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ラスボスさん。  作者: 有負 王
章ってなあに?ーーしょういうこと(章機能を使ってみたかっただけ)
4/25

魔王少女って書くとなんか魔法少女と似てる

新年、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。


……。


おのれえぇぇぇ!!数学の課題めええええぇぇぇ(ry


…という訳で新年一発目、四話目をどうぞ。


(2022/5/3改稿)

おのれえぇぇぇ!!大学の課題めええええぇぇぇ(ry

ここはとある地下室。石造りで、学校の教室くらいあります。いくつかの蝋燭で照らされてる他に、天井はなんか光ってて、わりと明るい部屋でした。

天井が光ってる仕組みはなんか、魔力的なあれです。作者にもよく分かんないですがファンタジーなので察してください。


ピカアアァァァ


突如、部屋一面に紫色の光が満ちました。

そして、光が収まると、


「…へ?ここどこ?」


部屋の中央には一人の少女が立っていました。

鮮やかな紫のロングヘアーに、同じくアメジストのような綺麗な紫の瞳。そして頭には角。

まるでラノベとかに出てくる魔族のような見た目でしたが、よく見れば顔立ちはやや日本人っぽく、服はセーラー服でした。

その戸惑う少女の目の前には、


「おお!成功したぞ!」


黒くてちょっとボロボロなフード付きローブを羽織って、なんか立派な白髭を生やした、


「ぎゃーお化けー!!」


喋る骸骨がいました。


「お、お化けとは失敬な!ワシはこの世界にはよくいるスケルトンじゃぞ!」


いきなり指差してお化け呼ばわりされちょっと怒る骨じいさん。でもこの見た目ではお化け呼ばわりも仕方ありません。


「ううぅ…」


しかし涙目になって怖がる少女を見てはっとなり、すぐに緊張を解こうと慌てて話しかけ始めます。


「あ、そ、その、そうだ、お菓子とかどうじゃ?ほら、一旦落ち着いてお茶でも飲みながら」


「うわー来るなー!お菓子持ってないけどいたずらしないでー!ハロウィンはもう過ぎたぞー!」


「ハロウィンって何!?…い、いやいや、不思議に思うのは分かるから」


「七不思議なんて信じないからー!理科室に帰れ!」


「な、七不思議!?理科室!?何それ!?…って、そうじゃなくて…まあ、なんじゃ、ここじゃ不安じゃろ、取り敢えずワシについて来て」


「知らない男の人についてっちゃ駄目だって言われてるもん!私に何する気!?」


「なんもせんけど!?何そのルール!?」


次々と繰り出される文字通り別世界の反論に訳が分からず頭を、というか頭蓋骨を抱える骨じいさん。


「あーもう、頼むから取り敢えず落ち着いてくれんかのお…」


「ラスボス参上!」


チュドーン


「「!?」」


そこへいきなりラスボスが現れました。出現と同時に背後に爆炎の演出付きです。

取り敢えず背後に爆発起こしとけば大体かっこよくなるのです。日曜朝の戦隊ものとか。

更に増す混乱。しかしラスボスは気にしません。On my way.


「ひう、なんか魔人みたいなの来たぁ…」


「魔人ではなくラスボスだ」


少女の呟きに即座に訂正するラスボス。誰が何と言おうと彼はラスボスなのです。


「あんた誰よ!?ってかどっから来たの!?」


「通りすがりのラスボスだ。覚えておけ。何か召喚魔法の気配がして面白そうだったから空間を蹴破って来てみた。それで、何を召喚したんだ?勇者か?勇者か?それとも勇者か!?」


「勇者以外の選択肢無いの!?」


完全にラスボスのペースに乗せられている骨じいさん。あれ~?乗せられちゃった?

少女は驚きすぎて黙ってるし、なんかもう色々諦めて説明することにしたようです。


「…取り敢えずこれは勇者じゃなくて魔王召喚じゃ。ほれ、そこの子、今召喚した子なんじゃが、角生えてるし、素人でも分かるくらい魔力も多くて濃いじゃろ。…まああんたには及ばんようじゃが」


「ラスボスだからな」


ラスボスだからです。


「…まあとにかく魔王としてその子を異世界から召喚した訳じゃ」


「えっ…じゃ、じゃあこれが噂の異世界召喚…?あれ、でも魔王…?」


一旦落ち着いた少女が未だに少し混乱しつつそう呟きました。


「ああ、安心せい。魔王とは言っても別に人間と敵対する訳ではないし、魔族をまとめるだけじゃから。それも実際はワシがやるから、お飾りみたいなもんじゃよ」


つまるところ日本の天皇陛下みたいなものです。

…待ってくれ、これはあくまでわかりやすくするための表現であって(略)


