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ラスボスさん。  作者: 有負 王
章ってなあに?ーーしょういうこと(章機能を使ってみたかっただけ)
14/25

目の色が変わる(比喩でない)

…本当はね、今回もとっくに書き上げてあったので、きっかり一ヶ月で投稿するつもりだったんです。

ところが色々ごたごたしてて十日オーバーとなりましたやったね!←

「…のう、娘よ」


竜王がネモフィラさんの目を見つめて言いました。

ここはいつものラスボス城玉座の間。

ラスボスは例によって異世界散歩中です。今日はいったい何人の被害者(邪神や魔王etc.)が出るのか見ものです。


「…何だよクソ親父」


それに対し相変わらずの塩対応のネモフィラさんでしたが、日常的すぎてもはやほぼ気にしていない竜王でした。

それでいいのか竜王(笑)。


「えぇいやかましい!そうやって作者までどうこう言ってくるから黙ってるんじゃろうが!?」


「そりゃそうですよ、四六時中セッ○スのことしか考えてないゴミなんてそんな扱いで当然でしょう」


「もうちょいオブラートに包まんかはしたない!?」


「いつもいつもあんだけ交尾だの子作りだの言いまくってたらオブラートに包むもクソもねえだろうが!?」


ネモフィラ の しょうてい !


ゴスッ


みぞおち に あたった ! クリティカル!


りゅうおう に 9999 の ダメージ !


「おぶぉおおおぉぉぉおぉおぉおおおぉぉお!!!」


ゴロゴロゴロゴロ


りゅうおう は のたうちまわっている !


「ちっ、ほんと何なんですか、何で死なないんですかあんた」


そう吐き捨てるネモフィラさんですが、実のところ竜王も彼女の劇的な成長を目の当たりにしてからというものの、地道に鍛え続けているのです。

いくら竜王(笑)とかいっても実は世間一般的に見れば竜王(強)だったりするのでなめてはいけません(笑)


「ふっ、ごぉほっごほっ、そっ、そういうことじゃ」


「……秀才め…(小声)」


「!! えぇっ?何じゃって何じゃって?もう一回言ってみ?もう一回。えっ?えぇぇっ?」


「…黙れ」


バシィンッ


「ぴぎゃっ!」


ドガンッガラガラガラッ


竜王がネモフィラさんのビンタで吹き飛び壁に衝突し、そのまま壊れた壁の破片で埋もれました。


「で、結局何の用だったんですか」


ガラガラッ


「それはじゃなぁ…」


再びネモフィラさんの目を見つめる竜王。


「…嫌ですよレズな上に近親相姦とか」


「お前ワシを何だと!?」


「変態クソオヤジ」


「救いはないのか!?…はぁ~、まあ、それは置いといてじゃなぁ…お前、体調は大丈夫か?」


竜王がそう言うと、ネモフィラさんは寒気を感じたかのようにぶるりと震え、両腕で自らの体を抱きしめながら数歩後退りました。


「…いやあんたこそ平気ですか私の心配とか気色悪い」


「じゃからお前ワシを何だと!?ってあーもうそうじゃない!」


一向に進まない話に竜王が頭をぶんぶんと振り、びしっとネモフィラさんを指差して言いました。


「お前、目の色が変わっとるぞ!」


「…はい?」


首を傾げるネモフィラさん。


「いや、当たり前じゃないですか。大人になったら目の色が変わるのは」


そう、竜王という種族は成長するに連れ、目、正確には瞳の色が変化するのです。

ですが、


「いやな、確かにそうは言ったがの、お前の目は今青くなっとるんじゃ。本来ならワシと同じ金色になるはずであるのに」


竜王の言う通り、かつては燃えたぎる炎のような赤色だったネモフィラさんの瞳は、今は澄んだ空のような青色でした。


「とりあえず同じにならなくて良かったということはわかりました」


「だーもう人が真面目に心配しとるのに!?」


「そんなに言わなくてもどうせご主人様の影響では?」


「そりゃそうじゃが急激な肉体の変化に影響が無いとは」


「なんだかんだときかれたら、こたえてあげるがよのなさけー!」


竜王がやけにネモフィラさんを心配しまくっている所へ、らすぼすくん人形が乱入してきました。

というか冒頭でも触れた通り、ここはラスボス外出中の玉座の間なので、大人しく座ってただけで最初からいました。


「あんぎゃあああぁぁああああぁぁぁあぁああ!!」


「やかましい」


ベキッ(首の骨が折れる音)


