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ラスボスさん。  作者: 有負 王
章ってなあに?ーーしょういうこと(章機能を使ってみたかっただけ)
8/25

最近は強いパーティから抜けて無双するのが流行ってるらしいね

お久しぶりでございます、なんと遅れに遅れまくって二ヶ月もかかりました、申し訳ありません←


今回の話は先にネタバレすると、ラスボスさんの待ち望んだあの存在がついに登場します。

そのせいで結果的に文章がいつもの倍近くになり、書く時間も宣言の倍近くとなりました。

ファンタジーだから仕方ないね(何が)


それではラスボスさん8話目です。前述通りいつもの倍近い文章量なので無駄に気合い入れてどうぞ!

「よし、俺はこのパーティから抜けるぞ!」


いきなり堂々と何か言い放ったのは賢者でした。目つきが鋭く気の強そうな黒髪の少年でした。


「ふぇっ!?ぴええぇ~、いきなり何言うんですか~、止めてください~」


それに対して驚いて涙目でへたれているのは勇者でした。小柄で可愛らしい明るい茶髪の少女でした。


………




ーーお分かりいただけただろうかーー




勇者。




 Y  U  S  Y  A  !  !




なんと、なんと、なんとなんと、なんとなんとなんと!パン○ラボックスの力で分けられた日本は北都と東都と西都!都が平安京に遷都した後の平城京の呼び名は南都!(ホントです)

それはともかくとして、この小説初の勇者出現です!勇者!勇者です!

五千年待ち続けた存在が今ここに!まさに歴史的瞬間!ラスボス大歓喜!きっと歴史の教科書に載る!(載りません)

しかしいつもなら力業で空間ぶち破って登場するであろうそのラスボスは珍しく姿を見せません。一体どうしたのでしょうか。


「ふん、何を言うも何も、今回のサブタイトルにも書いてあるだろう…今はパーティから抜けて無双するのが流行っている!らしい!たぶん!」


「でっ、でもでも、こういうのは仲間に酷いことされて追い出されるのが前提だから…それでその、ざまぁ見ろ!みたいな…感じ…ですし…」


おどおどしながら勇者がそう言うと、賢者は割とイケメンな顔を静かに彼女へと向け、まるでプロポーズでもするかのように真面目な顔で言うのです。


「ならブラン、俺を……いたぶってくれ」


「嫌ですよぉ!?」


どう聞いてもドMの発言にしか聞こえませんでした。至って真剣な表情で言っていたので尚更でした。勇者がちょっと引いていました。




~某村~


「ハッ!今私のドMレーダーに反応がっ!どこかに同志がいたような気がする!へたれ少女にいたぶられる…たまらん!」


「!?」


「何を言っているんだお前は」




「頼む!この通りだ!さあ踏め!」


まだ諦めていない賢者が土下座してそんなことを言っていました。


「ふぇ、ふえええぇ…」


勇者はまごまごしている!▼


「ひょっとして君は俺が嫌いなのかな」


「い、いや、そういうわけじゃあ…」


「じゃあ何故だ!ここまでしても駄目なのかっ!」


「だ、だってぇ…そんなことできませんし、それにちょっと…正直気持ち悪い…です…」


勇者がそう言うと、とたんに賢者はバッと立ち上がって言いました。


「俺は…とても深く傷ついた…」


「え、ええ!?」


「近寄るな気持ち悪い、お前の言うことなんて知るか、使えぬ愚か者などいらぬわ…、君にはもはや商品価値はない、このハゲー!…そう言われた…」


「言ってません、言ってません!そこまで言ってないですぅ!後半は特に覚えが無いですぅ!?」


「だから…俺はこのパーティを出て行く」


「ええぇ!ホントにやめてくださいよぉ!」


慌てて勇者が止めますが賢者はそのまま一人で歩いて行きました。

当然勇者も後を追いかけて行きました。実際賢者がいなくなったら彼女は何にもできません。いや、戦えることは戦えますがメンタルがへたれて何にもできなくなってしまうのです。


