできる女だってことを教えてやるわ」

「アシェがエルフらしさ無くて運動音痴以外は優秀なのは知ってますわ」

「何でかしら、優秀って言われてるのに全然嬉しくない」

 まあその前に、結構酷い事言われてるからな……。

「まあ、いいわ。私の料理でぎゃふんと言わせてやるわ」

「レシピ通り作らなかったらクビですわよ」

「え、ここそう言うとこしっかりしてんの? シュエリアでも出来てるのに?」

「どういう意味ですの。これはアシェだけですわ。アシェはマトモなエルフキャラなんだから」

「エルフらしくないって言ったばかりでこの扱いは何なのよ……」

 確かにそうなんだけど、シュエリアの言いたいことも分かる。

「アシェ、お前はマトモなんだよ、エルフらしいかは別として、人として」

「……あんまり嬉しくないのはなんでかしら」

 そうは言いながらも、アシェももう諦めたのか、さっさと料理をする為に注文だけ聞いて厨房に行ってしまった。

「はぁ。これから職場がまた騒がしくなりそうですわ」

「そうだな。これからは来る頻度を下げよう」

「何でそうなるんですの」

「集る奴が増えたからだよ」

 来るたびにシュエリア、トモリさん、アシェ、イチに奢ってたら金が無くなるっての。

「大丈夫ですわよ、その分わたくしの給料は増えますわ」

「それ俺に還元されないヤツじゃん」

 それならいっそシュエリアにお小遣いでもやった方が心の健康にはいい気がする。

「まあ今日はシュエリアの奢りらしいし、楽しむとするかな」

「ユウキは自腹ですわよ」

「……そんな気はしてたよ」

 俺に奢ってくれる気は無かったようだ。

 まあ、いいんだけどな。

 とりあえず、こうしてまた異世界から来た仲間が増え、俺の嫁の職場は一層賑やかになった。

 ちなみにイチにはある程度客が付いたそうだが、アシェはマトモかつ普通過ぎて見た目以外で客が付かなかったらしい。どんまい。


ご読了ありがとうございました!

感想、評価、ブックマーク等頂けますと励みになります。

次回更新は来週金曜日18:00です。

それと、今後たまに、定期更新とは別に不定期でも更新をしたいと思っています。

まあ本当にたまに、作業がとても捗った後とかにですが。

今後とも当作品をよろしくお願いします。

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