永遠なるプリンセスはルールに沿って封印を施す…流浪の旅の終わりに。
長らくお待たせ致しました。長年連載を続けてきた本作もいよいよフィナーレ、最終回を迎えます。
苦節四百年、連載開始当初は高校生だった私も今ではあの世界神大全のコラム欄にちょろっと出てくるだけのただのマイナー邪神。
連載中も、元号が令和になったり、消費税が10%になったり、タピオカが流行ったり、新型コロナウイルスが流行ったり、その影響で東京オリンピックが延期になったり、人類の滅亡が延期になったり、元号が神聖回帰になったり、消費税が250%になったり、召喚魔術が流行ったり、霊体化手術が流行ったり、第五千七十八次神話戦争が起きたり、地球が爆発して無数の浮遊大陸になったり、とうとう人類が本当に滅亡したり…本当に色々な事がありました。
…それでは、どうぞお読みください!
「ぐぅっ!!」
ばたり、と音を立てて巨体が地に伏した。その服はぼろぼろ、角は片方がへし折れ、翼も片方が破れ、もう片方は近くにちぎれて落ちていた。
周囲には数多の人間や二頭の竜が同様に地に伏していた。
その中で立っているのはたった二人の人間のみ。それはまさしく、この状況を為したのが彼等であるという事を如実に物語っていた。
その内の一人、白を基調としたきらびやかな、しかしどこか近寄り難い神聖さを持ったドレスや装飾品を身に付けた小さな少女がもう一方の老人へと話しかける。その服装は死装束のようにも見えた。
「ご苦労だったわね、セバスチャン」
「えっ、いえ姫様、私の名はマリ…ゴホン、何でもございません」
「…ちょっと、今のご時世咳をするなんて、まさかあなた、コロナに…」
「そんな訳ないでしょう!?誤魔化しの咳ですよ、それぐらい察してください!そもそもそれは向こうの世界の話であって我々の世界とは…いやそんなことより話が進まないんですが姫様」
「ふっ、それもそうね…」
呟いて、少女は老人を連れて歩きだした。屍の群れの中を。
「あっつまずいた」
『ぐぇっ!…いや待て待て、進路上でもないのに何でワシの大きさにつまず…いってえ!誰じゃワシに石を投げたのは、ってやっぱり娘か、ん?ジェスチャーか?"だ ま れ"…?何じゃやかましい、娘のくせに』
ガバッ
『やかましいのはお前だろうがあああああぁぁぁ!!』
ドゴスッ
『ひでぶっ!』
『死体役は黙ってくたばってればいいんだよ、何でそれだけのことができねぇんだこのダメ親父が!ってかどうせならマジでくたばれ…はっ!』
バタッ
「………静かになったものね」
「…そうですね」
そうして少しの間歩き続け、二人は巨体の前で止まった。
巨体が呻く。
「ぬうぅ…な、何という力…」
「無様ね、ラスボス…いえ、シュウマイチャーハン、ラ・ストレッチ・ボーリング・ストロー…」
「ぶっ」
「ふふっ」
「誰だマスターにあんな変な名前考えたの(小声)」
「違う!!終末の邪神、破壊流星だ!!」
「静かにしろ厨二野郎!」
「よりにもよってあいつかよ(小声)」
「誰だあいつに任せた奴(小声)」
「というかあれをどう間違えたらあんなダセぇ名前に(小声)」
「静粛に!小声でも聞こえてるだよ、今はまだ演技中だ(小声)」
巨体を見下ろし、少女は続けた。
「初めて会った時はまさか、あなたがあのラ・ストライク・バッター・アウトーだったなんて、聡明で利口で博識で超絶天才のこのリセス姫でも気づかなかったわ…」
「あの姫様、台詞ではさすがにそこまで盛ってはなかったかと…というかこの前のテストは全科目一桁」
「あれは全部十点満点だったのよ」
「普通に百点満点でしたが」
「ふっ…そんな大昔のことは忘れたわ…」
「三日前ですが」
「くっ…何という明晰な頭脳だ…なるほど、この我が屈する訳だ」
「でももうあなたの企みも終わり。全世界を小学生にするという計画も」
「掌握です姫様」
「全世界を掌握するという計画も、私達が阻止したわ。何かこう、聖なるスーパーパワー的な何かで」
「むぅ…だがまだだ、まだ終わらん!」
言いながら、巨体が立ち上がろうとする。しかし、少女が踏みつけて止める。
