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ラスボスさん。  作者: 有負 王
章ってなあに?ーーしょういうこと(章機能を使ってみたかっただけ)
11/25

まさかまさかの二編構造(最近調子に乗って話が長くなりがち)

お久しぶりです、ようやく後編(?)です!

このサイト、作者が自分の作った小説ごとにアクセス解析っていうのが見れるんですけど、それを見たところだと投稿できてない時でも私がよく投稿してる時期にアクセスがちょっと多めにあったりして、ああ、見てくれてる人いるんだなあって勝手に喜んでおりますw

ただの勘違いだったら恥ずかしい限りですが、それでもいるかもしれない継続して見てくれてる方のためにも、そしてそのうち書きたい別の小説をちゃんと定期的に投稿できるようにする練習のためにも、できるだけ月一投稿をできるように頑張ります!

それでは無駄に長くなってしまった話の後編をどうぞ!


…ああ、前書きが馬鹿真面目に書いて面白くない上に長い←

「ヒュオオオォォォォォン」


不協和音のような、それでいてどこか神秘的な美しさを感じさせる一声を巨人が響かせれば、今度は地は剥がれ岩は飛び、ありとあらゆる物体が強烈に巨人へと引き寄せられました。


「うぉのわぁっ!?」


「お父さん!?」


吹き飛ばされた後すぐさま翼を広げ巨人に向かって飛んで行こうとしていた竜王が耐えきれず巨人へと引き寄せられてしまいました。

そして、引き寄せられた土塊や岩は巨人に触れた瞬間消滅していき、竜王は、


「いやぁ~んえっちぃ~」


服や剣だけが消滅し真っ裸で落下していきました。同じく引き寄せられていた木々や草花も消えずに落ちていきました。それを見てやはりラークさんが呟きます。


「やはりあの姿は…」


「何か知ってるんですか!?」


「ああ…デリィには二つの姿があると言われている。ありとあらゆる命を消し去るさっきまでの巨人の姿、そしてもう一つが今のあの空を飛ぶ姿…非生物を消し去る姿だ」


「…と、いうことは…武器は効かない?」


「そうだな。ステゴロだ」


「おーい、ワシの貴重なお色気シーンじゃぞー!ほらほら!ほら!」


「じゃあ元の姿に戻ったほうがいいですかね」


「かもな…と言いたいところだが、いきなりさっきの姿に戻らないとも限らないからな。慎重にいったほうがいいかもしれない」


「難しいですね…」


「何じゃ遠慮するな!さあ!いやらし~ぃ目でこのワシのボンキュッボンなナイスバディをなめまわすように見るがいい!」


「参ったな。私や君には相性が悪そうだ。生身でも戦えないことはないが…厳しいな。しかも空にいるともなれば尚更だ」


「…そうかしら?」


「…何?」


「試してみないとわからないんじゃない?確かに効かない可能性の方が高いように思える。でも…何故かわからないけど、この力なら効きそうな気がしてならないのよ。それに」


「……」


「この状況で指を咥えて見ているなんてことは、私にはできないわ」


「…そう、か。駄目ならどのみち消えるのだしな。いいだろう。私も付き合ってやる」


「ほらほら!この一糸纏わぬあられもない姿を見ろ!あぁんっ(はあと)」


「黙れ皮も纏わない姿にしてやろうか」


「ごめんなさい」


「!?何か来るぞ!」


漫才が一段落したところで巨人が動きを見せ、ラークさんは皆に注意を促しました。まるで空気を読んで待っていたかのようなタイミングです。

ふざける空気は破壊しない破壊と虚無の神、ここに降臨。


「フィーフィフィーロロロ」


「ここから離れろ!」


巨人が鳴くと同時彼の周囲に円を描いて囲むように大量の穴が開くのを見てラークさんが叫ぶや否や、全員がその場から大きく飛び退きました。

次の瞬間、虚空に開いた無数の穴から、さきほどまで五人のいた場所へ向け、白い光球が猛スピードで飛んで来て通過して行きました。そしてその後には、


「…ひえ…」


何もありませんでした。変化がなかったという意味ではありません。文字通り、そこには何も存在していなかったのです。ぱっと見ではただ地面に穴が開けられただけのように見えますが、底が全く見えません。

