季節外れにも程があるけど現実の気温もバグってるのでセーフ
久々の月一更新です。そしてこの時期なのにハロウィンとか何も関係ない話でごめんなさい←
ハロウィンにうってつけなジャック(仮)君の再出演はちゃんとあります。そのうち。
ジャック(仮)「つまり今回のstoryには出てないということじゃないか!!Oh…なんとcrueltyな仕打ち…」
「いやーかわいそうだね向こうの人達は!ころな?とかいうので海にも来れないなんて!」
開始早々にメタ発言で読者に喧嘩売ってるのは、スピィさんでした。でも実際は皆ガン無視して行ってそう(偏見
海でした。
「喰らえー!」
バシャッ
「!? う、うぅ、何スピィちゃん!」
「デリィもやるんだよー!それそれー!」
バシャバシャバシャ
「きゃっ!や、やったな~…!」
バシャバシャバシャバシャ
打ち寄せる波。眩しい日差し。
「おほぉー!!ロリ!ロリの水着だ!!お兄さんも混ぜてくれぇー!!」
「フゥーハハハハ!!マイクロビキニとやらを着てみたぞ!!これでワシに見惚れた旦那様がムフフな事に…!!」
「成敗っ!!」
カキーン
「「アッー!!」」
「ネモフィラさんそれサニロじゃないですぅ!?」
※サニロ:スイカのこと
青い空。白い砂浜。
「うおおおお~~っ!!最高かよーーっ!!」
「うむ、悪くないな」
巨大スライムのビッグウェーブ。サーフィンする賢者と海上を並走する筋肉。
つっこみ不在の恐怖。
「という事で、つっこみ役に来ていただきました!わーパチパチ!!」
「そんな事のために呼んだの!?」
正体不明の青髪少女、フリルと並んでビーチパラソルの下で涼む青年が、期待通りのつっこみを披露してくれました。
彼はユージェさん。町で小さな郵便屋を営む青年です。相棒のゴーレムのオレンジ君とスライムのライム君がいて、たまに作者のお願いで色々やってくれます。バナナの皮とか杖とか。
「はあ、ご紹介どうも。まあ今日休みだからいいんだけどさ…というか何あれ。スライムの集合体?うちのライム君取り込まれたりしない?」
「そこは理解あるから大丈夫。ちなみにあちら、人喰いの森の主にして伝説の魔物のレイクスライムさんです」
「…あーそうなんだーへぇー」
「反応薄いね?つっこみは?」
「いや僕芸人じゃないんだけど…それによく考えたら竜王だの神だのひしめいてる中だったら別に珍しくもないよね、はは、ははは」
ユージェさんが乾いた笑いをもらしました。完全に現実逃避しています。
「そういえば君、暑いの嫌いって言ってなかった?」
「まあ君だけに任せるのもあれだし、なんとなく。それにこの体なら冷気出せるし」
「そりゃ助かるね。便利なクーラーだ」
「へっへっへ、もっと褒めるがいいぞよ」
「わーすごいわーわーわー」
「雑だなぁ」
「だってもうつっこみ入れるとこないでしょ。あの筋肉はいつも通りだし、他のだって」
「うわあああぁぁぁ!!」
「ぐわあああぁぁぁ!!」
ドスドスッ
「わひぇっ!?あっ、さっきのネモフィラさんのか…変態家の一族」
「…あのお化けスライムは初見だったけどさ…いや本当何あれ?完全に液体になってんじゃん、実は海自体がスライムだったりしないよね?」
「フラグ…と言いたいところだけど、さすがにそんなだったら全世界で海が進入禁止になってるよ」
「それもそうかぁ…。せっかくだし泳いでくれば?」
「今の話した後にそれ言う?」
「文字通りに次元が一個上みたいな君がそれ言う?」
「いやだって実際、あの大きさ目の前にするとさぁ…それに君が思ってる程大層な存在じゃないよ、私。ラスボスさんに捻り潰される程度」
「そうなの?」
「…まあほら、裏話的なのはまた今度、個人的に」
