お嬢様(1)【シャル視点】
シャル視点です
シンプルな広すぎる部屋にある大きなベッドの上で、人形のような顔立ちの少女が眠っている。
(ずっと眠っていれば良いのに……)
この少女はこのお屋敷のお嬢様、ルナーリズ・ソルレッド様で、私の主人だ。
先日、ご友人の家の花を見て、
「私の庭の花より綺麗など許さない!!ここで流血事件があれば皆恐れてここに来ないし、私の庭の方が美しいことにみんな気がつくのではなくて!?」
(アホか。まず友人の家で『一人で』流血する少女の方が恐ろしいわ。)
なんて考えていると本当に実行してしまった。そして打ち所が悪かったのか失神し、家まで運んだ。もちろんご友人には新しい花壇もお送りしたし、お詫びにお茶菓子も送ることとなったため、そのお金は『どこか』にある花を売ったお金だ。
「……はっ?」
(チッ)
起きてしまった。
「お嬢様、お目覚めですか?」
「……」
おかしい。なんの反応もしない。
「覚えていらっしゃらないのですか?」
「え、何を?お嬢様?死んだと思っていたのだけど……。ここはどこなの?」
記憶喪失になったか……旦那様にどう説明しよう。溺愛しているからな……最悪解雇になってしまう!いや、まだ決まったわけではない。なんとか記憶を戻していただかねば!
「やはりお忘れなのですね。死んではおりません。あなたはルナーリズ・ソルレッド様で、ここはソルレッド家、お嬢様はご友人の家の花が綺麗だったので花壇に頭をご自分でぶつけて家に帰られたのですよ。」
少し「ご自分で」を強調して言った。私のせいにされては困る。
「ルナーリズ・ソルレッド?……」
「お嬢様?まさか本当に記憶が……」
やばいやばいやばいやばいやばいやばい
「わぁっ、うわっえーっと、うんなるほど!」
びっくりしたー、急に何!?
「……?」
おっけー私。神対応。もうこう言う時は黙って頭にはてなを浮かべるに徹するのよ!
「あぁ、ごめんなさいねシャル、私混乱していたみたい。繋がったわ、ありがとう。看病していてくれたのね。私はもう大丈夫よ。」
「―――っ!」
お嬢様が、謝って、ありがとうですって?聞き間違えたのかしら?そんなはずはあり得ないわ!神対応も流石に反応できないわよ……
「シャル、今まで本当にごめんなさい。
私今日から心を入れ替えるわ。」
え?
「もう周りに迷惑もかけないようにする。
五年も私なんかに仕えてくれてありがとう。
全て許せとは言わないから、私にチャンスを与えてくれないかしら?」
来てくださってありがとうございます!おいなりさん好きです( ^ω^ )
最近出せずにすみません…今度ケータイを機種変するので、また休ませていただくことが多いとは思いますが、これからもよろしくお願いします!