そして直後、今度は地に開いた穴に向かって猛烈な風が吹き荒れました。予想はしていたのでなんとか全員が飛ばされず耐えましたが、かなりの体力を奪われています。


「はあっ…わかったぞ。ありゃ真空状態を作ってるんだな」


「し、真空状態?」


「言っただろ、あれは非生物を消す力。だからさっきので一定範囲の空気が消えたり、地面が消えたりして、結果、何もない空間を埋めるために大量の空気が流れ込む。それであんな暴風が起きるんだ」


実際、今も暴風というほどではないながら、そこそこ強めの風が吹いています。今年の台風24号は怖かった。

だって真っ二つになった木が植え込みにぶっ刺さってたりするんだぜ…(実体験)。


「…一か八か、試してみる価値はあるわね」


「そうだな」


何やら話し合いを続けていたSCHWARZ RBとエインボールが作戦を立てたらしく、ラークさんたちの方へ向かって来ました。そして手短に作戦を伝えました。


「助力を頼めるか」


「おう、任せろ」






「ヒュオオオォォォォォン」


ふたたび巨人が声を響かせた瞬間、


「おらぶっ飛べえええぇぇぇっ!!」


右手にSCHWARZ RB、左手にエインボールを持ち上げたラークさんが飛び蹴りの姿勢をした二人を全力で巨人に向けぶん投げました。相変わらず賢者らしからぬ人外じみた身体能力です。

そしてやはり自身にはありったけの身体強化魔法、二人には同じく身体強化魔法に加えて空気抵抗無効化やら運動エネルギー付加増幅やらエネルギー操作やら引力操作やらなんやらかけまくったため正直もうアホみたいな速度で二人が飛ばされて行きます。この場面を書くに当たって色々調べたらなんか空気抵抗と空気摩擦は実は別物だとか摩擦抵抗やら圧力抵抗とか音速超えると造波抵抗がどうたらとか出てきましたが、文系の作者にはほとんど理解できなかったので気になる人は自分で調べるかラスボス直伝空間破りを駆使してラークさんに直接訊きに行くかしてください。っていうかこの話はファンタジーだから物理学とか気にしてわざわざ調べたりなんかしなくてもよかったんだよ!(自爆)


「「はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」


そこから更に巨人が発生させた真空状態により光速すら超えた速度で黒と白の閃光は巨人を貫きました。アインシュタイン?相対性理論?なにそれおいしいの?光速は超えられなくて速くなるほど質量が増える?そんなの関係ねえ。


「ヒュオォ、ォオ、ォン…」


ズドォンッ


ラークさん達の元へ二人がスタッと降り立てば、巨人が地に落ち大きな音と砂埃を上げました。降り立つ位置がおかしい?この星を一周して戻ってきただけです。物理学的にありえないとかの意見は認めない。ファンタジーなので。


「やったか!?」


「バカそれ言っちゃダメなやつ!?」


竜王がこういう場面での禁句を口にしたのですぐさまネモフィラさんがぶん殴りましたが、




ーー目覚めるは"敵"染める為に。

"無"に"有"抱く混沌と化してでも、

愛も哀も無く己に染める。





ガラガラガラッ


「フィイイィー…ン!」


見事にフラグを回収しました。おめでとう!

突如粉々に砕け散りながら消えゆくかつての巨人の残骸から現れたのは、青く光るリングが表面に浮かぶ、直径一メートルほどの半透明な白い球体でした。


「さすがに…あれはキツいかもな…」


あのラークさんですらうっすら冷や汗をかいたのを見て、他の四人がぎょっとしていると、


「ならそろそろ我の出番だろう」


ずっと城から観戦していたせいで主人公なのに今の今まで空気と化していたラスボスが現れてそう言いました。なお、らすぼすくん人形は城でお留守番です。元々留守中の応対用だし。


「!た、確かにご主人様なら…」


「というかよくよく考えればそもそも最初からワシらじゃなくて旦那様に任せておれば…」


「いや、それよりあいつはどう見ても勇者には見えないが大丈夫か?」


「大丈夫だ問題ない。普通に戦うのも好きだ」


「フィルフィルフィル…」


ラークさん達と言葉を交わしながらラスボスはデリィと相対しました。そして見合って一触即発かというその時、


ボスッ


「うん?」


「ピィ!」


ラスボスの頭の上に何かが降ってきて、声を上げました。


「ス、スライム…?」


ネモフィラさんが思わず呟いたように、それはマゼンタに近い色をしたスライムのような見た目の謎の生き物でした。体の中央には星形のコアのような物が浮かび、二本の角の間から可愛らしい顔を覗かせていました。もし落ちる場所を少し間違えていたら角で串刺しになっていたところでした。ラスボスの角は前に自分でへし折って粉々にしてなかったかって?角ぐらいすぐに治ります。ラスボスなので。