「じゃあ、なんで私を…?元々いる魔族の人でもいいんじゃ…?」


「そりゃあな、やっぱりお飾りとはいえ、強い奴がトップにいた方が外交的にもいいし、安心感があるからじゃ。まあ実際力もある訳じゃし、緊急時にはある程度は戦えるようにはしてもらうが」


それを聞いて少女がちょっと涙目で言いました。


「えぇ…私、戦いなんて…」


「ああ、そこまで重く考えんでいい。力があるって言ったじゃろ。だから基礎だけでいいんじゃ。元の力が強いからそれだけで普通相手は手も足も出んよ」


「ほうほうなるほど」


「…普通(・・)は、じゃからな」


なんか力が強い云々のところでめっちゃ目を輝かせて頷くラスボスにジト目でそう言う骨じいさん。

骨しかないのにジト目とか分かるのかとか言われそうですがファンタジーなので仕方ありません。


「で、でも、力が強いって言われてもあんまり実感ないんですけど…」


「それなら取り敢えず適当に何か殴ってみればいい。そうじゃな、じゃあこの煉瓦なんか」


「えい!」


「えっちょっと待って何でワシ」


ガッシャーン


少女は言われて即座に煉瓦を掴んで、骨じいさんをぶん殴りました。ものの見事に骨じいさんは粉々になりました。


カタカタカタ


「…はあー…いきなり煉瓦で殴られるとは思わんかったわい…まあ、ワシは再生能力高いから本気でやられなきゃまだ平気じゃが…ま、これで分かったじゃろ」


「じゃあ今度は本気でいってみます」


「やめて!?何でそうなるの!?」


さっきの煉瓦は砕けてしまったので別のを拾ってもう一度振り上げる少女。


「いや、本当にそうなのかなって思って」


「ホント!ホントじゃから殴らんといて真面目に!」


必死で言う骨じいさん。少女は落ち着くと意外とバイオレンスでした。


「じゃあ、それともう一つ、さっき魔力って言ってましたけど、どうやって使うんですか?」


「あ、ああ、それはじゃな、使いたいのを頭に思い浮かべて、使う意思を強く持てばできるぞ。お前さんは魔王じゃからな、それだけ魔力があれば大体のことはできるじゃろ」


「じゃあ試しに…」


「ちょっと待ってワシの方見るの止めて」


「えい」


ゴンッガシャン


骨じいさんの上に金だらいが降って来ました。再び砕け散る骨じいさん。

…今時の若者は金だらいを知らない?そんなことは…ない…はず…


カタカタカタ


「非道い…」


「適当に攻撃ってだけ考えたら何故かたらいだったんですけど…」


「大雑把だったからじゃろうな。具体的に考えれば…ってそろそろワシで試し撃ちするのはやめ」


「えい」


ゴンッガシャン


ボウッ


「あっちゃっちゃあっつい!熱い!あっつい!」


真っ赤な炎を纏って燃え盛る金だらいが降って来ました。やっぱり砕け散る骨じいさん。

しかし即座に元に戻って騒ぎながら火を消しにかかります。


シュウー


「ああ…ワシのローブ…」


「何で全部たらいになるの!?」


「ふむ。どうやら魔力がたらいの性質を持っているらしいな」


「たらいの性質の魔力って何!?」


冷静に分析するラスボスとツッコむ少女。

たらいの性質の魔力については深く考えてはいけません。ファンタジーなので仕方がないのです。


「たぶんお前は何の魔法を使ってもたらいが出るだろうな」


「嘘…」


「本当だ」


「…ちょっとダサいんで…あんまり…使いたく…ない…ですかね…」


「ふむ、じゃあ単純に身体能力だな。そうだな、そこの剣で戦うのはどうだ?」


「これですか?」


ラスボスに言われて、少女は近くの立派な台座に刺さっていたなんか凄そうな剣を手に取りました。


「ああ、それはじゃな、歴代の魔王に受け継がれている魔剣、その名も"スーパーミラクルハイパワーエクストリームウルトラギガンティックメテオデラックスレジェンドダーク超絶凄ヤバ過ぎソード"じゃ」


「だっさ!?なっが!?」


立ち直って説明する骨じいさんとあまりにあんまりな名前に驚愕する少女。ダサい!長い!強い!