「来るな!俺は一人で無双するんだ!」


「ふええぇ~、待ってくださいよぉ~!第一そういうのって一見たいしてすごくなさそうな人がやらないと意味無いんじゃないですかぁ!?」


勇者がそう言うと賢者が電池の切れたロボットのようにピタッと立ち止まりました。ようやく思いとどまってくれたのかと勇者が少し安堵していると、賢者は急にくるっと彼女の方に向き直り、


「俺は賢者ではない。ただのしがない落ちこぼれ魔法使いだ。そう、その辺によくいるような」


そう言ってまた一人で歩き始めました。


「………」


しばらくフリーズしていた勇者でしたが、すぐにはっとしてまた賢者を追いかけ始めました。


「だっ、だから待ってくださいってばぁ!私を一人にしないでください~!」


「何だこれ」


「え?」


賢者が立ち止まって何かを見ていたので、追いついた勇者もそちらを見てみると、そこにはプラスチック製の看板が立っていました。


"魔王マスクロをお探しのそこのあなた!例えば勇者と賢者みたいなそこのお二人!ラスボス城に行けばすぐ魔王マスクロに会える!最寄りの村まで北へ道なりに徒歩約一時間、村から城まで約三十分"


「「………」」


黙り込む二人。

それもそのはず、魔王マスクロとは二人が討伐を任された存在。みなさんお馴染みのあの魔王少女とは違い、魔族ではなく理性無き魔物を統べて人に害をもたらす厄介な存在なのです。

それじゃ呼び名一緒にしちゃいけないんじゃないかとか言われそうですが、魔族を率いる方の魔王だって人にバンバン攻撃しまくる奴もいますし、反対に魔物を率いててもうまいこと操って人に害をなさないようにしている奴もいますし、果ては魔王そのものが人でないめちゃくちゃ強い魔物だったりしても人には無関心で何にもしない奴もいます。結局のところはっきり言って魔王の基準は"大勢の魔族か魔物を率いてるめちゃくちゃ強い奴"です。善悪どころか理性ある生き物かどうかすら問いません。割とテキトーですがファンタジーなので仕方ないのです。

他にも距離を置いていくつかの看板がありました。


"おいでませラスボス城!強さを求める方必見!いつでもラスボスと戦える!腕に覚えがあればどなたでも大歓迎!特に勇者には是非とも来てほしい!負けても参加賞がもらえる!"


"悪い魔王を討伐に来た方!ラスボス城ならお探しの魔王をすぐにお取り寄せ致します!手数料無料!"


"~そうだ、ラスボス城行こう~最寄りの村には道具屋・武器屋・宿泊施設完備。装備を整えて万全の状態で挑めます。託児所があるのでお子様連れでも安心。使わない貴重品を預けたい方には金庫もあります"


「「………」」


二人が半ば無意識にそのまま立ち並ぶ看板を見ながら道を進んで行くと、ふと賢者が進む先に誰かの気配を感じてそちらを向きました。


「…うん?そこに誰かい………」


「ふぇ?誰かってこんなところに誰…が………」


キュッキュッキュッキュッ


「………」


そこには無言で真剣な顔で、プラスチック製の看板に華麗なペン捌きで印刷が如き速さで綺麗な文字を書く、がっしりした体に禍々しくて威厳のある服を纏い、強大さを感じさせる角と翼を持ったダンディなイケメンがいました。

そしてその左手には頭にでかいたんこぶを作って気絶しているバッ○マンみたいな黒いマスクを被った変な奴の首根っこをひっつかんで引きずっていました。

そして書き終えたらしく一度看板をまじまじと見て、うむ、と頷くと、


「あ」


勇者達の方を見て固まりました。


「「あ」」


「………」


「「………」」


なんともいえない沈黙が流れました。

そして、


「「あああぁぁぁぁぁぁ~~~!!」」


勇者と賢者がダンディイケメンを指差して同時に叫びました。何せ、彼が左手で粗大ごみか何かのように引きずっている変なのこそ、二人が倒すべき魔王マスクロだったからです。