スライムはそのままラスボスの頭上でぴょこぴょこ跳ねながら何かを訴えました。


「ピィ、ピィ!ピィピィ、ピィーピ!」


「ほう、なるほど、そうだったのか」


「え、何言ってるか分かるんですか!?」


「ああ。何でもあいつを止めるのはいつもこいつが担ってきた役目らしいな」


「ピィ!」


謎言語を当たり前のように理解し平然と会話するラスボスが説明すると、その頭上でスライムは嬉しそうに跳ねました。そしてふとネモフィラさんを見ると、じっと見つめ始めました。


「……な、なんでしょうか」


「ピィ!」


「ひゃっ!?」


次の瞬間、スライムはラスボスの頭上からぴょこんとジャンプ。目にも止まらぬ速さでネモフィラさんが手に持っていた剣を奪い去って包み込み、みるみる内に吸収してしまいました。目にも止まらぬ速さというのは単なる比喩ではありません。そうそうたるメンバーの揃うこの場で、目で追うことができたのはラークさんとラスボスだけ、つまり完全に人外レベル以上という凄まじい速さだったのです。そもそも他の人達もほとんどが生物学的には人外だよねとか言ってはいけません。

そしてスライムはその姿を変化させました。緑色を基調とした剣が現れ、体色は緑色に、コアはデフォルメされた剣のシルエットのように。それを見て、ラークさんが叫びました。


「やった!あれぞブレードスピィ!」


「!?なっ、なっ、なっ、何ですかそれ!?著作権!?」


「あれは剣を取り込んだことで剣を自由自在に扱う姿だ。それと、後者に関してはパロディだからたぶん…たぶんおそらくもしかしたらきっと大丈夫だし、何より今更だろ。そこの奴らとか」


この小説はパロディ成分多めでお送りしております。

ぶっちぎるぜ!


「ピィーッ!」


スライムは出現させた剣を構え、まっすぐデリィに突撃しました。

ちなみに剣は触手や腕を出して持っているのではなく、体の右側に手でもあるかのように浮かせていました。


「フィルルーン!」


しかし当然デリィもそのまま黙って刺されるのを待つわけはありません。体の周囲に円を描くように小さな白い光球をいくつか生み出し、スライムに向け飛ばしました。


「ピィッ!ピィーッ!」


それでもスライムは止まらず、剣で球体を切り裂いて果敢にデリィに挑みかかっていきます。


「あの姿のデリィは生物非生物問わず消すはずなのに、普通に渡り合えているということは、やはりあいつは…」


「また何か知ってるんですかラークさん!?」


「ああ、あいつは、あいつこそは…"星の写し子"スピィ。さっき言った、『何かが起こって助かる』っていうのは…あいつが現れることだ。…やっと思い出した!あーすっきり!」


一方すっかりラークさんは解説キャラとなっていました。なおラークさんはただの物知りさんでもバーサーカーでもありません。賢者です。

賢者です。念のため。

念のため。

大事なことなので二回(以下略)


「じゃ、じゃあ…もう大丈夫なんですね」


気が抜けたように言うネモフィラさんでしたが、


「うーん、まあ、世界消滅の危機は免れたからそうっちゃそうなんだけど」


「フィロロロロロロッ」


パシュンパシュンパシュンッビュゴオオオオオオオオッッ


彼女の近くを白い光球が近くをいくつか通り過ぎて地面に穴を開け、例の如く穴に向け凄まじい暴風が吹き荒れました。


「ひえあうあっ!」


「流れ弾くらいはぽんぽん飛んで来るから自分の身はしばらく守らないとな。世界ごと消えなくなっただけで、まだ完全に安全になった訳じゃない」


「さ、先に言ってください…それ…」


「いや言わなくてもわかるだろ、すぐそこで戦ってんだから」


その後もしばらくデリィとスピィの攻防は続きました。毎回戦闘シーン端折り過ぎだろとか言わないでください。この小説のメインはギャグなので戦闘シーンとかそれほど重要じゃないのです。