「おうごっ!」


絶叫してうるさい竜王にネモフィラさんが手刀をかましました。

なんか首が真後ろ向いてますが、この竜王はこの程度では死にません。

現にそのまま這いずって物陰に逃げようとしています。どう見てもホラーです。


「らすぼすくんひーる」


「ひ、ひいえぇぇぇぇ…」


すかさずらすぼすくん人形が回復魔法をかけたものの、柱の陰に隠れてガタガタと震える竜王。


「らすぼすくんにきちんと礼くらい言わんかいゴミクズ」


「あ、あぁりがとぅーごぉざいましてぁっ!」


「はぁ…まあ良いでしょう」


「どういたしましてー!」


「あーもうこんなお礼の言い方でも許すなんて心が広いなあ偉いなあらすぼすくんは!」


「えっへん!」


「相変わらず態度が全然違うのう…」


「でねでねー、ネモフィラちゃんのめのいろのはなしだよねー」


話が逸れ始めたので、らすぼすくん人形が元の話題に戻しました。


「うん、そうだよ」


「お、おぉ、そうじゃ」


「それはねー、ラスボスのかごのせいだよ!ふたりともせいかーい!」


「いやそれはそうじゃと思っとったが」


「やったー!」


「で、そのかごだけど、いきなりどーんってちからがつくんじゃなくて、ちょっとずつじわじわーってなじむやつだから、わるいえいきょうはないよー」


そう言うらすぼすくん人形ですが、以前のデリィの件のようにある程度の防御や耐性的なものは勝手につきます。


「でもかんぜんむてきではないからそこからさきはどりょくしだい!」


「へえー」


「いやいやいやちょぉーっと待った!」


そこで珍しくらすぼすくん人形の前に自ら向かった竜王。


「わ、ワシにも旦那様の加護って、付いとるよな!?」


「うん、まえのデリィちゃんたちのときにつけて、ここにすむっていってたしついでにあげようってなってそのままー。むらのひとたちにもついてるよ」


なんと竜王はともかく、村人達にも加護が付きっぱなしでした。着実に支配域と戦力を拡大させていたラスボス。なんて恐ろしいのでしょう。


「じゃ、じゃあ何でじゃ!?何でワシはこやつに勝てぬ!?何で普通にワシにあれだけの攻撃が通る!?ワシより先に付いとったからか!?いやそれともまさか、ワシのよりもいい加護なんじゃ」