ダンディイケメンはちょっとの間考える素振りを見せると、びしっと二人を指差し返して、


「フハハハハ!勇者に賢者よ!城で待っているぞ!」


そう言った後背を向けて走り始めました。途中で立ててある看板に変わらぬ正確さの文字で文章を素早く書き込みながら。ダサい黒マスクの変なのを引きずりながら。

しばし呆然としていた二人でしたが、すぐに我にかえりました。


「………はっ!は、早く追いかけないと、ラークさん!」


「まあ待て」


「ふぇ?」


「この看板全部読みながら行こう。面白いから」


「えぇ……」




一方ラスボス城。


「あ、お帰りなさいませご主人さ……何ですかそれ」


「ちょっと魔王捕まえてきた」


そう言ってラスボスがゴミのようにずべっと床に放り投げたのは魔王マスクロでした。扱いが酷いですがこれでも一応一人で一国を滅ぼせるくらいには強いです。一応。こう見えても。今はこんな有様でも。変なダサい格好してても。


「は、はあ…それをいったいどうするんですか?」


「まあとりあえず」


そう言ってラスボスはマスクロに回復魔法をかけました。

たちまち彼は目を覚ましました。


「はっ!こ、ここは…」


マスクロはキョロキョロと辺りを見回し、自分を見ているラスボスを見つけました。


「ああぁっ!!お、お前は」


「うるさい」


バキッ


「ひでぶっ!」


ラスボスは怒りとか恐怖とか色々入りまじった混乱の極みで指を差して大声で喋り出したマスクロの額をチョップして気絶させました。何か折れるような音がして額が陥没しましたが、仮にも魔王なのでたぶん大丈夫でしょう。生きてはいるし。


「それで、後は」


シュウゥゥー


そう言って今度は体を霧状に変え、マスクロの全身を覆いつくしました。


「ご主人様!?」


シュウゥゥ…


「よっと」


霧が消えると、先程までのびていたマスクロが立ちあがりました。


「え!?あ、え!?」


驚くネモフィラさんを尻目に、マスクロは確かめるように手や足を動かしました。


「よし、問題ないな」


「…ひょっとして、ご主人様…ですか?」


「うん?ああ、そうだが」


マスクロはそう言うと四つん這いになり、その背中からぬうっとラスボスの上半身が生えてきました。


「ほらこの通り」


「!?」


ショッキングな光景に固まるネモフィラさんの前を、ラスボスはそのままの姿で歩き回りました。その姿はまるでケンタウロスのようです。元々ダサい格好してて微妙だったのに今やただの足と化したマスクロにはもはや魔王としての威厳もへったくれもありません。


「さて、とにかくだ。そろそろ来るだろうから準備するぞ」


「は、はい!?な、何を!?」


「お前は今は戦いたいか?」


「えっ?い、いえ、特には」


「じゃあ悪いが今回は隠れていてくれ。ようやくこの時が来たのだからな、早く戦いたい!うむ!」


「は、はあ」


そのまま言われるままにネモフィラさんは普段住んでいる部屋へ向かって行きました。


ウィーン


ネモフィラさんが部屋へ帰ると同時に、玉座の間に機械のような音が近づいてきました。


ガシャンッ


その音が扉の前辺りで止まると、そこから二人の人間が玉座へと入って来ました。


「……本当に何なんですかねぇ、これ…。道の途中からトロッコみたいな乗り物はあるし、それでそのまま城まで来れば今度は金属でできた同じような物はあるし…だいたい、ことあるごとに"勇者と賢者みたいな二人"、って……!?」


「面白かったから別にあれでいいだ、ろ……!?」


その二人へ向け、ラスボスはラスボス感たっぷりに言うのです。


「ふっふっふ…よくぞ来た勇者に賢者よ!」


「「………」」


しかしラスボスを見た途端ぴくりとも動かず黙り込む勇者と賢者。


「…どうした?怖気づいたか?」


「「………」」


ラスボスが不思議そうに話しかけますが全く反応はありません。


「…ご主人様」


そこへ自分の部屋でテレビそっくりな魔道具で玉座の間の様子を見ていたネモフィラさんが玉座の後ろにある隠し扉からそっと顔だけ出して小声でラスボスに話しかけました。隠し扉なんてあったのかと思ったそこのあなた、この城に隠し扉などいくらでもあるのです。それこそ床から天井、果ては大浴場の浴槽の底や城の屋根のてっぺんまで。何せラスボス城なので。


