表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
娯楽の国とエルフの暇  作者: ヒロミネ
100/266

アシェVS四天王ですわ

今回は短いので二話掲載させていただきます。

こちらを18時更新、続き一話を手動での更新とします。

「四天王を一人に付き一体持ち、ね。まあシュエリア以下の雑魚なんてどうでもいいけど、これって私も仕事したらユウキに何かしら要求できると思っていいのかしら」

 私はそんなことを呟きながら、錬成で作った藤〇とうふ印のマイカーで戦場を走る。

 剣と魔法の世界で車に乗ってる絵面は非常にシュールかもしれないけど、移動手段を考えた時、ふと頭文〇Dが頭に過った為に、これにした。

 戦場を走っていると、前方に予め千里眼で確認していた若干大きめな魔物が目に入った。

 コイツが四天王……だと思う。

 私は適当に車を降りると、声の届きそうな辺りまで歩いて、声を掛けてみた。

「ねぇ、アンタが四天王最弱であってんの?」

「なんだと?」

 私の言葉に、最弱四天王の中でも最弱(予想)が睨んできた。

「俺は四天王最強の男、バエルだ」

 なんだろう、どっちかと言うと魔将っぽい名前な気がするんだけど。ま、いいや。

「そう。アンタがそう言うんならそうなんでしょう。アンタの中ではね」

 井の中の蛙というのはまさにこういうのを言うんだろう。

 四天王という井において最強。たった四人の小さなコミュニティで頂点を気取ってる残念頭。煽りたくてうずうずする。

「死にたいようだな、エルフ」

「で、でたー。テンプレー」

 これ、シュエリアが相手したら大変だったかもね。笑い死にしてたかも。私ですら笑いそうだし。

「ふん。下らん――死ね」

 そう四天王が言うと、私は死んだ。

 うわー、マジか。アレは何だろう、言霊……呪言? 言っただけで死んだのか、そもそも即死魔法を使ったのか。あっさり死んだ。

 おかげで意識がこっちに移ってしまった。本体のこっちに。

「いや、ホント、意識共有したホムンクルスに行かせて良かったー。自分で行ったら死んでたわねぇ。こわー」

 陣地から出て少しの所にポツンと座っている私が言うと完全な独り言だ。私は少し虚しさを感じながらも次の手を考える。

 千里眼で確認していた魔族は私の殺るべき相手で間違いなかった。さっさと倒したいけれど、問題が結構な数ある。

 まず、一つ目。私は身体能力が普通の女の子並み……よりちょっと低い。直接戦闘なんか試みたら今みたいに死ぬのがオチだ。

 次に二つ目、魔法がショボい。生活に使える程度の魔法しか使えない。

 三つ目、得意の錬成は対価が等価である必要は無いが、必ず『何か』を対価にしないといけない。極端な話何もない、空間だけが広がる場所に隔離されたら私はただただ、ひ弱で、ほんの少しの魔法が使えるだけの女の子だ。まあこれは今はいい。

 更に錬金できるモノは、私が『ある』と認識できるモノだけ。心のどこか片隅でも信じられない物とかは錬成できない。だから『シュエリア相手に絶対勝てる究極兵器』とかは作れない。そんなもん無いし、できる気しないから。

 最後に、『今の私』は自分以外の生物は錬成対象にならない。

 これが一番問題だ。シュエリアの馬鹿が「その力で千里眼使って錬成で勝ったらつまらない」とかいう馬鹿丸出しな理由で私に「錬金術による他の生命を対象にした錬成の禁止」とかいう謎スキルを付与しやがってくれた。

なので今の私は敵の生命体を直接別のモノには変えられない。倒すなら相手を倒せる武器を創るとか、罠を創るとか、薬を創るとか……そういう方法でしか倒せない。

 困ったなぁ……流石に本体で出向いて剣とかで闘うのはリスクがあり過ぎるので、直接戦はホムンクルスにさせたいけど私の体じゃアレと戦うのは無理っぽい。

 大体、世界の一大事に戦力である私の足引っ張るってどういうこと? あの馬鹿は本当にイカレている。ユウキもユウキだ、一応止めはしたけど結局強くは言わなかったし、あんなのを好きだし、どこが良いんだろうあんな馬鹿…………そうか、馬鹿が好きなんだった。

「はぁ……どうすんのよこれ……」

 最初は地球の兵器を創ってぶっ放そうかと思ったけど、問題がある。操作ができるかどうかだ。

 例えばホムンクルスは私と意識を同調して、操作できるように作った。だから操作できた。

 地球の兵器も、遠隔操作できるものを創造すればいいんだけど、精密な操作を要求するものになればなるほど想像して、錬成するのが難しく、イメージできない物は作れない。

 なので手元を離れてオートで移動、弾数無限の自動攻撃砲台……とか、そういうのは作れない。だってないでしょ、そんなの。ほんの少しでも無いと思っちゃったら作れないもの。

 なんだかんだ制限のある面倒な能力だったりするこの錬金。もちろん、便利だし、自分では最強クラスの能力だと自負しているけれど。それでも今は禁止事項もあるし……。

「とりあえず電磁投射砲とかでも作ってみる?」

 所謂レールガンという奴。魔族と言っても、流石にレールガン喰らったら死ぬ……と思いたい。

 操作方とかはよくわからないけど、まあ、スイッチ押したらレールガン。くらいの認識があれば作れるはず。これに関してはそういう物があるって言う程度の知識があるからね。

 逆に知識としてそういう物がないって知ってしまうと余計に作れないんだけど。

「レールガンよし、とりあえず十台くらい作っておいて……照準合ってるわよね、これ……ん、よし。撃つかー」

 とりあえず、さっさと終わらせたいので、私は全てのレールガンの操作を一つの端末に纏めて、一斉射出来るようにして見た。これも多分出来るはず。一つのリモコンで規格が同じ家電を色々操作できる感覚だし、大丈夫。

「それじゃ――発射!」

 私は一応、千里眼でバエルを確認しながら端末を操作した。

すると、耳が爆発しそうな轟音が鳴り響いた。

 多分、発射成功。弾道とか見えなかったけど、多分、成功。

 そして、千里眼で見ていたバエルが弾け飛ぶのを確認した。

「……終わったわね」

 なんだかんだ悩んだけど、これで終わってしまうとは……。

 シュエリアは私に近代兵器の制限も掛けた方が良かったんじゃないかしら。これはこれで圧勝しすぎてつまらないと思う。

 ……うん?

「馬鹿ね私も。つまらないって何よ。……毒され過ぎでしょ」

 フッ、と笑ってしまう。シュエリアの馬鹿が移ったかもしれない。

 とりあえず私の分の役目も終わったし……そうね、後は千里眼で観戦でもしてようかしらね。

 そう思い、私は陣地の外に適当に家を錬成。中でゆったり楽にしながら観戦することにした。


ご読了ありがとうございました!

感想、評価、ブックマーク等頂けますと励みになります。

次回更新は手動ですので若干ズレます。遅くとも19時です。

予約自体はしてありますので最悪、更新作業が出来ない事態でも19時には更新されます。

ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