映画「プリティ☆ルシファー~ルンルン花見の大決戦!?~」公開記念特別小説
この度は本小説に興味をお持ちいただき、誠にありがとうございます。
今回は拙作「プリティ☆ルシファー」の映画化に際し、新しく話を書き下ろさせていただきました。
本作を日頃よりお読みくださっている読者の方々はもちろん、本作に初めて触れる方にも親しみやすい内容になっていると思います。
映画の内容にもきちんと繋がる用になっていますが、これは所謂ちょっとした前日譚のようなものです。映画を見た後にお読みいただいても、十分にお楽しみいただけます。
本作に関わってくださった関係者の皆様方、そして読んでくれているあなたへ最大限の感謝を。
それではご覧ください!
ところで、今日は4月1日からちょうど1ヶ月ですね。
「ああぁ~~っ!!遅刻遅刻ぅ~っ!!」
あたし、月立空。虚口高校1年生、と言ってももうすぐ2年生になるんだけど。
今は、皆でお花見するために朝から場所を取る…はずだったんだけど、寝坊して絶賛爆走中。
まさか、春休みにまで古き良きボーイミーツガールのテンプレみたいなセリフを言うことになるなんて…!!
ちなみに残念ながら、あたしが走っているのは土手沿いの開けた遊歩道だからミーツできる曲がり角はない。というかそもそもこの辺りにはあんまりイケメンはいない。
いるとすれば──
『おいおい、この俺様を忘れちゃいないか?』
突如脳裏に響く、癪に障るような低めの声。
「……」
無視する。答えたら負けだ。
『フッ、何も照れなくてもいいじゃないか…いや何、俺様は知っているぞ。ツンデレというやつだな?』
なおも無駄にイケメン感のある声を響かせながら、あたしの横に躍り出る影。駄目だ、見たら負け、見たら負け…
『まあ落ち着け、勝ち負けなど気にしている時点でお前は既に堕ちているん』
「うるさい!」
ベチンッ
「ダッ」
とうとう目の前に出てきたので反射的に手で払ったら綺麗にビンタが決まって、ちょうど車道側に飛んでいった。
ブオオオオオオォォォ
「アアァァァァァ…」
しかもこの時期特有の高速騒音バイクがあいつにぶつかって、そのまま連れ去って行った。相変わらずウザい音量で思わず顔をしかめたけど、煩わしい声も聞こえなくなったからこの時ばかりは感謝したいかも。
~☆☆~
「ぜぇ、はぁっ、はぁっ…」
『フッ、もうバテたのか?いや違うか、知っているぞ、人間は万年発情期だと。さてはこの俺様の隠しがたい色気に猛烈な情熱を感じt』
「ふんっ!」
ドゴッ
「エイプリルッ」
結局またこいつは案の定戻ってきて、何回か同じようなやり取りを繰り返しながらどうにか狼来公園までたどり着いた。公園と言っても遊具があるようなのじゃなくて、いわゆる自然公園?みたいな感じの場所だ。桜の木がたくさん植えられていて、今の時期は絶好のお花見スポット。
公園は意外とまだまだ空いていて、てっきりいい場所はもう取られちゃったと思ってたからラッキー!…って呑気に考えてたけど、何か様子がおかしい。
「人はいっぱいいるのに、皆公園から離れてる…?」
「おや空ちゃん。ちょうど今来たのかい」
近づいてみると、知り合いのお婆ちゃんに声をかけられた。名前までは知らないけど、自治体のイベントで何度か会ったことがある人だ。
「実はねぇ、あの中に化け物が出たんだってさ」
「えぇ!?」
『…いやいないが?』
驚いて思わず身構えちゃったけど、隣からの声を聞いて胸を撫で下ろした。気には食わないけど、こいつの探知能力は抜群だから間違いない。
「…とりあえずあたし、入って確かめて来ようかな」
「やめといた方が…」
そう言いつつも、一瞬躊躇う様子を見せたお婆ちゃん。ちょっと気になったけど、そのまま─
「あっ!待て!」
「ぐふっ」
急に飛び出してきた小さい影にタックルされた。
「ああ保良!」
するとお婆ちゃんが駆け寄って来て、誰かを抱き締めた。よく見ると、小学校低学年くらいの男の子だった。
