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異世界転生その前に!!  作者: 猫姫
第一章 天使という名のお仕事は。
3/6

ソルカの生前<中編>

「ねぇ、まだぁ?」

椅子に座っているのも飽きて、足をバタバタさせていた。


「あ、もうちょっと…」

アイツのスケッチブックは、私でいっぱいだった。

他にないのか聞いたら、気に入らなくて破って捨てた…らしい。

その事は気にしていない、うん、気にしてなんかない。


その頃のアイツは、バイトを掛け持ちで働きながら絵を描く事をしていた。

絵は売れなかったれけど、バイトのほうがお金になるとボヤいてた。


「ふ〜ん、それならヌードでも描く?」

「うーん、そういうのは書かないなぁ…」

貴族には少女の裸の絵を女神とか言う名目で買う変態、もとい…好事家がいて良いお金になると聞いた事を思い出した。


「モデルになってあげようか?」

「ちょっ、ちょっと!?」

服のボタンを外しはじめたら止められ。

わたし達はそのまま倒れ込んだ。


「あ、ゴメン…」

「なんで謝るの?」

アイツ両頬に手を当てて、引き寄せた。


「あの、その、好きです。付き合ってください」

「うん、いいよ」

「そうだよね、こんなタイミングで言ったら断るに決まって…ん!?」

「ん、んぅ…」

なんかまだなにか言いそうだったから、キスして口を塞いでやった。


「まだ、疑う?」

「いや、疑わないけど…」

ちょっと照れていたのは秘密。


「ねぇ、ベッドいこ?」

「え、いいの?」

「バカ、そういうのは聞かないの!」

お姫様抱っこは、心地良くて心臓が高鳴った。


その日は朝までギシギシ言うベッドの音さえ、心地良く感じた。

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