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知りたいこと。

見たことないくらいまっすぐな目で言われて、動揺した。


「私、そんなすごい人じゃないです…」


「もっと自分に自信持っていいんですよ。全部ひとりで背負い込もうとしちゃだめです。色々人の気持ちを考えすぎたから言えなくなったんだろうなっていうのは分かりますけど、桜井さんが感じる気持ちは何も間違ってないですから。桜井さんも言ってたでしょう、『気持ちは自分ではどうしようもできない』って」


「だから、どうしようもできない気持ちは捨てようとするんじゃなくて、みんなに共有するんです。そしたらたぶん…ちょっとは楽になる」


どうして。


どうしてこの人はこんなにも私がほしい言葉をくれるんだろう───。

ずっと誰かに聞いてほしかった、誰かに共感してもらいたかった、自分の存在を肯定されたかった。


手入れしてもらったばかりの柔らかい髪が、顔にしっとりと貼りついた。


(あぁ、せっかくきれいにしてもらったのに)


すこし申し訳なくて、でも北川さんの暖かい目を見て安堵した。


───このひとのこと、もっと知りたい。


そう思ったのは何でか、自分ではまだよく分からなかった。

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