どうやら、あたしにぶつかってきたのはお婆ちゃんのお孫さんだったらしい。なるほど、まだ合流できてなかったから、さっき一瞬あたしに探してきてもらおうか迷ったんだな。
「お、おい待てよ!化け物がいるんだぞ!」
「うーん、もうどっか行っちゃったんじゃないかな~」
なぜか男の子がまだ騒いでるけど、あたしは普通に公園に入って、持ってきたシートを桜の木の前に敷いて座った。間違いなく化け物なんていないし、場所はどのみち取らなきゃいけないし。
そのまま座り続けてスマホで桜の写真を撮ったりしていると、徐々に他の人達もやってきた。
「何だよ、化け物なんていないじゃないか」
「まったく、ホラ吹き小僧が」
どうにも、話を聞く限りではさっきのお孫さんが原因らしい。
「まあまあ、本当にどこか行ったのかもしれないよ」
「"天使"が現れた場所から遠くに移動するなんて聞いたことないぞ」
「野生動物かもしれないだろ」
「それだったら化け物なんて言い方するか?普通」
なんか空気がギスギスしてる…。
そういえば、件のお婆ちゃんたちは…いた。2つ隣の木の前にいるけど…あっ、男の子が林の方に行っちゃった。1人で大丈夫かな…。
~☆☆~
くそっ、何でだよ…。前におばあちゃんが特別好きだって言ってたあの桜の前に行きたかったのに。もうあの場所取られてたし、皆を追い払ってもすぐ戻って来ちゃったし…
「何で上手くいかないんだよ!」
『信心と力が足りないのですよ』
「!?だ、誰だ!」
『ああ、まったくです…何故、誰がこの世で最も貴き存在なのかを理解しない愚者達がこの場所にひしめいているのでしょう…あなたの気持ち、よく解ります。嘆かわしい、嘆かわしい』
「な、何が!?ぜんぜんわかんねーよ!」
『たしかに。まるで解せません…この場所は貴き地…愚者に相応しき場所ではありません。それなのにあの愚者達ときたら、我が物顔でこの地を汚していく』
あちこち見回してたら、ようやく気づいた。白っぽく光るお兄さんがこっちへやって来る。肩の出た変な格好で、背中に羽が生えてる…化け物!"天使"だ!本物の!
やばい、皆に知らせなくちゃ─
「化け物が─」
~☆☆~
「うん?一瞬何か聞こえたか?また化け物がどうとか」
「やめろやめろ、気のせいだろ?それかまた悪戯坊主の悪ふざけだ。一々邪魔されてたら酒が不味くなるわ」
~☆☆~
あれ、声が出ない、何で…
『解ります、解ります。愚者達に私の降臨を知らせようとしたのでしょう。貴き身を知らしめようとしたのでしょう。しかし、その前にあなたに洗礼を与えねば。先の通り、あなたには信心と力が足りない。なれど、あなたの信仰は本物だ』
しんこうって、何の話!?
『この地を主に献上するために、愚者達を遠ざけようとしたのでしょう。誰が貴きものなのか、理解していたのでしょう。なれば、それを自ら成す力を。自ら、主に功績を示す栄誉を』
知らない知らない!違う、そんなんじゃない!
『おお、謙虚なる信徒よ。そうだ、あなたは矮小なる愚者達とは違う。恐れるな、謙虚なる信徒よ。ああ主よ、このものに赦しを。慈悲を。この地を我等の聖域とせん』
~☆☆~
「…が…ぞ…」
「?」
今、あたしは無事に約束してたメンバーと合流して、お花見を楽しんでたんだけど…何か聞こえたような。
「あら?保良?」
後ろからの声に振り向いてみると、そこにはさっきのお婆ちゃんとお孫さんが。
「探したのよ、どこ行って」
「"天使"が…出たぞ…」
「保良…?」
「何だぁ?まぁだふざけてやがんのか。おい坊主、いい加減に」
ぼそぼそと呟くお孫さんに、近くにいた不機嫌そうなオッサンが絡みに行ったけど、様子が─
「"天使"が出たぞぉぉぉぉぉ~~~~っっ!!!」
「!?」
お孫さんが急に叫ぶと同時に、その身から強烈な光を放った。お孫さんの背中からは純白の羽が片方だけ生えて、公園一帯が白い半透明なドームに包まれる。
まずい、"天使"だ。それもお婆ちゃんのお孫さんが"洗礼"を受けている。
『ぼーっとするな、行くぞ!』
横のうるさいのにせっつかれながら、急いで林に隠れる。そしたらすぐ目の前に現れた杖を手に取って、念じる!叫ぶ!