「どうした、ネモフィラ」


「体が出たままです」


そう言われて自分を見るラスボス。

その姿は黒マスク被った四つん這いの変な奴の背中からがっしりボディのダンディなイケメンの上半身が生えた、ケンタウロスもどきでした。そう、さっきからそのままでした。


「………」


しばらく無言でいたラスボスでしたが、すっと上半身を引っ込めマスクロモードで立ち上がり玉座に座り、


「…よし。ゴホン、よくぞ来た勇者に賢者よ!吾輩こそが魔王マスクロである!」


何事もなかったかのようにそう言いました。


「「いやいやいやいや」」


フリーズが解除された勇者と賢者が全力で否定しました。もう全否定。ありえん。えいりあん。宇宙人。


「どうした?どこからどう見てもマスク野郎だろう」


「いやさっき明らかにおかしかったですよねぇ!?」


「…ふっ…そんな日もあったかもしれんな…まあ昔のことさ…」


「そんな遠い目しないでくださいよぉ!?さっきですよホントにさっき!そもそもマスクロはそんな台詞言いませんし!」


「それよりホント何なんだあんた!何なんだあのダンディっぷりは!まさか寝取られか!?こいつを寝取る気なのか!?まだ寝取られものはブームなのか!?」


「今度は何言ってるんですかラークさん!?」


「そういやあんたなんか額がへこんでるけど平気なのかそれ?」


「うん?…ああ、これか」


そう言うとマスク野郎(中身ラスボス)は自分の頭の左右を両手で強く押さえつけました。


ミシミシミシメリメリメキッ


マスク野郎の頭蓋から生物の体から出るとまずそうな音が鳴り響きました。


「「!?」」


驚く二人をよそに、そのまま頭を押さえ続け、


パコンッ


軽快な音と共にへこんでいた額が元に戻りました。


「よし直った」


「「いやいやいやいや」」


またしても二人からの全否定を受けるマスク野郎(ラスボス)。


「今度は頭の横がへこんでますけどぉ!?」


額は戻りましたが今度は押さえていた頭の左右がめちゃくちゃへこんでいました。むしろ直す前より悪化していました。

見るも無惨な形状でもう前から見ると玉ねぎみたいな頭になってますが、やっぱり仮にも魔王なのでたぶん大丈夫でしょう。たぶん。おそらく。きっと。Maybe.


「いやそれよりそんな頭もう追放しちまえ!追放ものだ!」


「だからさっきから何言ってるんですかあなたは!?」


「なるほど!その手があったか!」


「!?」


賢者の謎作戦に納得するなりマスク野郎(ラスボス)は再び頭に手をかけ、


キュルキュルキュルスポンッ


「!?!?」


頭をペットボトルのキャップみたいにくるくる回して外しました。

断面グロそうとか思いそうですが、不思議なことに首の断面は全く生き物には見えない機械の接合部のようになっていました。


「魔法で少し改造したからな」


「少しじゃないですよねそれ!?」


多少改造されても仮にも魔王なのでたぶん(以下略)

もはやツッコミ役と化した勇者をよそに、マスク野郎だった何か(ラスボス)はどこからか頭大の球体を取り出し、ペンで何やらキュッキュと書きこみました。

そしてそれを頭のあったところにこれまたキュルキュルと回してはめ込みました。


「「………」」


その顔を見た二人はまたしても唖然。何故ならそこには綺麗に、


"まおーますくやろー"


