さあ、冒険に行こう!
遅れました。
ちょっと体調不良で…すみません。
無から生み出す、また物質全く異なる物質に変化させる。
それらは世界の法則に逆らうため物凄い量のMPを消費してしまうのだ。
そのため洸希は”生成”するのではなく今ある”パジャマ”を一旦布に”戻し”、そこからまた作り直すという作業を思いついた。そして洸希はすぐに実行する。
『【上位魔法:思想魔法・無】素材還元!』
その魔法は見事に功を成し、今着ているパジャマが布に戻った。
(さて、こっからだ。次に編む魔法はと…)
『【下位魔法:思想魔法・無】自動編製!』
とまたも魔法を詠唱したが…。
《MPが不足しています。20/60》
(………マジかよ)
ここに来て魔法を連続で使用したことによるMPの不足。
こうなると休息するしか回復する術は無いので…その日はクシュンクシュン言いながら眠りについたのだった。
(ふぁぁ)
太陽が完全に姿を現した頃、洸希も目を覚ました。
長い間学校に通っていたこともあり、その必要がなくなってからもいつも通り規則正しい時間帯に起きれていた。
まだこの神殿らしき場所から一歩も外に出ていないため、食糧問題もあった。
神殿だからなのかもしれないが、なぜか水は大量に貯水されていたのでそれを昨日から頂いている。
もしかしたら本の中の世界のように神様か誰かが洸希のために用意してくれていたのかもしれないが…。
そんな妄想はさておき、とにかく食糧がないので早く服を作って出ることにする。
洸希は頭の中を真っ白にし、集中する。
『【下位魔法:思想魔法・無】自動編製!』
すると手元にあった布が自分のイメージする通りにスルスルと編製されて行く。
やがて数分もせずにすぐに服ができあがった。
(ふぅ、ここまで長かった)
身支度が整った洸希はすぐにこの神殿を後にする。
最奥部と反対方向に進み、やがては入口っぽいところまで辿り着いた。
心の準備が既にできていた洸希は一切の迷いなくそこから出る。
そして_____その瞬間、洸希は消えた。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
洸希が現れた場所は、一切知らない場所だった。
さっきの神聖な雰囲気は一切なく、それこそド田舎と表現しても可笑しくない森の中だった。
辺りには虫や鳥の声、沢山の木々があり、微かに水の音も聞こえていた。
ここに来る前の洸希には一切感じることのなかった自然の温かみだ。
そう、洸希はテレポートしたのだ。
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名前:素材還元
魔法型:特殊魔法
希少度:上位魔法
効果:手元にあるものを素材に戻す。
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名前:自動編製
魔法型:特殊魔法
希少度:下位魔法
効果:手元にある素材を使い、自らのイメージした通りのものに編む。ただし編むことのできる素材に限る。
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