『「フォールダウン!」』
いつものように黒っぽいオーラに包まれて、衣装がどんどん変わっていく。
無難なパーカーとショートパンツから、無駄にフリルの多いドレスに。
最近新調したスニーカーから、踵が凶悪な尖り方をしたヒールに。
とりあえずで被っていたハットから、黒いリボンでまとめた重たいツインテールに。
コンパクトにまとめてるのが地味に自慢な小さい鞄がどこかへと消えて、ごてごてした飾りの付いた大きめの杖が手に。
その他目と髪の色がたぶん変わって、そのまま流れで決めポーズと名乗り口上。
「可愛く堕天!プリティスカイ!」
『華麗に堕天。エレガントルシファー!』
『「今ここに堕天!プリティ☆ルシファー!」』
「…これ、毎回やるのどうにかならないの?」
『ならないな』
今あたしが文句をつけたこいつ…自称ルシファーは、さっきまでと違って体が透けてないし、派手な衣装に変わっている。普段避けているからどれくらい違うのかは把握してないけど。
そう、この魔法少女じみた変身は強制的にポーズをとらされる上に、うるさいこいつが実体まで得てしまう。辛い。ドヤ顔がウザい。殴りたい。
だけど、
『うおおぉぉぉ~~っ!』
「っっ!」
戦力としては間違いなく頼もしい。今も林から飛び出てすぐに"洗礼"を受けたお孫さんに接近し、目にも留まらぬ速さで殴りまくっている。
いけないいけない、あたしもやらなきゃ。
「コラプション!」
「ぐあっ!」
杖を地面に叩きつけて技名を言うと、お孫さんの足下から赤い手が何本も生えてきてその身を取り押さえた。
いける!
「プリティ☆デモーション!」
「アアアァァアアァァァァ…!!!」
杖から出た深紅のビームが、お孫さんに直撃して羽とオーラを消し飛ばした。
良かった、元に戻っ…
『堕ちろっ、エレガント☆フォール!』
『っく!』
バチッバチバチィッ
ルシファーがあたしの背後に向かって飛び蹴りを放って、直後に何かと拮抗している音が聞こえた。
慌てて振り返ったら、すぐ後ろに"天使"がいた。やっば、全然気づかなかった…。
そのまま"天使"を吹き飛ばすと、反動でルシファーもちょうどあたしの隣に戻って来た。
『チッ、固いな…やはり中位の奴か』
『うっ…ああ、素晴らしい。あなた様はまだ、汚れきっていない。堕ちてなお、それほどの力。まだ遅くはない、お戻りください、ルシファー様。主は寛大です、頭を垂れ、"再臨"なさればお赦しくださることでしょう』
『フッ、断る。それに色々と都合がいいからルシファーで通しているだけで、今の俺様の正しき名はサタンだ。覚え直しておくがいい』
『ああ、嘆かわしい、嘆かわしい。愚者達に汚されてしまっているのですね。しかし、私ならばあなた様を連れ還れる。還りましょう、偉大なる主の御許へと』
『そうか、ならば一人で還るがいい。俺様にはこの伴侶がいるからな』
「誰が伴侶だ、誰が!」
そこはきっちり否定しておく。
皆には正体こそバレてないけど、プリティ☆ルシファーがカップルだという根も葉もない噂が出回っている。この状態で万が一うっかり身バレしたら、余計にめんどくさいことになる…!