言ってる骨じいさんも心なしか疲れてるように見えます。


「えっ、その剣作った人そんなにネーミングセンスなかったんですか…?」


「いや、この剣は今まで名前が無くてな。"魔王に継がれし(いにしえ)の魔剣"とか呼ばれてたんじゃが、お前さんの前の魔王がこの名前を付けた」


「先代の魔王酷い!?っていうか前の名前のがかっこよかった!?」


先代の魔王はなかなかにバッド(良い意味に非ず)なネーミングセンスの持ち主だったようです。


「とにかく強い魔剣、ってことだな」


「ああ。それも魔王のために存在する魔剣じゃからな、魔王が振るう時に最もその力を発揮する。剣自体の能力は完全に解放され、それを持つ魔王の力も圧倒的に底上げされるんじゃ」


そこでラスボスの目がきらりと光りました。


「なるほどなるほど…。よし、じゃあ試しに我に斬りかかって来い!遠慮も手加減もいらない!さあ!」


「分かりました師匠!」


「えっ何でそんな流れになってんの!?っていうかいつの間に師弟関係になったのあんたら!?」


強いと聞いてからずっと戦いたくてうずうずしていたラスボスがこれ幸いと力試しする方向に持って行き、なんかノリノリで賛成する少女。

チャキリと魔剣を構え、


「あっ待ていくら何でもそいつ相手じゃその剣でもさすがに」


「おりゃー!」


慌てて止めている骨じいさんをよそに、少女は全力でラスボスに切りつけました。


パキーン


「あああぁぁぁぁぁーーーっ!?」


折れました。


「折れたな」


「あ、ああ…スーパーミラクルハイパワーエクストリームウルトラ以下略ソードが…」


「長すぎて略すならもうその名前言わなくてもいいんじゃないですか」


「そうね…ってそうじゃないわ!折れちゃったんだけど魔剣!えっどうするの!?緊急時どうするのコレ!?」


ものの見事に折れた魔剣を見て慌てふためく骨じいさん。

それを見たラスボスがちょっと思案顔をして言います。


「ふむ、これが無いと困るのか?」


「困るに決まっとるじゃろ!緊急時用の最終兵器なんじゃぞ!」


「なら代わりになる武器があればいいんだな、よし分かった」


ラスボスがそう言って無造作に腕を突き出すと、


バチバチバキバリッ


「は!?」


「よいせ」


空中にひびが入り、そこに腕を突っ込んで一本の杖を取り出しました。


「えっちょっと今何したの!?ってかその杖何!?」


「空間を突き破って杖を取った。我の城で拾ったやつだ」


「…それ、おもちゃじゃないんですか?なんて言うか、アニメとかに出てきそうなんですけど…」


そう、その杖はなんかリボンとか宝石とかのごてごての装飾が付いた、いわゆる魔法少女っぽい杖でした。


「おもちゃじゃないぞ。れっきとした魔法の杖だ。しかもこの杖は…いや、使えば分かるか」


ラスボスがそう言って杖を少女に軽く放り投げました。


「えっ、あっ」


それを慌ててキャッチする少女。


その時です。少女の体が自然と動きました。


「"プリンセスチェンジ"!」


どこかからキラキラしたbgmが鳴り響き始めました。背景も光輝くピンク色に。

少女の体が軽く宙に浮き上がると、無駄にメルヘンチックなサウンドエフェクトを響かせ光りながら、みるみるうちに服が変わっていきます。

完全に衣装が変わると、その場にシュタッと降り立ちました。

いよいよbgmも終盤へ。


「悪を浄化し人々を癒す!魔法少女、プリンセス☆キュア!」


ビシッとポーズを決め、変身が完了しました。


「……」


黙り込む骨じいさんと少女。


「よし、問題ないな」


腕組みしながら見ていたラスボスが満足げにそう言いました。


「…も、問題ありありですよ!?」


顏を羞恥で真っ赤にしながら少女がそう叫びました。頭からボフッと煙が出ました。


「どこがだ?」


「全体的にです!大体何なんですかこの衣装!?」


そう叫ぶ少女の今の姿は、全体的に紫で統一された、やれフリルの沢山付いたふりふりのスカートやら、小さめだけどちゃんと存在感のある頭のリボンやら、その他色々宝石やらハートの意匠やらの付いた、ザ・魔法少女といった感じでした。というか魔法少女でした。


