プロローグ
お久しぶりです。
新作を投稿しますが、文字数を少し少なくしてその代わり投稿数を多めにしたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
「ふーん」
そういって少年は…否、青年は一冊の本を閉じた。
彼の名は千葉洸希。どこにでもいる高校一年生で、どこにでもいる青春真っ只中の青年だ。
とはいってももちろん彼女等いない。それは洸希の性格故だ。
洸希は真面目なのかそうでないのか中途半端な性格をしている。趣味は読書で成績も中の上。
顔立ちはそこそこ、もしくは平均より少し上くらいだ。
これだけだとモテそうだが、その読書の本の内容は大抵がライトノベル。更にアニメやゲームに関しても準オタクといった感じで、多少女子が引くのはしょうがない。
それに自分から話しかけない陰気な面もあり、女友達が少ないのは事実だ。
しかしその半面、ゲームやアニメで男友達は異様に多い。
今日も学校が終わり、即座に自室に引きこもり、ラノベの新刊を読み漁っていた。
「面白かったな」
ラノベとは同じような展開…即ち”テンプレート”というものが存在するにも関わらず、相当に楽しめるというのは不思議だ。
面白いものや楽しい時間はすぐに過ぎてしまうものであり、感覚で少ししか時間が経ってないと感じた洸希は、次にお気に入りのゲームにログインする。
いつも洸希はこのような生活を続けているが、学生としての信念は忘れておらず、ニートとは程遠い。
今日も同じような感じで一日があっという間に過ぎて行く。
両親に「おやすみ」と言った後、「明日も学校かぁ」と独り言を漏らし、布団に入る。
学校では珍しい帰宅部だが、読書とゲームに一日を費やした洸希はすぐに眠気が襲い、数分で眠りに陥った。
◇◆◇◆◇
「ふぁぁ~」
そんな伸びやかな声を漏らし、大きく全身を伸ばす。
そうして目を覚まし、もう朝かという憂鬱感を抱きながら目を開くと…。
「うわ、何だこれ!?」
見知らぬ光景が広がっていた。
そこはどこか見たことのあるようなないような感じの豪華な部屋の中だった。
そう、洸希がよくアニメやゲームなどでみる謎の神殿みたいな雰囲気を醸し出している。
一瞬夢かと思ったが、こんな現実感のあるものを見せられて疑う筈がないし、何より頬っぺたを引っ張っても痛いというのが根拠となる。
洸希が寝ていた場所はこの豪華で広い建物の一郭っぽいが、それでも放つ高級オーラは半端ではない。
と冷静に分析していた洸希だったが、アニメやゲーム、ラノベを端から端までやっていたり読んだりしていた洸希は、ここにいても始まらないと、半分ドキドキしながら半分恐怖を抱きながら、たった一つだけある扉へと手を伸ばした。