と書いてあったからです。無駄に綺麗な文字なのがより残念さを引き立てます。


「もうこのやりとりもいい加減飽きてきたしな。顔なんて些細な問題だろう。それより我は早く戦いたい!文字数的に作者もそろそろ今回の話は終わらせたいだろう?」


ごもっともです。


「という訳で!勇者と賢者よ!我と戦え!」


「え……う、うーん……ま、まあ、倒さなきゃいけなかったのは確かだしぃ…でもその顔はぁ……」


もはやマスクロとして演技する気もなくなったラスボスinサイボーグ魔王が言うのに対し、その気の抜ける顔を見て勇者はすぐには戦いに移行できませんでしたが、


「よっしゃ受けて立つ!」


賢者にはそんなことは全く関係ありませんでした。魔法で収納してある大剣を手に持ち強化魔法を自分と勇者にこれでもかとかけまくり、一瞬で戦闘モードでした。


「来いー!」


「うぉらあああああ!!」


目にも留まらぬ速さで賢者が突撃し、大剣を両手で思いっきり叩き切るかのように振り回しますが、ラスボス製の改造魔王は一瞬にして両腕をビームサーベルに変形させ、全て受けていきました。腕を改造して武器にする程度なら某海賊漫画の船大工でもやってるので別におかしいことはありません。

え?さっき首が取れてた?……その辺はファンタジーなのでしょうがないものと思ってください。しょっちゅう頭をとっかえひっかえしてるヒーローもいることですし。アレたぶん生物だし!新しい顔よー!


ギンガンギンガンガキンッガンギン


すさまじい速さで二刀流のビームサーベルと大剣が打ち合いました。

魔王ボーグも受けるだけでなくきっちり攻撃しているのですが、人の身長程もある大剣が軽いはずのビームサーベル、しかもその二刀流の攻撃を完璧に受けきっていました。当然賢者の大剣さばきが上手いこともあるのですが、それを考えてもとんでもないスピードです。

賢者だから普通魔法で戦うんじゃないかとか思いますが、彼は実際のところは魔法はもちろん、近接戦闘もこなす超万能戦闘型賢者なのです。

普段から魔力操作の訓練だけでなく筋トレや様々な武器を扱う戦闘訓練も行い、一流の戦士さえ軽くあしらえる化け物じみた肉体と、ありとあらゆる武器においてその道を極めた武術家をも凌駕する驚異の戦闘技術を持つ究極の戦闘人間。しかもそのスペックが強化魔法によってさらに底上げされ、魔法魔道具小型武器トラップと山ほど交えて戦うためもはや敵は極一部を除きこの世界に存在しません。勇者すら霞んで見えます。というか実際一度模擬戦を行い純粋な体術のみで瞬殺しました。もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな。


「ふむ、悪くないな」


「へぇ…ならこれもいけるか!?」


余裕綽々に半機械魔王が言うのを聞いて、賢者は更にもう一本大剣を取り出しました。片手に一本ずつ持ち、更に更に今度は武器への付与魔法で二本の大剣が謎のオーラを纏い始めました。光り輝く剣での打ち合いはまるでス○ー・○ォーズのようでした。

しかしいかに中身がラスボスとはいえ体は所詮マスクロ(変なの)です。驚異的な身のこなしで上手くさばいてはいましたが、スペックの問題でやや防戦一方となっていました。


ウィーン


とはいえやはりそこはラスボスプロデュースのサイボーグ。即座に脇腹の辺りからもう一対ビームサーベル付きの腕が出現しました。なんと驚きの四刀流。それにしてもここまで改造されているといったいどれだけ生物の部分が残っているのか不思議になってきます。

まあ一応魔王だし(以下略)


「おいブランそろそろ手伝え!」


「ふぇ!?でも加勢する必要なさそうですけどぉ…」


賢者がこれまでずっと呆然と突っ立っていた勇者に声をかけました。


「いいから手伝え!ボス戦のラストスパートは仲間と力を合わせて総攻撃と相場が決まってるんだ!ただただ盛り上げるためだけに!意味もなく!なんとなく!オーバーキル!必殺技の嵐!ボールを投げたらボタン連打!」


「い、いや知りませんしぃ…」


「今度からブラジャー勇者って呼ぶぞ!」


「っ!?あぁもう分かりましたよぉ!やればいいんですよねぇやればぁっ!」


赤面してやけになったように叫ぶ勇者。

彼女はその名前のためにかつてよくブラジャーというあだ名で呼ばれていました。しかもその名に反して胸は小さかったため、コンプレックスに触れられている感じがしてなおさらそのあだ名を嫌がっていました。

