シャープホークの群れ
少し遅れましたが、本日二話目です。
その大鋭鷹が倒れた後、遠くからバッサバッサと翼をはためく音が聞こえた。
そう、先程の大鋭鷹は完全なる囮だったのだ。
急いで逃げようとしたが、もう遅かった。眼前に編成飛行をした大鋭鷹達がカナに向かって突進して来ているのだ。そう、大鋭鷹の強さの真髄は個体ではなく群体での強さだ。
個では推奨レベルⅢだったのにも拘らず、群ではⅤまで跳ね上がる。
カナは完全に躱すのは無理だと悟り、カナに直撃するかと思われた瞬間、カナは勢い良く伏せたのだ。
大鋭鷹達は勢い良く伏せたカナに反応できず、そのままカナの背中を掠るだけで通り過ぎてしまった。
カナは一息吐く暇も無く、すぐに正面に向き直す。
よく見てみると先程戦ったような普通の大鋭鷹とは違った。
そう、普通の大鋭鷹よりも茶色い羽毛が若干金色がかっていて、一回り大きかった。
このモンスターは大鋭鷹を纏め上げる、至高の存在。大鋭鷹主だ。
そしてその周りに三体、赤と青と緑色の、異種ともいえる大鋭鷹がいた。これは大鋭鷹の中でも精鋭として扱われる炎鋭鷹、水鋭鷹、風鋭鷹の魔法を扱う大鋭鷹達だ。ホークリーダーは単体でⅤ、魔法を扱うマジックホークとでも呼ぼう大鋭鷹もⅤ。この精鋭編成だと群でⅥは優に超えるだろう。
常に死と隣り合わせで生きてきたカナは常にセーフティラインで活動して来たわけだが、極稀にこのような異変が起きる場合がある。カナは…一目散に敗走を始めた。
しかし、恰好の獲物を大鋭鷹達が逃がす筈も無い。
一目散に逃げるカナをどんどんと上空からのアドバンテージで追いかけて行く。
基本的にモンスターを大量に引き付けて人や町に押し付けるのは重大なマナー違反となっており、場合によっては最悪監獄に送られることだってある。そのためカナは都市の方向に逃げず、岩場の方へと逃げる。岩場は障害物が多く撒きやすいし、例え撒けなくても森が近くにあるためそこに逃げ込めば何とかなるかもしれない。カナはその思考を頭に巡らせ、人生で一番とも思える程の速度で駆ける。