「ふーん…ん?何あれ?」
ザッパーン
「うわあぁぁぁ何だコイツ!?」
「触手だ!喜べ野郎ども!触手様だ!」
「キャー!いやーっ!!」
「エロ展開キタコレ!」
「作者さんよぉ~これはもうR15じゃ済まなくなっちまうなぁ~でへへへへ」
「うるさいよ阿呆ども!さっさと女子供は避難させてやりな!」
「そうはさせるか!こんな貴重なエロ要員を早々に散らせて堪るか!」
「それに今は作者が小説として取り上げてるシーンだ!従ってギャグ補正で安全は保証されている!!」
「「「うおおおお!そうだそうだー!」」」
「あいっつら…ここまで来るとむしろ男としては尊敬するわ。人としては最低だけど」
「何感心してんだい!さっさとどうにかするよ!」
「ほら、あんたもあのアホどもしつけに行ってやりな!」
「い、いやでもお前、私は力仕事てんで駄目なの知っているだろう?それにうちのは特に被害なさそうだし…」
「うわあああパパぁー!やべぇよこいつー!なんかぬるぬるしてキモい!」
「キャー!ショタよ!良質なショタよ!!」
「…うちの息子に何してくれとんじゃオルアァァン!?」
「なんかペンネルネのおっさんが覚醒したぞ!?」
「いいぞー!やっちまえー!!」
「うおおおおおおお!!」
(うちの息子のためならば、私は…もしかしたら私は、邪神すら倒せるかもしれない…ッッ!!いや倒せる!!!)
「うおおおおおりゃああああああああああ!!!」
「「「いっけえぇぇぇぇぇーーー!!」」」
ベチーン
「無理でしたあああぁぁぁぁぁぁ~~………」
キラーン
「パパー!!」
「…必要な犠牲でした」
「惜しいおっさんを亡くした…」
「へっへっへ、一時はどうなる事かと思ったが、これでもはや触手様を脅かすものはない!」
ザバアッバチーンッ
「「「触手様ーっ!?」」」
「ああ触手様の触手がカットされた!?」
「な、なんて恐ろしい事を…」
「蟹だ!今度は蟹だ!」
「旨そうな蟹だな」
「でかすぎて大味なんじゃねぇか?」
「フッ…切り捨てる蟹あれば拾う触手あり…ってな」
「上手そうで全然上手くない事言ってる」
「蟹○楽の看板に返して来なくちゃ…」
「いや明らかにそれよりでかいというかそもそもこっちの世界にないだろ」
「…にぎやかだね」
ゴーレムのオレンジ君にうちわで扇がれながら、死んだ目のユージェさんが呟きました。
「さあ盛り上がってまいりました」
フリルがストローでアプレン(リンゴ)ジュースを飲みながら言いました。美味しいです。プロテインは入ってません。
「盛り上がるとかそういうレベルじゃないだろコレ…いつもこんななの?」
「そりゃあ日常の盛り上がるシーンばかり狙って取り上げてる訳だからね、小説として」
「日常とは(哲学)」
「そういえばあの蟹とタコ食べれるのかな?」
「やめときなよ…さっき向こうの人達も言ってたじゃん、大味で美味しくないよ、きっと。ていうかあれタコなの?吸盤とか無くない?」
「お、エレガントカッターとクラーケンモドキじゃねぇか」
いつの間にかフリルの隣にいたラークさんがそう言いました。レイクスライムの上でサーフボードに乗ったまま。
「知っているのかラークさん」
「格好にはつっこまないんだ…いやそのスライムやっぱり怖」
「ああ。蟹がエレガントカッターで触手がクラーケンモドキだ。どっちも美味いぞ」
「本当に食べるのあの青いのとキモいの!?」
驚愕するユージェさんですが、青い食用蟹にはタイワンガザミというものが実在します。名前に台湾と入ってるのに日本にも普通にいるのは、ナポリタンが日本発祥みたいなアレですたぶん(適当)
「まあ青は食欲減退効果があるから不味そうに見えるかもしれねぇが、火を通せばちゃんと赤くなるぞ」