「その杖は装杖(そうじょう)と言ってな、持ち主に鎧やローブ等の装備を纏わせて強化することができる優れものだ。今のは初使用だったから、こうすれば変化できるというお試しだな。普段は変化するかどうかは任意だ」


「いやでもこれ鎧でもローブでもないですよねどう見ても」


「ああそれは、そのままではつまらなかったから異世界の衣装を参考に我が改造したらこうなった」


「なんてことを…」


がっくりと膝をつく少女。

ラスボスが暇人なのとよく日本のアニメとかゲームを面白がって見ていたのが運の尽きでした。

…その割に版権に引っかかるネーミングばかりする?きっと物忘れが酷いのよ(適当)


「ちなみにその杖の名はお前がさっき言ったように"プリンセス☆キュア"、略してプ〇キュアだ」


「略したらアカン!?」


思わずエセ関西弁でツッコむ少女。

相変わらずラスボスのネーミングセンスは悪い意味でミラクルです。物忘れが(以下略)


「それは何故かネモフィラにも言われたんだが…。あ、それとだな、なんとその装備には二つモードがある。今の姿が"プレリュードドレス"、もう一つが…いや、それはその時のお楽しみだな」


「何ですかそれ怖いんですが」


思わせ振りなラスボスの発言に少女が思わず身震いしました。きっと楽しみだったのでしょう。


「まあそんな訳で略称は"プレキュア"で妥協してくれ」


「それでもだいぶグレーゾーンだ!?」


「の、のう、その杖の大まかなことは分かったが、強いのかそれは?緊急時用だから強くなければ困るぞ」


そこで今まで蚊帳の外だった骨じいさんが戸惑いながら言いました。


「そこは全く問題ないぞ。少なくともさっきの剣よりは余裕で強い。そうだな…そこの壁とか殴ってみろ」


「はい」


「あっ嫌な予感」


少女が壁を殴りました。


ガッシャーンガラガラガラドグシャ


壁が粉々になり、天井が崩壊しました。


「どうだ」


「城が…」


「おお」


地下室だったので生き埋めになりそうでしたが、ラスボスが結界張ってたので無事でした。(※約一名のメンタル除く)


「それだけではない。城が直るよう魔力を流してみろ」


「えい」


少女がラスボスに言われた通りにすると、瓦礫群が輝き、一瞬にして城が直りました。

しかし、


「…直った…のか?…じゃが、なんっか違うような…」


「一回外から見てみるか」


ラスボスが二人を連れて転移し、城の真正面に来ました。


「な…なんじゃこりゃー!?」


「やった!イメージ通りだ!」


「ほう」


そこにあったのは、おとぎ話とかに出てきそうなメルヘンな城でした。某夢の国の灰被りの城に近いです。

おっと誰か来たようd


「そうです!作者さんそれです!そのイメージです!一度住んでみたかったんだよな~…」


ちなみにあの城、遠近法等を駆使していて実際には(検閲されました)


「ふむ、なかなかいいデザインだな。やはり異世界はいい」


「ええ~…」


実は元々はもっといかにも魔王城といった禍々しく厳めしいデザインだったのですが、今はそれとはだいぶかけ離れた見た目です。

まともな魔族である骨じいさんが不満そうですが、魔王本人がいいと言っているので仕方ありません。

たとえ今回の話で骨じいさんが三回も粉々にされてローブを焦がされて魔剣を折られて城を木っ端微塵にされて勝手にメルヘンなデザインにリフォームされていても、少女が魔王である以上仕方がないのです。


「考えてみると今回ワシめっちゃ酷い目にあっとるな…」


仕方がないのです。


「……」


こうして、魔王召喚は成功し、武器は新しくなり城もステキにリフォームされました。ついでに魔王は魔法少女になりました。謎ですね。

めでたしめでたし。


「ワシはめでたくn」


めでたしめでたし。

お読みいただきありがとうございました。

特に新年早々こんなくっだらない小説読んでくれた方は本当にありがとうございます。あなたの人生の時間を無駄にしてしまって申し訳ありません←

ただ、たとえ更新遅くても人生が無駄になってもそれでもOKだぜ!という心が銀河系よりも広い方は次も気長にお待ちいただけると嬉しいです。


それと、毎回この前書きだの後書きだの書いてるのもなんなので、次回からは基本書かない方向でいきます。

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