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終焉の光  作者: Ryou
5/7

黒い部屋1

 巨大な黒い部屋。あちらこちらに、物が散乱している。フラスコ、ビーカー顕微鏡etc・・

全て化学用品だ。散乱した物の中に、妙な首輪をつけた囚人服を着ている青年が歩いている。イライラしているのか、部屋を行ったり来たりしている。暗すぎる為、顔は見えない。

近くにあった椅子に座ったかと思うと、又たって歩き出す。

それを数分繰り返した。そこに、いきなり光が差し込んできた。青年は長時間、この部屋にいたのか、手で顔を庇った。

光は徐除に消えて、パタンという音と共に掻き消えた。今度はカチッという音と共にパッと明るくなった。黒い部屋ではなく、単に照明がついてなかった様だ。

いや、照明をつけても壁は黒い。黒い所と白い所がある。黒い所はなにやら焦げたようだ。

さっき光が漏れた所に青年が目を凝らすと、同じ首輪と囚人服を着ている黒人の男が立っていた。しかも背が高い。青年も高いが、青年は180センチ弱ぐらいに対して、黒人の男は二メートル位ありそうだ。黒人の後ろにドアがあるが良く入って来られたものだ。

青年はいきなり、厳しい口調で口火を切った。


「遅いぞ!何十分待たせるつもりだったんだ?俺は失敗に終わったのかと戦戦恐恐としてたぜ?」


黒人の男は、顔をしかめて言った。


「そう、いきり立つナ。以外と手間取ったんダ。一人逃げ出して、捕らえるのに苦労しタ。」


流暢な日本語で答えた。日本には、長くいたようだ。黒人は足元を一瞥して言った。


「お前は予定より早く終わったようだナ。しかし・・酷くやりすぎダ。焦げ臭イ。」


「うるせぇ。猿猴捉月。俺は、ここまでやるつもりは無かったが、一人が誤ってガス管の管を外しやがって、ボン、だ。音がそっちに聞こえなかったのは、遮音壁のおかげだな。」


まぁ、そのおかげで早く片付いたんだがな、と青年は付け足して、下を見た。

青年の足元には・・・・人間の形をした黒墨が転がっている。ちょっと離れた所には、人体の下半身の部分だけが残っているものがある。青年の話から、上半身は爆発に呑まれたのだろう。だが本来なら、そこにいた青年も巻き込まれたはずだが、青年に外傷らしきものは見当たらない。

黒人の男は、それにたいしては気にもせずに続けた。


「お前のは、特に相手を苦しめル。それくらい考慮しといたほうが良かったんじゃないカ」


「俺の独断専行で進めて良かったんだろ。仕事はきちんとやった。文句言われる筋合いが無い。それに相手を苦しめる事はお前のほうが良く知っているだろう。」


「知っているだけダ。私は一瞬で蹴りをつけル。痛みなど感じさせなイ。」


青年が反論する。


「実践躬行。やろうと思えば、出来るんだろう。」


「やろうと思えばナ。」 


「そんな事は、どうでもいいとして、ゼラの奴が呼んでいル。遅れているから、急がないとナ。」


「あの、傲慢無礼な奴が?ていうか、おい。誰の所為で遅れたんだ?」


「さて、誰だろうナ?」


「お前の所為だ!」


等と、言い争いをしながら、部屋を出て行った。閉まったドアには、こう書かれていた。

“東京光学課実験室”と。




新章突入!!


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