ひょっとしたら彼女が勇者、すなわち戦う者としての適性があるゆえに戦いに邪魔になる胸はあまり大きくならなかったのかもしれません。

しかしその真相は作者が貧乳が好みであ(以下略)


「安心しろ、作者、ブラン。俺も貧乳は好きだ」


「~~っ!?」


バタンッ


賢者の一言にいよいよ勇者は顔をより赤くして、声にならない声を上げて気を失いました。


「……困ったな…まあいいか」


そう言うと賢者は魔法で勇者を操り二人がかりで戦いだしました。気絶してても操って戦わせるとか鬼の所業です。悪魔!鬼!人でなし!

しかしそれでも化け物戦力二人分、マスクロボットは攻撃を何回もくらい始めました。

が、


ガキンッ


「効いてない…!?」


どこにくらっても攻撃が弾かれます。正確に言えばかすり傷くらいはつくのですが、ダメージには程遠いです。


「フンッ…」


余裕の笑みを浮かべる元生物魔王でしたが、中の人(ラスボス)はといえば、


(しまった……動きをよくするために丈夫にしたら硬くしすぎたな……)


そんなことを考えて焦っていました。

それでも少しは傷がつくので時間をかければ決着をつけれそうですし、別にラスボス的には長引いても問題無いのですが、


(そうなると作者と読者が困る)


ということです。さすが気遣いのできるラスボス。

どうしたものかとラスボスが考えていると、


「ちっ、埒があかねえな。よし、ブラン!あれやるぞ!」


「わかったわらーくさん(裏声)」


賢者は操り人形勇者とともに一度離れ、そんな一人芝居をうっていました。

そして、


シュッ


それと同時に窓から投げ込まれるある物体。


「!」


それを目にしたことでラスボスの頭の中にひらめきの閃光が走りました。勝利の法則は決まった!


「いくぞっ!グラビティルーム!」


「ぶれいぶばーすとっ!(裏声)」


賢者の発動した魔法が命中したことで真っ黒な球体が出現・膨張し、強烈な引力で魔王マシンをダメージを与えつつその場に引き留め、更にそこへ勇者の魔法で真っ白な光球が命中します。

そしてそれよりほんの一瞬速くメカ魔王は先ほど投げ込まれた物体ーーーバナナの皮を全力で踏み抜いていました。そうすれば当然猛スピードですっ転び、それと同時に自爆装置を起動。

光球が先ほど命中した位地で猛烈な光とエネルギーを放出して大爆発を起こすのを隠れ蓑に、


「おのれ勇者と賢者ー!」


ドッカアアアアァァァンン


自爆装置により爆散消滅しました。


「吾輩の体がああああああぁぁぁぁっっっっ!!??」


地味に目を覚ましてて目の前で自分の体が爆発するのを目撃してしまったマスクロ(変なの)の意識も再び消滅しました。


こうして、勇者と賢者は無事に魔王マスクロを討伐したのでした。

めでたしめでたし。


バナナの皮の飛んできた窓の外では巨大なゴーレムがサムズアップしていました。

作者は何も(以下略)



シュウウウゥゥー


「ふう、終わった終わった。なかなか楽しかったな」


「お疲れ様ですご主人様。冷たいお茶飲みますか?」


「ああ、もらおうか。にしても助かったな。自爆をうまく偽装できてよかった」


「そういえばあれわざわざ自爆する必要はあったんですか?」


「……強度を上げすぎてな…念のため仕込んでおいた自爆装置じゃないと倒され切れなかった」


「そう…ですか…。でも負けなくてもよかったのでは……?」


「それはだめだ。我はラスボスだからな、勇者には最後は負けなければならない」


「は、はあ……」

お読みいただきありがとうございました。


この通りとんでもない超スロー更新でしかもとんでもない駄文ですが更新止める気は更々無いので、このふざけた素人文章で人生の時間を無駄にできる覚悟のある方、なんとなく気の向いた方はぜひとも首をキリンの百倍くらい長くしてお待ちください←

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