というか一々書くのとか嫌ですよめんどくさい(断言)。

全体的にスピィの方が押していましたが、突如デリィが新たな動きを見せました。


「フィールーウウウゥゥゥウウンッ!!」


デリィが一鳴きすると、その体から本体より二回りほど小さい無数の球体が現れたのです。その数、およそ五百。

見た目はその大きさと核が無いことを除けば、本体にそっくりでした。


「ありゃあ全部自律してるな。小型分身みたいなもんか」


「マジですか!?あの数が!?」


さらっと衝撃的な分析結果を言うラークさんに驚愕するネモフィラさん。小型の分身とはいえど本体があの強さ。その上それが凄まじい数いるのです。無理もないことでした。

とはいえ、他の面々の反応は案外冷静なものです。


「…一人で百体ぐらい倒せればいけるか?」


「無茶言わないで、って言いたいところだけど…やるしかないわね」


「さすがにあのスライムも本体と戦いながら周りまで対処する余裕は無いじゃろうしのぉ…」


「百体とかケチ臭いこと言うな、早いもん勝ちだろ!」


と、話し合っていたところで、


「おい、それなら我にも手伝わせろ」


スピィの登場によりここまで再び空気と化していたラスボスがそう言いました。主人公なのに…。


「お?それならどっちが多く倒せるか競争だな!よっしゃー!」


「ぼくもやるよー!」


らすぼすくん人形もセットでした。


「あうっふおひえやああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


「きゃー!ありがとうらすぼすくーん!たすかるよー!」


「りゅうおうもいっしょにがんばろうねー」


「ごめんなさいごめんなさい真面目にやります絶対手は抜きませんふざけません全身全霊全力でやります死にたくない殺さないで…」


竜王全力の土下座。まるで土下座のお手本のようなThe・DOGEZAな土下座です。教科書に載せてもいいくらいに模範的な土下座です。

それだけではありません。土下座したまま頭を地面にめり込ませているほどの全力でパワフルな土下座です。


「美しさと力強さを兼ね備えた究極の土下座!これぞまさしく伝説に語られる土下座、ドゥ・ゲイザー…!」


「何言ってんですかラークさん」


「いや、適当に言ってみただけだ。それよりさっさと行くぞ!俺が一番乗りだ!今日こそラスボス、お前に勝ーつっ!!」


「うむ、久々に同類と戦うのも悪くはないな、結構楽しめそうだ!」


「えっちょっ待っ」


ラークさんとラスボスはそのままデリィの分身を殲滅しに行ってしまいました。そして始まる駆逐劇。


「おらあっ!」


ラークさんは魔法による身体能力爆上げからの大剣二刀流に蹴りに頭突きにヒップアタックに噛み付きに攻撃魔法に状態異常魔法にデバフ系魔法にと凄まじい猛攻。


「ふんっ!」


ラスボスはといえばそのアホみたいに高い身体能力に物を言わせて物理でどんどん叩き伏せ、時に魔法を交え、時に目からビーム撃ったり、時に口から炎やら冷気やら拡散光線放ったりとハリウッド進出もした某大怪獣も真っ青どころか昇天必至の大暴れ。

なんならラスボスがその気になれば生物総辞職ビームも可能です。やりませんが。

さっきラークさんが「あの姿のデリィは生物非生物問わず消すはず」とか言ってた気もしますが、ラークさんは当たり前のように対策できますし、ラスボスにはそもそも効かないので関係ありません。


「…もう全部あいつらだけでいいんじゃないか」


「まあ、取りこぼしもあるかもしれないから警戒しておきましょう」


「あっちのほうにちょっとずついるからあっちにいこうよー」


「わかったよらすぼすくん!という訳で、私達は向こうに行きましょうか」





そしてそのままネモフィラさん達も端の方でちまちまデリィの分身の数を減らし始め、途中からなぜか例の村の村人達がいつの間にか現れて参戦したりして、着実にデリィの分身は減っていきました。やっぱり彼らも普通に戦えてるのは、ラスボスがしれっとかけといた加護のおかげだったりします。

しかし、ラークさんとラスボスという化け物どもが大暴れしているにも関わらず分身の減るペースがゆっくりなのは、


「フィールーウウウゥゥゥウウンッ!!」


「おっ、また増えた!入れ食い状態だぜHoooooooooooooooo!!」


「これは便利だ!終わらないし飽きない!!」


デリィ本体がどんどん追加しているからでした。

このままでは終わらなすぎてこの話がもう一編追加になってしまいます。長い。


「そうか、それもそうだな。うむ、これを使え」


とはいえ心配ご無用、デリィとスピィの戦いもそろそろクライマックス。

ラスボスがまたしても自らの角をへし折り、スピィに放り投げたのです。

それと同時、飛行機のような翼を背中につけて手足からジェット噴射しているゴーレムが上空を高速で通りかかり、その背中に乗っていたスライムが虹色に光る星形の物体が先端についた杖のような物をスピィに向け投げました。