『ふむ、なるほど、なるほど。ならばその愚者も連れ還ればよろしい。手間はかかりますが、"祝福"を授ければ良いでしょう。例え元が愚者であろうと、貴きものが増えることを歓迎しない道理はありません。人は過つもの。主は喜んで赦しを与え、受け入れるでしょう』
『………。フッ、自ら堕ちた俺様が今さらそんな甘言に乗せられるとでも思ったか』
「今の間は何だ今の間は」
思いっきり揺らいでるんじゃないよこの駄天使が!
"天使"も毎回かの有名な堕天使呼ばわりするけど、やっぱり何か勘違いしてるんじゃないの!?こいつも前に『"天使"とあのアホは信仰が薄れすぎて狂ってる』って言ってたし!
いや、でもその言葉が本当なら、そんなこと知ってるこいつは本物のルシファーってことに…?
「あーもうこんがらがってきた!!」
『見なさい、あなた様の伴侶は既に迷っておられる。これほどあなた様を慕っているものが、あなた様が決断しないが故に悩み苦しんでおられる』
『フッ、違うな。伴侶として認められたことを照れて、その照れを一瞬でも表に出したことを恥じて悶えているのだ。俺様にはわかる。ツンデレというやつだ』
「どっちも違いますけどね!?」
ほんとに何なの、気が抜けそう!
おい"天使"、せめてあんたはシリアス要員でいてよ!
狂ってるって話通り、基本言葉は通じても話が微妙に通じないはずなんだけど、なんでこういう時に限って上手い具合に会話成立してんの!?
『ああ、仕方がありません。あなた様は堕ちているが故、幸いにも力量ではこちらが上。伴侶ともども連れ還り、あなた様の幸福を、引いては主と世界の喜びを。僭越ながら、この私が実現してみせましょう』
『余計なお世話だ、バグ"天使"め』
『ええ、ええ。そうです、その通りです。あなた様は本来、格別に高貴な身。御自ら動かれずとも、ただ、矮小なる私どもに世話をさせればよろしい。身を委ねるのです』
『チッ、いよいよ話がずれてきたか』
そうだ、これがいつもの調子だ。いいぞもっとやれ。
とはいえ、中位以上の"天使"は並大抵の強さじゃない。しっかり連携しないといけない…んだけど、正直さっきまでのやり取りで身が入らなくなっている。地味にピンチかも…。でもまあやるっきゃない!
「コラプション!」
『おっと、血気盛んでおられる』
地面から生えた無数の赤い手を、"天使"は浮かび上がって避けた。まあそりゃそうだよね。
「ドロップ!ドロップ!ドロップ!ドロップっ!!」
『…ふむ』
杖を上下にぶんぶん振り回して、今度は赤い雨を"天使"の周囲四方に降らせる。体ごと回転しながら振るのがリズムよく連続でやるコツ。
というか、やっぱり地味に大変だわこれ…。応援団の旗だってこんな速度で振らないよ…。目も回るし。
でもこれで、あとはあいつがやってくれる。
『エレガント☆ダムネーション!』
『むぅっ!』
"天使"に突き刺さる青い閃光。ルシファーが放った雷の槍を、"天使"が腕と羽で受け止めている。
ビシッバチンッ、バチバチッ
『ぐおおおっ、さっさと堕ちろぉっ…!!』
『ぬうううっ…!!』
両者ともに拮抗しているように見える。
…でも、よく見るとルシファーの方がじわじわと圧されている。助けた方が良さそうだ。調子に乗りそうで正直嫌だけど…。
杖をルシファーに向けて、一瞬目を閉じて祈りを込める。
「シャックル」
途端に、ルシファーに赤い光がまとわりつく。そして、雷にも赤い光が混じってその勢いを増す。
『おおおっ!?フッ、フハハッ!どうやら我が伴侶が、とうとう心の奥底から溢れ出る愛を抑えきれなくなったらしい!ああ…感じるぞっ、マイハニーの鼓動がギャラルホルンの如き早鐘を打つ音がっ!』
…キモい、キモすぎる。手助けするのやめていいですか?この際もういっそ"天使"側に寝返ってやろうか。というかギャラ何とかって他の神話のやつじゃなかったっけ?
