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恋文  作者: 鶴園 稔
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三十一文字にこめられたもの

あなたは、想いを何に綴りますか?

古傷を指でなぞれば思い出す痛みも今は愛しく思う。


恋をして、恋愛をして、愛だけが残った。あなたは大切なひと。


「好きだ」とも「愛している」ともいわないで、「またね」と別れる。それだけのひと。


失恋をしたから髪を切る。なんて、理由にきみを利用しただけ。


十二時を越えてあなたの誕生日、「おめでとう」さえ届かない距離。


いつの日かふたり並んだベランダであなたの知らない紫煙を吐いた。


冬物のコートといっしょにあなたへの恋心とか仕舞えるかしら?


教室はいつも誰かの思い出を噛んでは呑み込みオトナをつくる。


初恋の檸檬のような苦味なら、瓶詰にしてキッチンの隅。


日の差した机が伝える欠席に初めて知った、恋は息する。


制服が半袖になり、右ひじの上にほくろがあるのか君は。


信号が青にならなきゃいいのにね、このままふたりお喋りしよう。


「ごめんね」の代わりに深夜のコンビニでハーゲンダッツを買って走った。


「いいよ」って答える代わりにふたり分スプーンを出しアイスをわける。


土曜日にわたしがつくった肉じゃがをあなたがカレーに煮込む日曜。


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