「おっほほー!僕も、僕のことも踏んでください!ああ…幼女のおパンツ…ロリのちっちゃい足えへへえへへハァハァ」
「黙れキモいんだよ変態(小声)」
「キショい寄るな変態(小声)」
「作者が自分で書きながらわりと本気で吐き気を催してるぞ変態(小声)」
「あはぁっ!もっと!もっと罵倒してぇんあはぁん(これ以上書きたくないので自主規制)
「そうだったこいつ老若男女見境なしなんだった(小声)」
「それどころか猪にも欲情してたよなこいつ(小声)」
「駄目だこいつ…早くなんとかしないと…(小声)」
老人が少女へと白銀の十字架を差し出す。
「姫様…これを。使い方はご存知のはず」
「ジュウジドライバー!」
「そんな機能ついてません」
「半額ジャムパン、ラ・なんとかぁ!何故私が、傷一つ負わずに、魔物に殴られることができたのか…」
「傷一つ負わなくても心臓に悪いのでもうそういうことやめてくださいね姫様」
「何故テストで最低点を叩き出せたのか、何故毎年外見年齢が成長しないのかぁ!!」
「やっぱりテストは自覚あったんですね姫様」
「その答えはただ一つ…ラ・なんとかぁ!私が、世界で唯一…あなたを止めるために、選ばれた女だからだぁー!はははは!!あなたを止められるのはただ一人!私よ!」
「なん…だと…」
「…私は三百年前、ラ・なんとかを封印するように神託を受けたの。いえ…もはやこれは呪いかもしれないわね。あなたを封印するまで、私に死は許されない。だから、老いもしないし怪我も負わない。テストの点も取れない」
「それは違うと思います」
「そうして、私はあなたを見つけるまでずっと色々な国の姫として生きてきた。見た目的にも違和感がなく、それでいて情報収集のしやすい立場だったから。でもずっといたらバレちゃうから、数年おきに国を変えた。ふっ、まるで流浪の旅をする永遠なるプリンセスね」
「強引なタイトル回収」
「でもそれも終わり。今日ここで、あなたを封印するから。この、聖なるスーパーパワーな十字架で」
「…だが、いいのか?その封印を行えばお前も共に封印されるぞ」
ラ・なんとかが問うが、姫は力強く頷いた。
「いいのよ。それが、世界のルールだから。テスト、やりたくないから」
「テストはこれからもやってもらいますよ、ルールですから」
言い終えて、姫は十字架をラ・なんとかの胸元に突き刺した。十字架が白銀の光を放った。
「リセス・スーパープリンセスの名において命ずる!このなんとかかんとかを封印せよ!」
「そんな家名じゃないです」
「お、おのれ、リセス・スーパープリンセスぅ~!」
こうして、ラスボスを名乗り世界を掌握しようとしていたなんとかかんとかは封印された。世界の平和は守られたのだ。
だが、この話を知る者は、世界の為にその身を捧げた者がいることを知る者は、いなかった。
めでたし、めでたし―――
~ラスボスさん。fin~
ご愛読ありがとうございました。有負 王先生の次回作にご期待ください。
「はい終わりぃっ!」
「やっとかぁ~」
「お疲れ様っしたー」
「お疲れっしたー」
「結局何だったのこれ」
「エイプリルフール、っていう向こうの行事だそうです」
「酷いぞ娘よ…あの仕打ちはあんまりじゃ…」
「作者がせっかくだから、とな。途中で飽きたらしいので適当にまとめたが。なお完結はしないし、これからする予定もないそうだ」
「ぼく、せっかくきあいいれてぼろぼろになったのに書いてもらえなかったなあ~…」
「作者が飽きたからな」
「そうだなあ~…せっかくだから竜王とそのまま遊んであげたら?」
「娘貴様おのれやめろその綿が漏れて腕が取れかけで上半身下半身真っ二つでバラバラで寄ってくるなやめろやめてくださいしんでしまいますおねがいしますりゅうおうですよろしくおねがいしますqあwせdrftgyふじこlp」
お読みいただきありがとうございました。見ての通りエイプリルフールですね、はい。終わりません。
衝動に任せて書いたのでかなり適当です。そしてかなり更新空いて申し訳ありませんでした。次はもっと早く更新…できるかは怪しいですが、更新自体をやめる気は全くないのでもし気があればふと気づいた時にでもたまに覗いてみてください。




