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色々な準備

「ガララーテの街に? かなり遠いけれど馬車の手配ができたのかい」


貴族邸に送ってもらう道でセルパンさんにガララーテに行くことを告げると、切れ長の目を細めてこちらを見た。不審そうな顔をしてる。


「歩きで行こうと思ってて、あの、ガララーテからも通えると聞きましたので、お仕事は続けられますっ」

「いや、いいよ。……じつはね、あの貴族の仕事はヴォラティル様がねじ込んだもので、君がいなくても本当は支障はないんだ。だから数日休んでもかまわない」

「なんと……!」

「ヴォラティル様が君の呪いをいたく気にしていたんだよねぇ。というか、君自身をかもしれないけれど」


隣を歩きながら首をかしげてるセルパンさんに、おなじくおれも首をかしげる。あの女の騎士さんの琴線にふれる所あったかなぁ……じつは逮捕した男と同一だってバレてたり……


おそるおそるセルパンさんを見上げると、ぽんと頭を撫でられた。


「ヴォラティル様のお使えしてる方に似ているんだよね。この国ではめったにみたいほど、のほほんとしているところとか、仕草……はさすがに違うけれど」

「そうなんですか」


逮捕した男が女体化してるなんて普通はわからないか。安心すると同時に同性、しかも年下に頭をぽんぽんされる違和感を口の中を噛んで飲み込む。


「まあ、それはそれとして。ガララーテにいくのに冒険者くらいは雇ったのかい。まだなら僕が同行してもいいよ、暇だし」

「えっいやそんな申し訳な」

「ハッ」


ドサドサッ……


叩き斬られたキラーアントが地面に落ちて山のようになった。


「よろしくお願いします」


モンスターの存在を忘れてたわ。




貴族邸の仕事を終えて、家にもどる。

おれはコリに凝った肩をぐりぐり回しながら、部屋で灯富と作戦会議だ。

関係ない話だけど、なぜかあれからおれの仕事ぶりを眺めるようになったお嬢様の存在がおれの肩を凝らせるんだよ。


「……じゃあ夜尾はあとから合流することにして、俺たちはヨルの友人のよしみで同行させてもらうって感じでいくか」

「ん、ヨルと灯富がトモダチって感じで大丈夫。セルパンさんにもそう伝えてるから」

「おーけー。それにしてもモンスターか……」



「モンスターっすか!?」


ガタッと椅子から立ち上がったミヤの顔。不安のなかに好奇心が見え隠れしてる。わからんではないな、モンスターの顔面さえ見てなければおれも同じ反応をしたよ。

ランチ中のミーティング。精をつけようとおかずに肉料理を買ってきた。お肉おいしい。


「モンスターってか巨大なアリだ……モンスターだな」

「モンスターっすね!?」


ふおおお! と雄叫んでるミヤはよしとして、成風は落ち着いてるようで実はそわそわしてる。こわいのかな、まぁそうだよな。恐怖すべき生き物だと思う。


「成風、おれ……エフンエフン! ヨルの付き添いのセルパンさんは強いから、怪我もしないで街に行けると思うよ」


ランチの豆パンを食べながら、隣の成風の心配を拭おうとしたんだけど、そうじゃなかった。


「どうしてスマホないんでしょうか……、写真をSNSにあげたかったかです……!!」

「うん、……うん」


何かといえば写真撮ってたもんね。写真のマメなアップロードのおかげでファンが増えたこともあるもんね。


「よし、来週になったらすぐ出発しよう」

「「「 はい 」」」


翌日、セルパンさんと日時を決め、その日の夜のライブでお客さんたちに来週はガララーテに行くので休むと伝えた。

お客さんのなかにはガララーテを通ってきた人も居て、旅のコツなどを教えてもらった。


その話を参考にしてモゴック爺のお店で旅支度をしていく。


「旅行って金かかるっすねぇ」

「準備の出来次第で旅が楽になるか安全になるか決まるからな、惜しまないことが大事だ。……ぉ、バッグ高い」


灯富は登山が趣味だからか、さすが準備のための取捨選択がうまい。


「おいおまえら、水袋はぜったいに買えよ」

「はーい」


おれはモゴック爺に見守られながら店内を物色してる。正直、なに買えばいいかいまいちわかってない。


「モゴック爺、武器も買ったほうがいい?」

「護衛がいるんだろ、やめておけ。素人が武器持ったら却って悲惨なことになる」

「それでも持ったほうが良くないですか。夜尾さん、あとからひとりで来るんですよね?」


成風の言葉にモゴック爺が片方の眉をひょいとあげた。


(ああ〜……説明なんて言お)


みんなが居る前での説明はむりだから、なんとか伝われ!と願いを込めて目配せするとは、モゴック爺はフスン、と鼻息を漏らして顎をしゃくった。


「警棒を2、3本持っていけ。お守り代わりにおごってやる」

「!ありがとうモゴック爺!」


なんか察してくれたようで、それ以上の追求はなかった。



こうして旅支度をしっかりしたおれたちは、翌週の早朝、町の入口でセルパンさんと待ち合わせの場所にむかった。




あけましておめでとうございます(^ν^)!

今年もよろしくお願いしまーす!!

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