「失礼なクソジジイですね、らすぼすくんも言っていたでしょう、努力次第だと」


「いやそんなのワシだって」


えこひいきされている疑惑をかけられ、むっとしたネモフィラさんが静かに右手の人差し指を立てて言いました。


「ラークさんとの全力戦闘」


「うっ!?い、いやまさか、お前…う、嘘じゃろ?あの化け物と?全力?いやいやまさか、娘よ、今日はエイプリルフールではないぞ」


前回といい竜王親子にすら化け物扱いされるラークさん。でもあんなであっても一応生物学上はまだ人類なのです。

一応。


「いやさすがに心外だな人外に人外扱いされるのは。しかもネモフィラまで恐怖の象徴か何かみたいに言うんじゃねえよ」


「どっ、どどどっ、どっから出てきたそなた!?」


突如として出現したラークさん本人に本気で腰を抜かす竜王。


「どこからっていうか、普通に魔法でちょちょっと」


「そんなだから人外扱いなんですよあなたは」


「でもできちゃうし便利だし」


「ラークくんこんにちはー」


「おう、こんにちはらすぼすくん。後で遊ぼうぜ。で、何の話してたんだ?」


「私がご主人様の加護を馴染ませるのにズルをしてるとかゴミ親父が言いやがるので、あなたと全力戦闘とかしてるという話をしていました」


「ああ、そういう事な。そんなんで驚くのはまだ早いぜ竜王」


「なんじゃと!?そなたのような化け物以上にいったい何…が…」


ラークさんに言われて更に驚きを露にした竜王でしたが、自分で言っている内に気づいたらしく、顔を青褪めさせていきました。

ニヤリと笑ってラークさんが続けます。


「そう、ラスボスの奴だよ。あーもう羨ましいよなー、ほとんどいつでもすぐ手合わせできるとか」


「Oh my god !?」


…バタンッ


「…りゅうおう~?もしもし~?ねちゃったの~?」


驚きすぎてなぜか流暢に英語を叫んで竜王が気絶ました。


「そういえばそうですよ、ラークさん平気なんですか?今はまた旅してるんでしょう」


ネモフィラさんの言うように、勇者ことブランさんが回復したので、賢者であるラークさんも一緒に再び害になる魔王を倒す旅をしているのです。

…きっとここを読むまでラークさんが賢者だということを忘れていた人が何人もいる(確信)。


「今はブランが休憩中だからな~。でもそうなんだよな、旅してる最中だからあんまり来れねえんだよ今ー…」


「あなたがささっと連れて行けばいいじゃないですか」


「いやいや、旅は勇者がメインだろ。だから勇者に合わせるのが当然だ。それに魔王以外にも色々回って名声とか広めなきゃな。魔王倒すだけが勇者の役目じゃない…というか、そもそも勇者は人々を守るのが役目だ。名が売れれば行動もしやすくなるし、向こうから困ったこととか持ってきてくれたりするから色々解決してやれる。敵に挑むだけの勇気じゃなくて、色んな奴の思いを抱えて、色んな問題に立ち向かう勇気。それがあっての勇者なんだよ」


「……」


「…どうした?」


急にガタガタと震え出すネモフィラさんにラークさんが問いかけました。


「ら、ら、ら、ラークさんが戦闘関連以外でまともなことを言うなんて……あなたラークさんじゃありませんね!?」


「いやお前俺を何だと思ってんだ!?」


「戦闘狂でしょう!?」


「いや違うしそれ職業でもねえし!?俺賢者だよ賢者!勇者のサポート役!!」


「サポート!?ラークさんが!?嘘はやめてください!!さては賢者賢者詐欺ですね!?」


「何だよそれ!?」


その後ネモフィラさんが落ち着いた後、ラークさんは魔法で時間の流れを自分達だけ速くするという荒業を使いらすぼすくん人形と戦った後、旅へ戻っていきました。

めでたしめでたし。








「よ、よし、覚悟はついたぞ!ワシも旦那様に手取り足取り…はっ!?ま、まさか娘よ、やはり夜の鍛練も」


「らすぼすくんお父さんが覚悟できたって」


「おっけー!りゅうおうまかせてねー!ネモフィラちゃんとラスボスにまけないようにぼくたちもがんばろー!」


「えあああうえいやそうじゃない違うそうじゃないタスケテアアアァァァァァァーーー!!!」

・異世界散歩

空間をぶち破って次元を移動しながら散歩する、ラスボスの趣味。散歩とは言うものの、軽くジョギングすることもある。なぜか当人に気はないのに行く先々で高確率で悪の魔王やら邪神やらに遭遇し、ジョギングの勢いで蹴り飛ばしてしまったり攻撃を跳ね返してしまったりする。なお今回の被害者数は七十二万五千八百十三体。他にも様々な大きな出来事のきっかけとなっていることが多いようだが、果たしてそれは偶然か…?

そういえば余談になるが、気づいたら今回ラスボスの出番がなかった。どうし


ビリビリバキッピシッバリィィンッ


「む?これは少し戻る場所を間違えたか」


ドゴスッ


やぎゃあああぁぁぁぁぁぁ!?


「……。さて、今度は間違えずに城の前に戻らなければな」

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