『うっぐっ、アアアアアア…!!かっ、かくなる上は……!主よ、我が身至らず御身の力を借り受ける冒涜、今この瞬間のみどうかお赦しを…"奇蹟"を!!』
あともう少し、というところで"天使"が"奇蹟"とか何とか言うと、突如強烈な光を放ち始めた。
『は?…馬鹿な、不味いっ!!』
「はい!?"奇蹟"!?何それ!?」
『あのアホの力を使って、本来上がらない位階を強引に押し上げるのだ!下位ならともかく、中位の奴に認めるとは…!』
…ルシファーが、見たこともない顔をしている。聞いたこともない声を出している。
物凄く怒っているのは間違いないけど、単に仕留め損ねたからとかそんな感じじゃない。それ以上の、何かが…。
『とうとうそこまでイカれてきたか大馬鹿者め!!文字通りに自分の首を絞めていることにすら気づかないとは、貴様も、あのアホも…!!』
ルシファーが吼える度、その身から青い炎のようなものが立ち上ぼり始める。だけど、そうして怒声を上げる間にも"天使"の纏う光は強くなって、その輪郭が歪み始めて…
ピキッ、バチバチバチッ、バキッバリィンッ…
ズドォンッ
『ぶぐあぁっ!?』
"天使"が勢いよく吹き飛びました。まるで交通事故にでもあったかのよう。ブレーキは踏んでいなさそうな勢いです。
哀れ、"天使"は自ら作り出した結界の壁に衝突。謎の発光も止まり、変わらぬ姿で見事にのびています。
『……』
「……」
「……」
途端、その場に広がる沈黙。自称堕天使、ゴスロリ少女、筋肉魔人の三人が立ち尽くします。
「…いや誰!?」
沈黙が破られました。
「我が誰か、だと?ふむ…」
空間をぶち破って生身で"天使"を交通事故にあわせた張本人はそう言うと、一度顎に手をやり考える仕草をしました。目が一瞬青く光りました。
そして、神をも射殺しそうな視線を堕天使の方に向けました。
「それは…お前が一番よく知っているのではないか、"神の無二の友"」
『ま、まさか…』
じろじろと無遠慮に筋肉魔人の全身を見回していた堕天使は、視線を受けて微かに震えながら声を漏らしました。
『お前は、本物の…魔王サタン…!?』
悪魔らしい立派な二本の角と翼を携えたそれは、我が意を得たりとばかりにニヤリと恐ろしい笑みを浮かべました。
「そうだ、我こそ"立ちはだかるもの"。とは言え、今はまだその時ではない…。また会えることを楽しみにしているぞ」
『ま、待て!』
「フッ、焦ることはない。お前達は必ず来る」
筋肉魔人はそれだけ言い残すと、黒い霧と化してどこかへと消え去りました。
それから月日は流れ、しばらくした後。
なんやかんやあって、彼らは"魔王サタン"と出会いました。
『そういや、あの姿が本来の姿じゃなかったのか、サタン』
『は?どの姿?ワシこの姿がデフォだけど』
「あー、あの初めて会った時、"天使"を蹴り飛ばしてた時のです」
『"天使"を蹴り飛ばす?』
『ゴツいマッチョの、いかにも魔人みたいな』
『ゴリゴリマッチョマンの変態?いやマジで何それ?というかワシらこの前会ったばっかりでしょ』
「えっ」
『えっ』
『えっ…いやえっ、何それ怖…。ホラー?』
「ふう…助かったな。前に我が来たことのある世界で良かった。しかも新たな勇者が我に挑むことが確約されたぞ。クックック…」
…お願いします、許してください!
これ去年出そうとしてたのにさらにまた来年とかヤバいし絵も間に合わせたんです(間に合ってない)
決してサボってたりサボってたりサボってたりした訳じゃないんです!
今年は少なくともあともう1話は出るので許してください(これは本当)
P.S.
絵は投稿報告と一緒にTwitterに上げているものです。
今回に限らずここ数話は挿絵もどきを上げているので、もし時間をドブに捨ててもいいという奇特な方がいましたら
「@originalastboss」
か
「#narouN4142EJ」
で探してみてください。後者のタグの方がたぶん探すの楽です。