「ピィッ!」


スピィはすかさずそれらを取り込みました。

するとどうでしょう、再びその姿をみるみるうちに変化させていきました。

角が生え、翼が生え。

それらは小さいながらも、ラスボスのような力強さを醸し出し、それでいて見る者に不思議と希望を抱かせる黄色い光を放っていました。

持ち物は剣から、先程取り込んだ杖に。

ラークさん(解説)が叫びます。


「やった!あれぞティンクルスピィ!」


「何か知ってるんですかラークさん!?」


「いや、悪いけど今回は知らない。適当に言ってみただけだ」


「知らないんかい!?」


ネモフィラさんのツッコミ役も順調に板についていっています。


「でもまあ予想だけならできるぞ。あれはラスボスの力とあの杖の力を取り込んで融合させたことで、単なるコピーではなく力を飛躍的に上昇させているんだろうな。それだけじゃなくて、見たところ、あいつ自身の力を最大限に引き出しているようにも見える」


「そういえばあの杖は城で見たような気がするな」


ラスボス城には何でもあります。

と、そうこうしているうちに、スピィとデリィが相対し、力を溜め始めました。

そして、合図も無いのに、まるで双子のように息の合った、コンマ数秒のズレすらない、全く同じタイミングで極太のビームを放ったのです。


「ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィーッッ!!」


「フィイイイイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィーーッ!」


かたや黄色、かたや純白。

二つのビームはそっくりで、拮抗して互いに潰し合うように、それでいてどこか二重奏を奏でるようにぶつかり合いました。

いつもなら乱入しそうなラスボスとラークさんも含め全員、この決戦に介入するのは無粋とばかりに静かに見守ります。

そして、


「ピィーッ!!」


「フィーンッ!!」


二色のビームが混じり合い、一瞬で虹色の光に辺りが多い尽くされました。

光が晴れると、そこには二体のそっくりなスライムがいました。片方はマゼンタ、もう片方は白。

二体は、少しの間ぽよぽよと跳ねた後、近くの空中に開いた穴から去って行きました。


「終わった…の?」


「…ああ、終わったぞ。もう平気だ。あーあ…終わっちまったか…でも楽しかったし世界消滅もしなかったから良し!」


こうして世界は危機を免れたのでした。

そして近くで地味にそれをずっと見守っていたゴーレムとスライムもそそくさと去って行ったのでした。作者は何もしてません。

めでたしめでたし。







「そういえばその辺穴だらけになっちゃってますけど」


「すぐ直すから問題無い」


「おわあああああぁぁぁぁぁーーーー!?」


「てーへんだぁ!竜王の姉さんが穴に落ちただぁ!」


「何で!?翼は!?」


「あーもう動けんのじゃー!!旦那様に助けに来てもらってお姫様抱っこしてもらわないともうだめなのじゃー!!」


「"オープニングブラスト"」


「ぐああああああああぁぁぁぁぁ!!」


「…らすぼすくん、助けに行ってあげて」


「おっけー」


「えっやめそれうわあああああああいやあああああひえああああああ!!!」


めでたしめでたし。

お読みいただきありがとうございました!

そして今回から、この後書きに用語や設定について触れる無駄コーナーを設けようかと思います。

本編に放り込んでもいいじゃんと思われるかもしれませんが、面白いかどうかもわからない上、その回の内容に関係あるものをやるとも限らないので、この駄文を読んだ後で更にそんなもんを読みたいという物好きな方だけ読んでいただければと思います←


・魔法

この世界…に限らず、有負の書いている世界(二次創作を除く)では、広く魔法と呼ばれているものは主に二つある。一つは"魔素"や"マナ"などと呼ばれる物質を利用するもの、もう一つは精神力や気力を利用するものである。しかしどちらかというと後者は単に"特殊能力"とも呼べるため、前者の魔法が存在する世界ではスキル、存在しない世界では魔法、もしくは超能力と呼ばれることが多い。とはいえ、どちらも超常的な能力や現象をもたらすため、性能的には理論上あまり変わらない。ほとんど過程や使用条件、扱い易さの違いである。どちらにも色々長所短所があるので、両方使える人は状況に合わせて使い分けよう!ちなみにラスボスはどっちも使いこなせるのであんまり関係ありません。ほぼ気分です。

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