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娯楽の国とエルフの暇  作者: ヒロミネ
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トモリVS四天王ですわ

「だる~ん」

 陣地を出発して、皆それぞれに四天王のいる方向に分かれてしばらく、私はだらだらと歩いていました。

 走るのは気合が必要なので、今はそういう時じゃないかなって気がしています。

 私がしばらく歩くと、向かう先から何かが凄い速度で飛んできているように見えました。

「死ねぇ!!」

「?」

 何かが叫びながら、私に雷撃を放ってきました。とりあえず、敵ですね。

 私は適当に電撃を躱すと、そのまま立て続けに放たれる電撃を二度、三度……幾度も躱します。

 それを見た何かが、電撃は諦めたのか、煌めく何かを……多分刃物ですけど、それを構えて向かってきます。

 近寄ると大体二……三メートルくらいの大きさの剣でした、無駄に大きいですね。

「残念~です~」

 私はそれだけ、感想を言うと、突っ込んできた何かを振りぬいて来た大剣ごと刀で切り裂きました。硬さは豆腐くらい……ババロアくらいでしょうか? 同じくらいですかね、どっちも。

「げはぁっ! は……ははは!」

 妙な断末魔に振り向くと、二つに切断した体が、二つのまま再生して、増えました。

 あらあら。

「フハハ! 残念だったな。腕に相当自信ありとみたが……俺は切られても分裂、再生する体なのさ。つまり、切れば切る程増えて、戦力が増す! 相性最悪ってやつだよなぁ?」

「はあ~」

 何か、饒舌に語り始めたのですが、何でしょう、えぇっと、こういうのを……負け犬の遠吠え……雷電……ヤムチャ……テンプレ……フラグ……どれも違う気がしますけど、何か、そう、大したことの無い発言に感じました。

「何処まで耐えられるかな?! 死ねぇ!!」

「ん~?」

 とりあえず、斬ると斬っただけ増えるそうなのですが……本当なのでしょうか?

 もし本当だと困りますね……もし、本当に、細胞レベルまで切断しても再生されたら……増えすぎて困ります。

 そんなことになったらアイにゃんや、ゆっ君に迷惑が掛かってしまいます。まあ、いざとなったらシュエリアさんが何とかしてくれそうな気がしますが……。

「どうしたどうした! さっきから避けてるだけじゃねぇか!!」

 調子付いた何かがまた騒いでいます。鬱陶しいですね……。

 魔法が得意だったら、焼くのがよさそうですが、残念ながら私は武術全般が得意ですが、魔法と言うのはあんまりです。出来るのはせいぜい身体能力の強化くらいで、まあ魔力量はとても多いので強化はかなりできるのですが。今欲しい魔法はそういう物理的な物ではないので。

 そうですね……斬撃が駄目なら、打撃……いえ、もっといい物がありますね。

「ひっさ~つ~……すろ~いん~ぐ~」

『あん?』

 私が技名を叫……呟くと、何かが二体共動きを止めました。

 まあ、そう見えるだけですけど。何しろ、今の私はほら、とってもとっても速いので。

 ゆっ君曰く、特殊相対性理論という……奴らしいです?

「よい~しょ~。よい~しょ~」

 止まって見える何かの、その二体の腕を掴むと、私は思いっきり空に投げました。

 具体的にはそう、百キロメートルくらいです。地球では地上から宇宙までの距離、らしいので、多分このくらいでいいでしょう。

「ふぅ~これで~終わって~ると~いいです~」

 面倒なので、処理は宇宙に任せようと思います。きっと彼もその内死ぬか「考えるのを止める」と思います。

「アイにゃん~と~ゆっ君~を~援護~しますか~」

 さっきの何かの生存の可否はわかりませんし、アレが四天王かどうかも確認してないですが、まあ、生きていたらシュエリアさんに探して、倒してもらおうと思います。

 そんな感じに考えつつ、私はアイにゃん達の居る方に向かいながら、見かけたらそれっぽい魔族を切る。くらいのつもりで歩き始めました。

 が、一歩踏み出した瞬間、魔王の居るはずの方向からとてつもないプレッシャーを、悪寒を感じました。

 酷く、嫌な予感がします。私は髪を結い、気合を入れると、全速力で駆けだしました。


ご読了ありがとうございました!

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次回更新は来週金曜日18:00です。

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