止まらない時と動き出した運命
酷く暑い日のこと。
俺は学校など行かない引きこもりだった。
だから今日も休んでゲームソフトを買いに行っていた。
ちなみに俺と言っても普通に女なのだが。
「はぁ……これは流石に暑いな」
突き刺さる熱が体から汗を吹き出させる。
何度拭っても無意味だという事を知らされた。
「……せ、せめて飲み物だけでも………」
そそくさと公園の端にある自販機の元へと小走りで向かう。
自販機も熱が溜まって、触るだけでも火傷しそうだ。
「んと、今日はコーラに………なんだろ、これ」
黒い独特な形をした飲料の隣に可笑しな物があった。
思わず俺は目を奪われた。
「ワープ&トリップ?スゴい名前の飲み物だな……」
こんな飲料があるのかと、半信半疑だった俺の心は呆気なく
好奇心により埋め尽くされていた。
長年、何かと愛用している豚の小銭入れを取り出す。
背中をパカッと開くと金額が確認できた。
豚の背中に手を突っ込み投入口へと硬貨を放り込む。
「ピッ」と鳴る音と共に、ほぼノータイムで飲料が出現した。
今すぐ一気に飲み干したい所なのだが一応そこは女だ。
談話スペースでゆっくりと堪能してみよう。
手で魔法の飲料ワープ&トリップをぶら下げ歩く。
銭湯上がりのおじさん同然、コーヒー牛乳を一気に飲み干した
時のように「たまらんなぁ!」なんて叫びたいものだ。
「プシュッ!」と軽快な音が響いた瞬間、甘さを含んだ香りが
鼻腔に届いてきた。
うん、普通に美味しそうだな。
だがやはり最初なので、ゆっくりと少しずつ流し込む。
炭酸の入った少し甘くて酸っぱい味。
コーラより、これ位の方がいいかもしれない。
「っ……何だ、急に眠気が………」
意識が朦朧とし始め、頭がクラクラする。
必死に頭を抑えて少しの力を入れた手で頬を叩く。
だけど人間は睡魔に勝てないようだ。
「……誰か……俺に気づくかな………」
そこで俺の意識は途切れた。
どうもLeoです。
いやはや、これが初投稿だとは。
僕みたいな奴がすいませんね本当に。
温かい目で読んでくれたでしょうか?