「将軍から大名になっちゃうって事だね!」
「何が?」
「もう一つのモドキっていうのは?」
「そっちはな、でかいイソギンチャクなんだ」
「イソギンチャク!?」
「そ、だからモドキ。根元も岩っぽくなってて、そこから触手が出てるから吸盤がない事以外はほぼ完璧な擬態だな」
「普通に強そうだけど、擬態する意味あるの?」
「移動能力はあるけど、いかんせんイソギンチャクだからな。わりと胴体の動きは鈍いし、あと目もほとんど見えないから感知能力も低い。大型の捕食者とか集団で狩りする奴らにはあっさりやられるぞ」
「そうなんだー、あんまり強くないんだね」
その時、オレンジ君がきらりと目を光らせたかと思うと、
ガシッガシッ
「え?」
「はぇ?」
ユージェさんとフリルを両脇に抱えてダッシュし始めました。イソギンチャクの方へと。
「ええぇぇぇぇー何でぇー!?」
「どうにも、あいつと戦おうぜって感じっぽいね」
「君があんま強くないとか余計なこと言うから!?」
「何でよそれ言ったら最初にそんな感じの事言ったのラークさんじゃんかー!!」
「言ってなかったよ大型捕食者とかで人間とは言ってなかったでしょーがー!?」
二人が口論する間に、どんどんイソギンチャクに近づいてきました。
次の瞬間、オレンジ君が二人をイソギンチャクの上に向けてぶん投げました。それに反応したのか迫りくる触手。
「うわあああぁぁキモい怖いキモい!!」
「うぉいしゃあー!!」
フリルが触手に両手を向けて気合い一発、イソギンチャクの全身が瞬時に凍りつきました。
「という訳でシメどうぞっ!!」
「うっそでしょ僕ろくな攻撃手段とかないんだけどああもうめんどくさいっ!やればいいんでしょやれば!燃え上がれ熱き炎我が敵を焼き尽くせ"ファイアーボール"!!」
ユージェさんがやけくそで放った魔術の火球。
護身用程度にしか魔術を覚えていない彼にとっては一応切り札的な、それなりに強い攻撃魔術ですが、目の前の巨大な化け物には到底致命傷にはなりそうもありません。
ましてや相手が凍りついているので、このまま当たったところで中和されるか虚しく消え去りそうです。
「あらライム君」
「えっ!?」
しかし、そこで地味にユージェさんの頭に乗って着いて来ていたライム君が飛び出しました。
火球を纏って凄まじく燃え上がり、勢いを増してイソギンチャクに突撃しました。
ズドオオオォォォォォォンッッ
「ラ、ライムぅー!?」
「…いい奴だったよ、あいつは」
その後、この一撃でイソギンチャクは見事倒され、ライム君も無事が確認されました。蟹もラークさんに倒され、ついでに地平の彼方から回収されたペンネルネさんも無事でした。
イソギンチャクと蟹は速やかに解体され、たこ焼きと塩茹でにされました。量もあるので全員に振る舞われ、お祭り騒ぎです。
「無事だったのは嬉しいけど、何で?スライムの弱点火だし、ライムは普通のグラススライムなのに」
「なんか魔法使ってたっぽいけど、火耐性と火魔法」
「何で!?」
「いや、何でって俺に言われても…ああ、お前んとこ郵便屋だろ?そこで字を覚えて魔導書呼んだとか」
「そんな馬鹿な…」
「で、味は?」
「…凄く美味しいのが悔しい」
めでたしめでたし。
・エレガントカッター
巨大な青い蟹の魔物。ハサミの片方が完全な刃物となっているのが最大の特徴。青く美しい体や、ハサミによって獲物を細かくカットして食べる様が優雅であるとしてこの名がついた。その名も手伝って殻を使った装飾品は上流階級に引っ張りだこであり、ハサミも切れ味の良さから武器の素材として重宝される。というかもぎ取ったハサミそのままでも普通に武器として使えるレベル。




